エステラとゲドの関係



 この色、目が痛い。(じゃぁ、止めておけよ自分)
 でもほら、エステラの服ってこんな色だよね。

 エステラは虚言癖のある魔法使い。
 悪気は無さそうです。純粋に嘘が好きなのかも。(それも困るよなー)
 魔力は高い。使える! そして露出が高い! ラブ!(をい>自分)

 彼女はいったい、何のために旅してるんでしょうね。不思議不思議。
 案外、本当に天竺っぽい場所を目指しているのかも。秘術とか求めて。
 ロディを拾った(?)のは、純粋に気まぐれか。自分に役立ちそうと思ったからか。
 自分の嘘を真に受ける所が面白いからだという説に一票。(苦笑)

 さて、ゲドとは。

 エステラから見たゲドは、巨大な魔力の持ち主。まんまだ。
 真の紋章に選ばれてるんだから無理も無いか。
 でも、エステラ、特に真の紋章に興味無さそうなんですが。(気のせい?)
 動揺が顔に出ないゲドは、からかいがいが無さそう。(字面が読み難いなぁ)
 ぶちゃけ、どうでもいい、みたいなー。(笑)

 ゲドから見たエステラは、よくわかんな奴だなぁと。
 何のために嘘をつくのか。きっとゲドには理解出来ない。
 ただまぁ、人の趣味にとやかく言うほど、ゲドは他人に対して熱心じゃ無いので、放っておくに決まってる。
 実力は認めているだろうから、兵力としての計算は冷静にしてる気がする。
 結局はこっちも、どうでもいいのか。(苦笑)

 大人な関係っすねー。(え?)


魔力付加2


 医務室を覗くと、そこにはいつものようにエステラがいた。ただし、いつもその側で箒にまたがるロディはいない。
 本日、ロディはヒューゴと共に遠征に行っている。

 ゲドはエステラへと近づいた。
「あら。お師匠様。」
 エステラがゲドに気づいて声をかけた。
 3日前からロデイはゲドを「お師匠様」と呼んでいる。
 エステラのかけた今の言葉は、もちろん揶揄だ。

 ゲドは眉をしかめる。
「話がある。」
 目線でエステラを促す。
 医務室には人が多い。
「・・・そうね。」
 エステラは立ちあがった。

 二人は、医務室近くの廊下の突き当たり、崩れた外壁から外に出た。
 建物の裏に回る。
 案の定、誰もいない。
 ゲドは、壁にもたれかかるエステラを眺めた。
 いつもと同じ、布の少ない服を着て、何を考えているのか判らない、冷めた表情をしている。
 クリスには、臍を出す服が魔力を高めると言っていたらしい。
 いくつもの嘘で身を飾っているが、確か腕と耳に刻まれる模様は、魔力を高める、力ある図形だったはず。すでに知る者もほとんどいないほど、古い形の。
 だから、エステラはエステラなりに、魔力を求めていることは判る。
 だが、だからと言って、ロディに妙な入れ知恵をされるのも、困る。
 ここ2、3日、ロディにぴったりと張り付かれて、ゲドは気力を大いに消耗していた。
 ロディは素直なだけに、始末が悪い。

「ロディはお前の弟子なんだから、ちゃんと面倒を見ろ。」
 ゲドの表情に疲労の色が見え隠れする。
『魔力の高い人の体液を受ければ、魔力が増大する』
 その説をエステラに吹き込まれ、信じたロディは、ゲドに迫ってきた。
 理論を逸らしてかわしはしたが、今度は師匠扱いだ。
 そして、どうやらエステラに『今は、ゲドの回りにいることが、貴方の修行。直接体液を受けなくても、近くにいるだけで影響はあるのよ。』と言われたらしく、本当に朝から晩までゲドにくっついてくる。
 素直だから、そこで待てと言われれば、いつまでもいつまでも待っている。
 そのうちこちらの良心が痛み出すのだ。
 ともかく、精神衛生上、非常に良くない。

 エステラは上目でゲドを見つめた。
「私の弟子って言っても。ロディが勝手についてきただけだし。
 魔力の高い人の体液を受ければ、魔力が増大するのはあいにく本当だし。
 『精液』と吹き込まなかっただけマシだと思って欲しいわ。」
 エステラは壁にもたれたまま、どこか面白そうにゲドを見上げている。
 ゲドは溜息をついた。
「俺の力は真の紋章によるもので、生来の物ではない。
 体液を受けたとしても、回りに張り付いていても、一時的にしか魔力は上がらない。
 お前の元にいるほうが、よっぽどマシだと説得はしたのだが。」
 それでもロディはゲドから離れない。
 心の師匠より技の師匠の言葉の方が重いのかもしれない。

 くすり、とエステラは笑った。
「魔力のために張り付いているんじゃなく、貴方を好いてるのだとは考えないのかしら。」
 エステラがゲドの胸を指差す。
「・・・」
 その可能性を全く考えていなかったゲドは黙り込む。
「いいわよ、別に。ロディを説得するのは簡単だし。けど・・・」
 エステラはゲドに近づいて、その首の後ろに自分の手を当てた。
「ただとは言わないでしょ?」
 エステラはゲドの目を見つめる。
 その唇が誘うように薄く開かれる。
 ゲドの首の後ろの手が、ゲドを引き寄せる。
「・・・」
 ゲドは目を開けたまま、己の唇をエステラの唇に重ねる。
 お互いにお互いの真意を探り合ったまま、何の感情も篭らない、打算と駆け引きの口付けを交わす。

 首筋に小さな痛みを感じて、ゲドは眉をしかめる。
 エステラの目が笑う。
「何・を・・・」
 突然体から力が抜けて、ゲドはその場に崩れ落ちる。

「ただとは言わないんでしょ? 私の魔力付加に協力してもらうわ。
 大丈夫。ロディのことは心配しないで。上手く言って・・・」
 嫣然と微笑むエステラの、言葉の端はもう、聞き取れなかった。



 そして。
 ゲドは独り、壁に寄りかかるように座った状態で意識を取り戻した。
 脱力感が酷くて、立ちあがれない。
 血でも抜かれたのか。それとも・・・
 あまり考えたくは無い。

 それにしても、油断をしたものだ。
 寝る時まで近くにいようとするロディに、気を取られ良く眠れていなかったのも原因か。
 ・・・ロディは夜、部屋に入れないとなると、ドアのすぐ外で寝ようとしたのだ。
 部屋に入れないゲドが回りに鬼扱いされて、結局は中で眠らせることになったのだった。
 回りは回りでロディがゲドに付き纏うのを面白がっていたし。
 案外、ロディをけしかけたのは、エステラの作戦なのかもしれない。

 しばらく休んでからゲドは立ちあがり、壁の穴から城の中へ戻った。
 医務室を覗くと、いつもの場所に座るエステラがこちらに気づき、微笑みを浮かべた。
 その、あまりにも悪びれない、いつもと同じ態度に、ゲドの肩の力が抜ける。
 仕方が無い。
 こういう場合も、犬にでも噛まれたと、そう思うべきなのだろうか。
 そんなことを考えながら、ゲドは酒場に足を運ぶ。
 自分にとっての体力の元を補充するために。
 旨い酒があるといい。
 そしたら、気力も補充できるだろうから。



了(2003.0608)


 肝心なトコ書けって? うーふーふーふーふー。(邪悪笑)
 何があったかは、貴方の心の中で。
 レベル1からレベル10くらいまで、好きな段階をご想像下さい。

 エステラの二の腕と手首にあるタトゥーらしきもの。
 ただのおしゃれかもしれませんが、こんな設定があっても面白いと思いまして。
 エステラは派手に贔屓キャラなので(苦笑)知識豊富で魔力高く、本当の自分を嘘で隠す人に設定されています。
 ゲドの首に刺したのは仕掛け指輪の針。これもオリジナル設定ですわね。
 色仕掛けは、女性の有効な攻撃手段の一つです。
 出来ない人も、ままいますが。(涙。どうせ、どうせっっっ!)

 指輪を見たら、針か毒が仕込んであると思ってしまう私はダーク属性ですか?(苦笑)
 杖や傘を見たら、以下略。
 靴の底(略ったら略)

 それにしても読みなおしたら。このSSもどき、文章がそっけないなー。
 淡々としてる。
 下手に細かくすると長くなりそうだから、端的にしてるって丸わかりですな。
 一応、ロディの「魔力付加」の続き。読んで無くてもOK! のつもり。(苦笑)



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