| 新年ナルト争奪杯 |
新年が明けて幾日か経ったある日。
火影はナルトを誘って火影邸の庭に出ていた。
「ほれナルト、もち米が炊けたぞ。」
「じゃあ、早速始めるってばよ!!」
庭には臼ときぬが出されていて、ナルトは気がはやく、きぬを片手に素振りの練習をしていた。
「じゃあ入れるかの。」
「それじゃあ、やっとつくってばよ!!」
火影は炊けたもち米を臼に入れると、ナルトはきぬを振り上げた。
「そーれ!!」
「おいしょ。」
「そーれ!!」
「おいしょ。」
ナルトがもちをつくと火影はもち米をひっくり返した。
その光景はとてもほんわかとした雰囲気だった。
「ふうー。それにしても火影のじっちゃんとこんなに長く2人きりでいたのは久しぶりだってばよ!!」
ナルトは額の汗を拭いながら言った。
「そうじゃのう〜。まっ、2人きりを楽しむとするかの。」
火影は笑ってそう言った。ナルトもつられて笑うのだった。
そう。
ナルトが火影と2人きりになるのはほんとに久しぶり。
ナルトが下忍になる前までのことであった。
それもこれもあの木の葉一恐ろしい団体、『ナルト愛護団体』のためであった。
くる日もくる日もナルトにべったりで火影が近づく隙を与えないのだ。
しかし、久々にナルトと過ごしたかった火影は職権乱用とばかりに愛護団体のメンバーを里の外に追いやったのだ。
アンコ・イビキ・ハヤテなどには暗部級の任務を。
アスマ・紅・ガイにはAクラス任務を。
中忍になったサスケ・シノ・シカマル・ネジ、そしてイルカにはBクラス任務を。
下忍のヒナタ・キバにはDクラスなれどお使い任務を。
そして、最強にして最悪の人物、はたけカカシには、超超Aクラスの死なない方がおかしいという長期任務を押し付けたのだ。
普段ならはした金で死ぬと分かっている捨てゴマのような任務は絶対に引き受けないのだが、カカシの為・今日の日のため
引き受けていたのだ。カカシを始末するには安くかかっていい。と、ナルトおばかの火影は思ったのだった。
(しばらくはナルトと2人きりじゃい
)
火影はにやつきながらもち米をひっくり返した。
「じっちゃん・・・まだかな?」
ナルトは疲れた手をもみながら息荒げに火影に問いかけた。
「疲れたか?」
火影はナルトの様子に笑いながら言った。
が。空気が変わった。
「じゃあ俺が変わってやろうか?」
「「!!」」
そこに現れたのは死ぬはずだったはたけカカシ。
「なんか楽しそうなことをしてるね?」
カカシはそう言ってナルトの頭に手を置いた。
「もちついてるんだってばよ!!じっちゃんとぜんざいにしたりしょうゆで焼いたりして食べるんだってばよ!!」
ナルトは満面の笑みで言った。
「へえ・・・・それにしてももちつくの楽しそうだね・・・。」
「!!」
このとき、カカシの目の色が変わるのを火影は見逃さなかった。
「カカシ・・おぬし任務は・・・・。」
「ちゃんとやってきましたよ。報告はあとでしますね・・・・。」
カカシはそう言って、ナルトからきぬを受け取った。
「火影様・・・・いきますよ。」
カカシはそう言っておもいっきりきぬを振り上げた。
そして、きぬはびゅっと音を鳴らして臼に、いや火影の手をめがけて振り下ろした。
「!!」
火影は間一髪で手をどかした。しかし、恐怖のあまりもちをひっくり返すことが出来ない。
「火影様、早くもちをひっくり返してください。」
カカシは静かにそう言うとまた大きくきぬを振り上げた。
そのとき。
「カカシ、次は私にやらせて。」
アンコはカカシの方に手を置くと火影を見て言った。
アンコのその後ろにはナルト愛護団体面々の姿が見えた。
(死ぬかもしれない・・・・・・。)
このとき、火影は身をもってナルト愛護団体の恐ろしさを知ったのだった。
>完
明けましておめでとうございます!!
去年はお世話になりました。
今年もサイト共々よろしくお願いします。
お持ち帰りの際にはBBSかメールにて一言いただけると幸いです。
それでは。よいお年を!!
こまち あき
こまち様から強奪〜☆
あぁ、可愛そうな火影さま〜〜しかし、じじぃのはぁとはちょっとこわいぞ(笑)
新年しょっぱなから大笑いさせていただきました。
こまち様、ありがとうございますv
今年もよろしくお願いしますです。
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