箒を持つ要ちゃん
薔薇ノ木ニ薔薇ノ花咲ク、最初のイラストは要ちゃんっ!
さすが主人公!(?)
いやいや、やはり変幻君の画は可愛いわ〜〜〜(*^^*)
こんなに可愛く掃除されたら、注目せざるを得ないっつーか。
月村先生、悪い虫に見つからないか、ハラハラドキドキ。(笑)
土田君、窓の外の要ちゃんに気をそがれて授業がおろそか。(笑)
前髪をこういう風にしていたら、実は学園の人気をあずさと二分するアイドルになっていたかも??
んじゃぁ、変幻君のご期待に応えまして(?) SSもどきを。
手紙の配達、教授の言付け、校内の清掃・・・
要の日常の仕事は尽きることがない。
それでも働くことは好きだったから、つとめて明るく、要は今日も働いていた。
「ええと・・・ここの掃除が終わったら、次は・・・そうだ、2階廊下の補修があったんだっけ・・・
ちょっと急がないと、暗くなって手元が見え辛くなっちゃうな。」
要は少しだけ箒を速く動かし、少しだけ速く移動しようとした。
したのだが。
「うわっ。」
要は急ぐあまり、足元の石につまずいて、転んでしまった。
人間、焦ると失敗するという、いい証拠である。
もっとも、要はいつものペースでも転ぶのだが。
「しまったなぁ。」
服についた土ぼこりを左手で払いながら、要は立ち上がった。
よりにもよって、ゴミを集めていた場所に右手をついてしまったので、ゴミは散らかるわ、硝子の欠片で右手を切るわ、どうにも困った状況になってしまった。
これでは今日中に言われた仕事が終わりそうに無い。
目線を落とした要は、ふいに自分が大きな影の中に入ったことに驚いて顔をあげた。
そこには、いつか要が書類を落とした時に拾うのを手伝ってくれた、背の高い男子生徒が立っていた。
「ここは片付けておいてやるから、あんたは手当てしてもらえ。」
その男子生徒はぶっきらぼうに言って、土の上に転がる箒を拾い上げ、散らばるゴミを集めだした。
「いえ、そんな御迷惑は・・・」
「怪我をしたままうろつかれる方が迷惑だ。」
怒っているのかと思えるほど低い声。
その声に少し驚きながらも、要は深く頭を下げた。
「あの・・・ありがとうございます。手当てが済んだら戻ってきますので。」
「いい。そのまま次の仕事に行け。箒は俺が返しておくから。」
要が持つと大ぶりで、掃くのも中々大変な箒は、その男子生徒が手に持つと、普通の大きさに見える。
掃き方も、力強く、それでいて、なんだか慣れているようだ。
「ありがとうございます。」
要はもう一度頭を下げ、校舎へ走り出した。
「走るな、また転ぶぞ。」
後ろからかけられた声に、要は足を止める。
あの男子生徒は、どこから、いつから自分を見ていたのだろう?
振り返ると、目線が合った。
まっすぐな瞳に、なぜかどきりとする。
要は軽くうなずいて、今度はゆっくりと歩き出した。
『今度校内で会ったらお礼を言わなくちゃ。』
背中がなんだか温かくて、いつの間にかまた、要の足取りは速くなった。
どうでしょう? 土田がいるのはそりゃあ、○久が土田ファンだからであって・・・ごにょごにょ。
1枚のイラストから文を起こすのは大好きですよ〜。