カカシ先生の食欲の秋vvv
広い木の葉の森の中。
いつの頃からか、木々の葉は赤や黄色に化け、美しく森を彩っていた。
そんな中に一基は高く聳え立つ楓の木。
葉の色は夕暮れ近くの太陽を浴び、眩しい程の赤。
そんな楓の木の中腹、太い枝の上で愛読書を片手に読書の秋を堪能する上忍カカシ。
時おり目の端を落ちて行く紅葉に気付いては「秋だねぇ〜」と溜め息をもらす。
「ん?」
読書を楽しんでいたカカシが一つの気配に気付いた。
カカシが常日頃から堪らなく愛しく思うあの子の気配。
忍びの鉄則とも言える“気配を絶つ”と言うこともせずに、浮かれた足取りの小さな影が近付いて来る。
遥か遠くを赤い葉の間から見れば、美しい金色の髪を揺らしながら歩いてくるナルトの姿が見える。
「ナルトvvv」
小さく呟き、自分は見事に気配を絶つとナルトを観察し始める。
ナルトが目指す先はカカシが潜む大きな楓の木。
見惚れてしまうほど美しく紅葉したそれがナルトの視界に入ると、満面の笑顔で楓の木の根元に走り寄ってきた。
「すっげー!!」
根元に立ち、力強くしなやかに天に伸びる楓に感嘆を吐く。
(可愛いぃ〜vvv)
違う意味で感嘆を吐くカカシ。
カカシは沢山の紅葉に身を隠しナルトを見下ろす。
しばらく楓の紅葉を見上げていたナルトが軽く地面を蹴り上げ「よっ・・・」と、木に登り始めた。
繊に枝から枝へ跳び移りながら木を登る姿は正しく忍者。
無駄な動きは無く、カカシは(合格!!花丸だねvvv)と一人関心していた。
ナルトは木の葉の森を一望できる程の高さに来ると適当な枝に腰を下ろし、着ていたジャンバーの腹の辺りをゴソゴソと探りだした。
(?)
カカシはナルトに気付かれない様に木の上を移動し、ナルトとはちょうど反対側の枝に立ち木の幹を境にコッソリと様子を覗き見る・・・。
「へへへvvv」
腹の中から出て来たのは紙袋。
嬉しそうにナルトが紙袋を開けると、中からあんまんに肉まん、カレーまんにピザまんが湯気と共に美味しそうな顔を出した。
「!?」
出てきたモノにカカシは目を丸くする。
「美味そうだってばよvvv」
ナルトが幸せそうに呟いた。
「ぷっ!!あははははは!!!」
それを見たカカシは思わず吹き出し、大笑いする。
「!? せ、せんせぇー!!!!」
突如後ろから聞こえてきたカカシの大笑いに思わず手に持っていた饅頭の袋を落としかけたナルトが腹を抱えて笑うカカシを睨み付ける。
「驚かすなってばよ!!!」
「くくく、悪い、悪い・・・」
唯一露わになっている右目に涙を溜めながらカカシは謝罪する。
「もう、いつからソコに居たってば?」
柔らかそうな頬をぷぅっと膨らませ怒った様に見せるナルト。
思わずカカシの垂れている右目はあまりの可愛らしさに更に角度を下げる。
「お前がココに来るずっと前からv」
カカシは「よっ」と、ナルトの居る方の枝に移動しナルトを抱き上げると其処より少し下にある安定の良い枝に移動した。
「な、何だってばよ!?」
カカシの腕の中で紅葉の葉の様に頬を赤く染めるナルト。
カカシは枝の上に腰を下ろすと、ナルトを抱きかかえる様に自分の膝の上に降ろした。
「ま、気にしない気にしない」
そう言うと、カカシは腰のポーチから先ほどまで読んでいた愛読書を取り出し読書を始めた。
「ちょっと、先生?」
ナルトの呼びかけには答えず、カカシは只々イチャパラのページを捲る。
そんなカカシの様子にナルトは溜め息を一つ吐くと、手に持っていた紙袋から暖かい饅頭を一つ取り出す。
ほかほかの肉まんを秋の色に染まる木の葉の森を見下ろしながら食べ始めた。
「先生ってば読書の秋?」
食べかけの肉まんを片手にナルトが聞いてくる。
「そvナルトは食欲の秋ってかい?」
「そうだってばよvvv」
手に持っていた肉まんを全部口の中に入れると、次はあんまんに手を伸ばす。
「美味しい?ナルト」
カカシが後ろから聞けば、ナルトは振り返り「うんv」と満面の笑顔を見せる。
くらくらするナルトのその笑顔にカカシの顔が緩み、流石の上忍も形無し。
口の端には今食べているあんまんの餡がくっ付いている。
「俺も食欲の秋がしたいなぁvvv」
「ん?ふぇんふぇも(先生も)はべる(食べる)?」
ナルトは食べかけのあんまんを口にくわえガサガサと紙袋に手を入れる。
「いや、そんなにいらないよ」
カカシは苦笑しながらそう言うと、自分の方を振り返るナルトが咥えているあんまんを口から取った。
「あ・・・」
ぽけ〜と取られたあんまんを見ていたナルトの顎を空いているカカシの手が捉える。
「!?」
次の瞬間ナルトの視界に、少し乾燥した薄いカカシの唇が移った。
「ん・・・・・」
カカシはナルトの唇に軽く口付けると、ナルトの口の周りに付いている饅頭の餡を舌でペロッと舐め取った。
「今日のナルトあま〜いvvv」
心底嬉しそうにカカシは笑うと、持っていたあんまんをナルトの口に戻した。
「ふぁに(何)ふるふぇばよ(するってばよ)!!!」
耳まで赤くして饅頭を口に入れたまま叫ぶナルト。
「何って・・・」
再びナルトの口から饅頭を取り、今度は其れを投げ捨てた。
「あっ!!何するって―――!!!」
怒りながらカカシへ振り返った瞬間、カカシの唇がナルトのソレを塞いだ。
ナルトの口の中に残る餡子の甘味を楽しむようにカカシの舌がナルトの舌を絡め獲る。
「・・・ふ・・・ん・・・・・」
くちゅりと鳴る唾液の音がナルトの耳を犯し、頭の中まで犯していく。
ナルトの身体から力が抜け、息苦しさから閉じられた瞳の端にうっすらと涙が溜まりだす。
ナルトがすっかり大人しくなったのを見計らい、カカシは名残惜しそうに唇を離していった。
「はぁ・・・」
ナルトから短い溜め息が漏れる。
カカシは腕の中でくったりとしたナルトに苦笑しながらナルトの耳元に囁いた。
「俺的にはナルトで食欲の秋を満喫したいんだけどねぇ」
瞬時に耳から首まで真っ赤になるナルト。
「いいだろ?ナルト」
優しくカカシにそう囁かれ、NOとは言えない自分に内心苦笑しながらナルトは呟いた・・・。
「先生にだったら食べられたもいいってば・・・」
秋の風が紅葉した楓の葉を揺らす。
ザァと鳴る葉の音を聞きながら食欲の秋を満喫するカカシ先生でした。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
秋企画とか言っておいてチョ〜駄文!!!Σ(°ε°;/殴!!)不完全燃焼です・・・。近いうちにこの続き書きたいっす!!
裏行きなのは既に決定してます(微笑・・・)
2001.8.27 エツ子
エツ子様のサイトより強奪!
こんな悦小説、持ち帰り可だなんて、太っ腹です(^o^)丿
しかも裏で続き……あ、よだれが…
ティッシュ用意していつでも鼻血出してもOKなようにしておかなきゃっ