俺の名前は、はたけカカシ。エリート上忍。
はっきり言って身体は健康そのもの。
若い時にかなりいろいろなことをやった割には、ケガ以外で病院のお世話になったことは一度もない。今でも若いけど。
風邪なんてくだらないもの、生まれて一度も引いたことなんてない。
おかげで、里のやつらからは健康の象徴的存在だ。影ではこの事実を”魔王”やらなにやらと言っているらしいが。
俺自身、この健康的な身体は唯一誇りに思っていたりする。ルックスもだけど。
しかし。
そんな俺がこの体を恨みたくなるある事件が起こった。
例に漏れず、ナルト絡みなのだが・・・・・・・・・・。
俺って不幸?
「ナ〜ルト、今日暇?暇だよね?暇に決まってるよね!?」
俺は、木の葉の里に新しく出来た映画館にナルトとデートをするため、
3日前からいつもよりかなり張り切ってこの日のデートを綿密に計画していたのだ。
待ち合わせなんて一番に来て、さっさと任務終わらせて半ドンにしたのもこのため。
俺たちはお試し1ヶ月の恋人だから、この真っ暗な映画館で1歩前進を狙っているのだ。
「あーごめんってばよ。今日はダメなんだってば。またね〜。」
俺の計画がはかなく散っていく瞬間だった。
しかし、たった一言で納得のいく俺ではない。
反論しようと思ったが、頭が真っ白になって呆然としているうちにナルトは見当たらなくなっていて。
俺は必死になって里中を探した。
そして見たもの。
それは、”風邪”と言う名の病気にかかっている軟弱な中忍を看病しているナルトだった。
俺だってまだ食べたことのないお手製のおかゆなど食べていて。
体を拭いてもらっていて。
着がえも手伝ってもらっていて。
確かに俺はおかゆなんて大嫌いだし、体拭いてもらうのもウザったいし、着がえを手伝ってもらうなんて恥ずかしく思うけど。
ナルトは。大好きな人からなら別でしょう!!
俺は、木の上で、怒るのも忘れてイルカへの行為を自分に置き換えて妄想しているといつのまにか日が暮れていた。
そして、その日から俺の努力は始まったのだ。
”努力”。それは”風邪を引いて楽しい看護生活”という名目においてのものだった。
まずはよく聞く、土砂降りの雨の中を傘も差さずに歩くこと。
意味の分からない同僚からは「天気も予測できねえのか」とののしられたが、
必ず来るであろう幸せな日々を想像しつつ、俺はめげずに実行した。
「一緒にどうですか」と言い寄ってくるうざい女どもを払いのけ、もちろん帰ってきたら身体も温めずにがんばった。
”雨”と聞くとすかさず外に出て。奇人と噂されようが・・・・・・・・。
しかし、全くだめ。
一体誰がこんなことを言ったんだか。
次に試したのがクーラーをがんがんにつけること。
寒さのあまり唇が変色しようが、体が震えようが、電気代が上がろうが。
しかし、これはほとんど使っていないクーラーを急にフル回転したために故障。
3日ともたずに失敗に終わった。
あとは”不健康な生活”というものを試してみた。
しかし、なんかいつもと変わらないような感じで全く効果なし。
そして、最終手段として”寒中水泳”もやってみた。
朝方の寒い川の中をズボン一枚で逆流をしてみる。
時々任務帰りの同僚たちにあったが、「煩悩退散」なんてあり気な答えなんかしてみたり。
その頃あたりから、俺はナルト以外と話していないような気がする。
そうこうしてみて2週間。
やっと身体に寒気を感じ出してきた。
鼻水も出てきたし。
頭痛もするし。
あまりの嬉しさに顔が緩みきっているのが自分でもわかる。
でもね〜。やっぱりこれからの幸せを想像するとどうしようもないでしょう?
と、変な目で見るやつらに心の中でつぶやく。
そして、やっとついた集合場所。
目の前にナルトがいるのに、遠くから怒られている感覚。
あれ?と思ったその時、目の前が真っ白になった。
「・・・・・んん・・・・・・・。」
気がつくと、見覚えのない天井。そして景色。
俺はこの臭いから病院だと思いつく。
看病ならナルトか俺の家がいいけどねえ〜。と、やりすぎたことに少し後悔する。
すると、足元の方から戸が開く音がした。
「ナルト?」
俺は期待を胸に勢いよく起き上がる。
ガチャ
「?」
今、何か変な音がした。そして、何故か動けない。
俺は不信に思って辺りを見渡す。
そこに目に入ったのは太すぎる鎖。
「何これ?」
あまりにも想像した光景とのギャップに俺は疑問符を浮かべる。
「気がついたか。」
部屋に入ってきたのは、干物のようなじじいと、医者らしき人物。
2人とも宇宙服のようなものを着ていて完全防備。
「・・・・火影様・・・・これはなんですか?」
俺はナルトではなかったことで不機嫌。冷たく不服を言い放った。
「実はな、おぬし倒れてのう。」
「それで?」
だからこそナルトの看病でしょ?と、火影を睨む。
「かなり健康なあなたが倒れるとはかなり危険な病気かも知れないので・・・・。」
医者は注射器を準備しながら俺に言った。
「ただの風邪でしょ?」
嫌な汗が背筋を伝う。
「そうなのかどうか検査のためにしばらく隔離じゃ。」
「ええ―――――――!!」
俺はなぜそうなったのか全く分からず、驚きよりも呆然としてしまった。
そして、採血をする医者の側から俺は見た。
カレンダーが、一ヶ月の期限を知らせてくれた。
終わり
相互リンクそしてくださった方へ。
この小説は”欲望ゲーム”のお試しお付き合いの続きです。
やっぱりカカシは不幸でしたね。
いつか書いてみたかった風邪ネタをこんな感じでやってよかったのでしょうか??
いつかリベンジしたいなあ〜。
それにしても、私自身なんか風邪気味ようです。
皆様もお気をつけくださいませ。
「中華楼」のこまち あき様からリンク記念に頂いちゃいましたv
カカシ……あんたって…(-_-;)
いや、それだけナルちょらぶvってことですよね。
めちゃめちゃおかしー(^o^)丿
風邪ネタって私も大好きなんです。どちらかというと、ナルトが風邪引いた方が萌えですけど。
初めてのカキコでリンクお願いしちゃっておまけにこんなおもしろい小説までいただけて
まほらは幸せモノです。
こまち様、ホントにありがとうございましたvvv
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