
不確かだけれども。
「せんせー」
今年が終わる。
「どうしよう?」
「どうしたい?」
ベッドの上で二人きり
「手・・・繋ぎたいってば」
鐘が鳴り響く中
身体を重ねて
そう
いつもの様に。
手を繋いで
明日を待つ。
「せんせーはさ」
年とか
来年とか
去年とか。
「いつまで俺の傍にいてくれんの?」
もう関係が無くて。
只、気にせず
このまま一緒にいられたらとか
そんな叶わない願いに縋って。
どうしようなんて。
「・・・どうだろうね」
こっちが聞きたい位だよ。
「来年は何してるってば?」
「来年?」
「うん」
「そうだねぇ・・・」
去年と、変わらないんじゃない?
なんて事を言ってみたら。
「あはは、やっぱ?」
苦笑いで
俺に抱きつく。
「ナルトは来年は何したい?」
「俺?」
「うん」
「らいねん・・・」
「せんせーと一緒にいたい」
「・・・そう」
来年もまた一緒に居たいなんて
そんな事。
保証も無い癖に。
いつ俺の前から離れていくか分からない癖に。
それでも。
この言葉に嬉しくて
信じたくて。
ナルトを手放せないでいる。
「ナルト」
「何?・・・んぅ」
離したくないという思いが
頭を支配して
貪欲にこの愛しい子を求め続ける。
「んっ・・・ぅ・・・」
たかがキスですら
こんなに安心して。
まだ大丈夫と
更に貪欲さが増して。
「ぷはっ・・・」
「苦しい?」
「・・・んーん」
「じゃあ、もう一回」
唇を繋ぎ合わせて
身体を繋いで。
俺は、何が欲しいんだろう?
「あ・・・あっ・・・!」
「ナルト・・・っ」
「や、ダメ・・・ぇっ」
「・・・ど、して・・・っ?」
「だ・・・てっ・・・このまんまで・・・・っ・・・ああ!」
「このまま・・・?」
「このまん・・・までっ・・・いたいってばぁ・・・!」
腰を動かす俺を
しきりに嫌がって
一体何が目的なのか。
一体何をしたいのか。
「このまんま・・・今年が終わっちゃうよ?」
「だから・・・いいのっ」
「そうなの?」
「うん・・・」
「繋がったままでいたいってば・・・」
ああ
分かった。
確かなものが欲しいんだ。
「このまま年越しねぇ・・・」
「せんせー・・・イヤ?」
「や、別に嫌じゃないけど」
「けど・・・?」
「お蕎麦食べるって言ってなかったっけ?」
「あ・・・忘れてた」
「どうする?」
「・・・・・・・・・・」
「どうしたい?」
「・・・・・・・・・・」
「ナルト・・・?」
「このまんま、せんせーと一緒の方がイイ」
永遠が・・・欲しい。
保証も確信もないけど
一緒にいたい。
それはナルトも同じで。
だからこうやって身体を重ねて
確かめ合って。
馬鹿みたいだけど幸せで。
「俺も・・・一緒がイイ」
ナルト。
このまんま
来年もこの先も
ずっと一緒に居たいよ。
永遠に
一緒に居たいよ。
「鐘・・・終わったってば」
「うん、もう年明けたね」
「せんせー・・・」
「ん?」
「キスしたい」
「うん・・・」
求めるものはお互い同じもので
願う事もお互い同じ。
「ね、ナルト」
「んー・・・?」
「俺、もう我慢できないんだけど?」
「あ・・・はは」
「動いても・・・イイ?」
「・・・いいってば」
鐘が鳴って
お互いが居る事を確認して
安堵を得る。
また来年も同じだといいな。
「せんせー・・・だいすき」
耳に未だに響く
除夜の鐘。
去年の終わりを告げた
サイレン。
保証の無い事だけど。
いつ終わるか分からないけど。
「今年も・・・宜しくね」
今は何にも考えず
ナルトと一緒にいよう。
END.
天兎 珠さまからお年賀にイラストと小説、両方いただいてしまいました〜〜っ
正月早々なんて太っ腹なお方vvv
やってることは年末年始の竿納めと姫初めなのに(笑) とっても切ないです〜
でもナルちょ、自分から「繋がったままでいたいってば…」なんてっっっ
ダ・イ・タ・ンなんだからっもう!
カカシ、たまりませんね!!
珠さま、ほんとにほんとにありがとうございました〜〜vvv
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