要アイコン元画
要ちゃんのアイコン元画にございます。
可愛いですよねーーー。
変幻君に「薔薇の色、何がいい?」と言われ、
「要ちゃんならピンク!」と。
似合うと思うのですがどうでしょう。
土田の誕生日記念祭りのTOPイラストとして使用しました。
んが。
別にこの花は土田宛、というわけでは無いでしょう。(え?)
汎用性を持たせつつ、今回はまた、意外な所でどうですか?
SSモード機(機械なの?)
相変わらず要はいつもの格好で、いつもしている様に学校の庭の手入れをしていた。
手間をかけるだけ応えてくれる美しい花々。
今年も美しく咲いている。
「相変わらず、さえない格好をしてるな、兄貴は。」
突然掛けられた声に要は驚いて振り向いた。
「誠司・・・どうしたんだい? 仕事は?」
そこに立っているのは要の弟である誠司。
英国へ行かなかったことを実家に自分で報告し、こってりと絞られた後、学校では無く、仕事を始めることになったと、あの事件のごたごたが終わった後に聞いた。
「今日はちょっと暇そうだから、抜けてきた。」
悪びれずに誠司は笑う。
どこか卑屈だった今までと違い、その表情に暗い色は無い。
「まったく・・・。」
要は苦笑する。
「でさ、兄貴。どうしてその格好なままなわけ?」
「どうしてって・・・まだ着れるし。」
要は自分の着物をつまむ。丈夫な素材で出来ているそれは、ほつれも無いし、染みになっている汚れも無いし、季節的にもちょうどいいし、何も問題が無い。
今度は誠司が苦笑した。
「あの、教授って奴から沢山金もらったんだろ?
もう、俺より兄貴の方が金持ちだって。
なのに、学校は入らないし、そんな格好だし。」
月村の残した遺産に、要は手をつけていない。
「僕は、僕のかせいだお金で勉強したいと思ってるから。」
それが礼儀のように感じていた。月村に対しても、学業に対しても。
「じゃぁさぁ・・・貸してくんない?
俺、今まで倫敦に送金されてた分、家に金返さなきゃならないんだよ。」
「それは自業自得。貸さない。」
間髪いれずに要は答える。
「冗談だって。怒るなよ兄貴。」
誠司が肩をすくめる。
「君のは冗談に聞こえ無い。」
要はまだ、怒った風に頬を膨らませていた。
「お前に貸すくらいなら、自分の服の一着でも買った方がマシ・・・そう思わなかった?」
誠司が要の袖をひっぱる。
「え?」
「それくらいの遣い方でいいんじゃないの。変に考え込むよりさ。
とっとと、こんな小使いなんて仕事止めてさ。」
要は苦笑した。誠司は誠司で、自分に気を使っているのだ。判り辛いが。
「一応、服に関しては考えておくよ。あと、僕は自分の仕事に誇りをもってるから。」
要は庭に咲く薔薇を一輪、鋏で切って、誠司に差し出した。
「僕が丹精こめて咲かせた花だよ。綺麗だろ?」
要はにっこりと笑う。誇らしい気持ちも、もちろんある。
誠司は桃色の薔薇を受け取り、しげしげと眺めた。
「花屋に売ってるのに、ひけ取らないな。 さすが兄貴。なんでもそつなくこなす。」
その言葉は、嫌味というよりは感嘆で。
「お金は貸せないけど、その薔薇はあげるから、仕事場にでも飾るといいよ。
サボリたくなったら眺めて、やる気を出すこと。」
誠司は複雑そうな表情で、手元の薔薇を見つめた。
「これ持って帰ったら、お前、何処行ってたんだ、とか言われるな。」
「仕事中にサボってたんだから、少しくらい怒られなさい。」
平日の、こんな昼間に会社を抜け出すなんて。
「まぁいいや。大事な人の所へ行っていた。とでも言うさ。」
誠司は、手元の薔薇をくるくると回した。
「え?」
聞き返す要の問いに、誠司は笑うだけで答えなかった。
「じゃあな兄貴。また来るよ。今度は怒られないように、夜か休日の下宿にね。」
はぐらかされた感もあったが、要は釣られて笑った。
「ああ。待ってる。」
ひらひらと手を振って去って行く誠司。
その足取りは確かで、迷いが無かった。
ええと・・・ええと・・・?
誠司に関しては、シナリオによってイメージが180度違います。
(まぁ、他キャラもそうなのですが、私の中では特に。そうねぇ・・・かまいたちの夜の犯人くらい。 他シナリオでいい人でも、なんだか違和感っていう)
茶目っ気のある弟。
兄に対するコンプレックスさえ克服すれば、いい関係を築けるかと。
そんな感じで。
色は要の瞳の色。最初薔薇のピンクだったのだけど、読み難くて変更。
・・・やっぱり書き逃げます。じゃっ!!(脱兎)