金子アイコン元画
金子のアイコン元画です。
透明化に失敗したシャツの影部分はこれが正解。(涙。ごめんよお)
よく見ると、かなり胸が露出しております。
胸筋の筋までわかりますね。うくく。(←嬉しいらしい)
金子は、私も描いてみようとしたことがあるのでよくわかるのですが、難しい。
癖のある美男子って・・・。はい?
目がねーーー。たれ目ってわけでも無いのにたれ印象。
大体、日本男児がロマンスグレーな髪色なのは何事かと。(苦笑)
変幻君、ちょっと髪の色を青くしすぎたと後悔しておりました。
あと、目の色がね・・・。だってあれ、場面によって違うもん。しゃーないって。
わたし的には緑希望ですが、それじゃますます日本人離れ(笑)
そんな難しい金子を、きっちり金子に仕上げて下さいました。
ふふふ〜。可愛いーーーーー
前髪が降りてるのは○久リクエスト(爆)
え・・・SSもどきっすか・・・?
酒と埃と煙草と・・・古びた建物ならではの、すえた匂い。
昔の、病弱な頃の自分なら5分といられなかったであろうこの第二倉庫が、今一番落ちつける場所だというのは、不思議な感じがする。
ただでさえ人気の少ない裏庭の、さらに建物の中。
安普請の寮内では、下手をすれば隣の部屋の会話まで聞こえてきてしまう。
その点、ここは静かだ。
環境が環境だけに「静謐」という言葉を使うにはためらいがあるが、「静寂」ならしっくりくる。
一人だけの、個人的空間。
金子は学校ではあげている前髪を下ろし、窮屈な学生服を脱ぎ、シャツの釦をはずし、ついでに楽な素足になって、倉庫の壁にもたれかかった。
優等生を演じるのも悪くは無い。けれど、こうして素に戻った時に落ち着くということは、やはり多少は無理をしているのか。
金子は深く息をつき、ゆっくりと瞬きをした。
木箱と本で区切られた小さな空間。
案外と、自分は狭い空間が好きなのかもしれない。そういえば良く行く倶楽部も、酒を飲むのはそんなに大きくは無い部屋の中だ。
素に戻るために倶楽部に行くのも手なのだが、まだ日も暮れていない今の時刻では、さすがに学校を抜け出すのはきつい。
金子は、読みかけの本に手を伸ばした。
最近流行の、猟奇で耽美な探偵小説。
その本自体は、もう読み終わっていた。
設定は悪くないのに、何故か物足りない。
自分だったら、この設定を使ってどのように物語を展開していくだろう?
どんな文章で、どこに伏線を入れて、どんな台詞回しで?
そんなことを考えながら本を読み直すと、また新たな発見がある。
読み終えた本でも、全く違った面が見えて、なかなか面白い。
本に集中していたせいで、金子は自分のすぐ側まで人が近づいていたことに気づかなかった。
「先輩? もう暗いですよ。洋燈を付けたほうがいいんじゃないですか?」
真弓の声に、金子は内心の驚きを隠しながら顔を上げた。
「あ? ああ。そうだな。」
窓から差し込むのは、太陽が消えた後、夕方と夜の間の儚げな光。
金子はマッチを擦って洋燈に明かりをつけ、ついでに煙草を1本くわえた。
「何をそんなに熱心に読んでいたんですか?」
多少喧嘩をしようとも、真弓は結局、この倉庫にやってくる。
公共の場なのだから、来るなとも言えない。
では、自分が別の場所を探せばいいのだが・・・。
いや、むしろ倶楽部に行ってしまえば真弓は絶対についてくることは出来ないのだが・・・結局、自分もこの倉庫に来てしまう。
それは、どういう心境のなせる技なのか。
分析をすると馬鹿馬鹿しい結論が待っていそうで、金子はそのことについては考えないことにしていた。
「あれ? それって、僕に貸してくれた本ですよね?
まだ読んでないってことは無いでしょうから、読み直しですか? 珍しい。」
真弓は勝手に金子の持つ本の表紙を確かめる。
「まあ、な。」
金子は言葉を濁す。
「もしかして、原稿の参考にしようとしてました?」
しかし、真弓は勘が良い。
「違う。この本をもっと面白くするにはどうしたらいいか考えていただけだ。」
言ってから、しまったと思う。
「へぇ・・・ずいぶんと、こだわった読み方なさるんですね?
作家にはならないとおっしゃっていた割に。」
そして、真弓は嫌味ったらしい。
ご丁寧に普段は使わない敬語など使われた日には、含みもわかりやすいというものだ。
「関係ないだろう、人がどんな読み方をしようと。」
「はいはい。僕が来たことにも気づかないほどの集中力、御見逸いたしました。」
やはり軽く嫌味を含ませてから、真弓は金子の隣に腰を降ろした。
そういう所が、可愛く無いのだ。
そして、真弓も手近にあった本に手を伸ばす。
別に、この場所に二人でいるからといって、いつでも乳繰り合うわけではない。
どちらかというと、こんな風に、互いに互いの好きなことを勝手にやっていることのほうが多い。
狭い空間に、二人で。時には何時間も会話も無く。
金子は、煙草を燻らしながら、本を読む真弓の横顔を眺めた。
洋燈の、ほんのり橙色の光に照らされて、目元に睫の濃い影が出来ている。
こうして、黙っていれば絵になるのに。
口を開けば嫌味の応酬だし、性格は自分に負けず劣らず悪い。
だが、この、自分だけの空間に真弓がいても、不思議と気まずさや居心地の悪さは感じない。
いやむしろ・・・
やはり、面白くない方へ思考が向きそうになって、金子は考えることを止めた。
煙草の灰を灰皿に落とし、金子は再び本に目をやる。
作家としての読み方。そうなのかもしれない。
自分なら、この状況はもっと活かしてみせる。伏線となるべきシーンを、もう少し詳しく描写していれば、きっと・・・。
金子は自分の思考に潜ってゆく。
すぐ隣で、真弓は作家の提供する非現実的な世界に浸っている。
ページを繰る微かな音だけが、倉庫に満ちる。
二人を、洋燈の柔らかな光が照らしている。
それは一枚の絵のように、一本のキネマトグラフのように、自然な光景だった。
・・・だから?
ああ、ごめんなさい。人から突っ込まれる前に自分で突っ込んでおきます。(またかよ)
この画を見て、きっとこれは第二倉庫に違いないと思いましたの。
いや、水川先生の書庫でもいいんですけどね。
今回は倉庫で。
で、倉庫といえば要か真弓。
今回は真弓で。
(だからと言って、別バージョンを書くわけではありませんが)
私の中で、この二人はあまりいちゃいちゃしません。
二人ともひねくれ者ですしね。
でも、なんだか一緒にいると楽かな、という気がします。
お互いに性格悪いの知ってるから、飾る必要無いし。
いちゃいちゃしないけど、はたから見ると「やってろよ。」て具合のナチュラルさ。
そんなイメージだったりします。
文字の色、金子の髪の色にしてみました。ちょっと読みにくいかなーーー。許して。