真弓アイコン元画

逃げの真弓

真弓のアイコン元画です。
このサイズだと、瞳の色までちゃんと判別可能ですね。ふふ。
焦る真弓が、非常に可愛いです。
焦らせてみたいっ!(←をい。)
ほら、好きな子ほどいじめたいっていう、あの心理っすよ。(え?)

SSっぽいもの。

 あずさと真弓の関係が、わがまま息子と扶養家族から、恋人に変わってから数日。とある日の昼休み。
「ねぇ真弓、放課後ちょっと付き合ってよ。」
 前なら絶対に高圧的に強制的に真弓を引きずり回しただろうあずさに、改まってこう頼まれては、ちょっと嫌とは言いづらい。
「何? 事と次第によるけど。」
 なるべくそっけなく真弓は答えた。
 あずさの、上目遣いの、お願いモードの大きな目を見てしまったから、ちょっとどころか大分断り辛いのだけれど、せっかく対等な関係になったというのに、自分ばっかりあずさに弱いのでは面白くない。
「うん。あの・・・亜弓姉さまがさ、今度僕らが家に帰った時、お茶立ててくれるって手紙に書いてあったんだよね。
 それでね。僕、お茶の作法に自信が無いから、練習したいんだけど、その練習に付き合って欲しいんだ。」
 亜弓、という名前で、言い難そうな小声になるのは、多分真弓を思いやってのこと。
 前までは真弓など、自分の私物扱いだったのに、変われば変わるものだ。

 馬鹿あずさ。
 馬鹿みたいに素直だから、変わる時だって急で。
 自分はひねくれているから、そんなに急には変われない。
 なんだか、うらやましい。
「・・・どこで練習するのさ。この学校に茶道部なんてなかったはずだけど?」
 男子校に茶道部があっても怖い。
「要さんに頼んで、放課後に小使い室を使わせてもらうんだ。ほら、あそこ畳だから。」
 要とはあずさも真弓も色々とあった。けれど、あの、心底お人良しなあの人は、真弓もあずさも許してくれた。
 今も犯人を探しているみたいで、それには協力したいと思ってる。
「まぁ・・・僕は別に構わないけど、あずさ、お茶の知識あるの?」
 確かに亜弓は華道や茶道を習っていたみたいだけど、あずさは違ったはず。
「何回か、立ててもらったことあるんだよ。
 多分、その場になれば思い出すと思うんだけど、不安だからさ。」
 怪しい。理屈抜きに真弓はそう思った。

 そして、放課後。
「どうぞ・・・と言っても、僕の部屋じゃ無いんですけどね。小使い長さんも了承してくれたのでご自由に。
 抹茶はありませんが、煎茶ならありますので、見立てて使って下さい。」
 にこやかに要は笑って、次の仕事のためにまた校内へ戻っていった。
「さて、と。」
 あずさは懐から鉛筆とノートの切れ端を取り出した。
「あずさ? 何それ?」
「扇子と懐紙の代わり。お茶の道具は持ってきてないからさ。」
「なんだか本格的に見えて、お笑いなんだけど?」
「いいじゃない。」
 あずさは頬を膨らます。
「はいはい。」
 この際だから、気の済むまで付き合おう。

「まず、入り口の敷居の前に扇子を置いて一旦座って・・・」
 あずさは意外に正式めいた作法で扇子代わりの鉛筆を置いた。
「確か・・・」
 座ったまま、膝を引きずるように部屋に入る。
 ずりずり、ずりずり、ずりずり。
「ちょっとあずさ。どこまでその歩き方するのさ?」
 なんだか違う気がする。
「あれ? そういえば畳の縁を踏まないで歩くって言われた記憶があるから、どっかで立つんだよね。」
 部屋の半分まで膝で歩いて、あずさは立ちあがった。
 そんな風に膝で歩いてたら、着物の膝が抜けてしまうだろうに。
 絶対、何か違っているのだけど、真弓も茶道に詳しくは無いので突っ込めない。

 その後、ああだこうだと言いながら、一応あずさも真弓も畳の上に正座する。
「まず、お菓子がくるんだ。お菓子は懐紙の上に置いて食べるんだよ?」
 あずさは懐紙を出して、真弓にも一枚渡した。
 まるでその上にお菓子が乗っているかのように、摘んだ振りをして、食べた振りをする。
 まるでままごと。
 その様子がなんだか可愛らしくて、真弓は微笑んだ。
「何笑ってるのさ。真弓も食べるんだよ。」
「ええ? 僕も? 僕はお茶に呼ばれてないからいいよ。」
「わかんないよ。一緒に、かもしれないじゃない。亜弓姉さま、真弓に謝りたいって書いてたし。」
「・・・・・」
 確かに手紙には、そんなことが書いてあった。
 あずさが潔癖症になったきっかけの事件で、亜弓もまた、心が傷ついていたんだと、今はわかる。
 わかるからって、すぐに許せるものでも無いけど。
「真弓が嫌ならいいんだ。でも、皆一緒にお茶飲めたらいいのにな、と思って。」
 しょげた風なあずさを見て、少しだけ心が痛む。
 あずさにとっては、やっぱり綺麗でおしとやかで自慢の姉なのだから、出来れば仲良くして欲しいというのが本音なんだと思う。
「・・・わかったよ。お茶の席につくかどうかは別として、作法を覚えておくに越したことは無いからね。」
 この場はあずさに付き合おう。
 真弓は空想上の菓子を摘み上げ、口に入れた。

 あずさは嬉しそうに笑う。
「そしたら、お茶が出てくるんだ。真弓は少し待ってて。」
 あずさは立ちあがり、要が指し示していた棚を漁って、お茶の準備をしだした。
「大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫・・・」
 あずさは湯呑の乗った盆を抱えたまま、真弓の横に座ろうとした。
 が、足が痺れていたのか、バランスを崩したのか、2つの湯呑が盆を離れ、真弓目掛けて落ちてくる。
「ああっ!」
「うわっ!!」
 間一髪、真弓はお茶を避けたけれど、代わりに畳には大きな染みが出来てしまった。
「ど、どうしよう・・・。」
「馬鹿あずさ。早く雑巾。ほら、やかんの側とかに無かった?」
「あった。うん。持ってくる。」
 真弓は畳に転がる湯呑を拾い上げる。
 幸い、落ちた位置が低いのと、下が畳なこともあって、割れてはいない。
 部屋を使わせてもらって、部屋を汚して、備品を壊して・・・じゃあ、要の顔が立たない。
「あったよ。」
 二人して畳を雑巾で叩き、少し染みが薄くなる。

 使った物を片付けて、申し訳無いので一応部屋の全体を掃除なんかもして、二人は一息ついた。
「悪いことしちゃったな・・・謝らなくちゃ。」
 あずさはすっかりしょげている。
「うん。そうだね。」
「・・・真弓もごめんね。付き合わせた挙句、こんな風になっちゃって。」
 小柄なあずさの肩が、さらに萎縮する。
「・・・別にいいよ。気にしてない。」
「ホント?」
「うん。」
 結果的には失敗だったけど、あずさの考えは悪くなかったと思うし。
「それなら、良かった。」
 あずさはほっと息をついた。
「でも、今度はもっとちゃんと準備してからやろう?
 僕、図書室で調べてくるからさ。」
 あずさの作法は、なんだか間違ってる気がしたし。
「え? また付き合ってくれるの?」
 あずさが驚いた風に目を見開く。
 もともと大きい目が、零れ落ちそうだ。
「まぁ、ね。 馬鹿あずさ一人だったら、全然作法思い出せないだろうし。
 仕方ないから付き合ってあげるよ。練習も、本番もね。」
 こういう関係になる前から、やっぱりあずさは放って置けなかったし。

「真弓、大好き。」
 突然、あずさが真弓に抱きついてきた。
「うわ。」
 腕ごと抱きしめられては、抱き返すことも出来ない。
 綺麗好きで潔癖症の気のあるあずさからは、石鹸の匂いがする。
 人に触られることをあんなに嫌がっていたのに、今はどちらかといえば触りたがりだ。
 真弓限定かもしれないが。

「あずさ、ちょっと。こんなとこ小使い長さんが帰ってきたら困るし。」
 嬉しいけれど、やっぱり、時と場合を考えて欲しい。
 要ならともかく、小使い長に見つかるのは、ちょっとまずい気がする。
「う・・ん。」
 あずさは抱きしめる力を緩め、腕をはずし、でも、真弓から離れる瞬間に真弓の唇を奪っていった。
「な!」
「ふふーん。この間のお返しだよ。」
 この間、廊下で真弓からあずさに口付けした時、あずさはひたすら焦っていた。
 けれど今は、余裕さえ見える。
 なんだか面白く無い。
「へぇ?」
 真弓はあずさの腕をつかむ。
「え? 真弓? ちょっと・・・」
「お返しなら、倍にしないと。」

 真弓の目が座っていた。




終わって無いじゃんっ!
誰に突っ込まれる前に自分で突っ込みましょう。(さすがに3度目だとどうだろう)
だってさぁ。
この先書いても、どたばたラブコメ?(苦笑)
いやもう、勝手にラブラブしてて下さいってなもんで。
だから終わり。終わりなのっ。
いいの、一応、焦ってる真弓書けたから。
(そのシチュエーションのために、これだけ長くしないと状況説明出来ない私ってヘタレかも)

なんだか私が書くと、どんどん真弓の性格が悪くなっていきますが。(苦笑)
私が書くと、どんどんあずさが御馬鹿で可愛い性格になっていきますが。(苦笑)
いいの、それでもこの人達は幸せなはずだから。

どっちが攻めでもいいんだけど、このSSもどきだと真弓攻めっぽいですね。

この二人のカップルは、EDがちょっと切ない。
汽車のシーンでエンドですかい?!
いやまぁ、脳内で補完しますけど。(苦笑)
だって、ハッピーエンドっぽいじゃないですか、この二人。
苦難を乗り越え、大人になってからの再会。
お互いに驚いて、少し笑って、まず握手。
後に抱き合って欲しいなーとか。(公衆の面前じゃ無理だろ?)

真弓は赤紙召集免れてましたが、あずさはどうなんでしょうね?
健康優良児っぽいから、戦争に行ったのかな・・・。
それとも家の力で行かなかったのかな・・・。
気になりますのぉ・・・。
ま、どちらにしろ幸せであって欲しいと、切に願うわけです。


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