明くる年に


年の瀬。

里への任務以来もこの時期はめっきり少なくなる。
忍びにとっても、年越しから正月にかけては静かに過ごせる時期。
特殊任務に就いている者以外は家族や恋人と過ごすのが普通だった。

それはカカシとナルトも例外ではなく。
カカシの家で、二人で作った料理を食べ、面白くもない年末番組を見て。
あとはもう年を越すだけ。
なんとなく手持ちぶさたで、なんとなく二人でくっついて座って。
ちらちら光るテレビ画面のせいで二人の顔色も忙しなく変わる。

そんな時。
ナルトがカカシを見上げて言った。

「年が明けるとさ・・」
「ん?」
「年が明けると・・なんか新しい自分になれる気がしない?」

突然言われた言葉に、カカシは一瞬沈黙して。
その言葉の意味をよく考えずに思った事を口にした。

「・・この年になるとそんなこと考えなくなるなぁ・・」

「ん・・わかってる。気がするだけだってば。・・ホントは・・ちっとも変わらないんだけどさ」

ナルトは悟ったように、カカシに淡く微笑んでみせた。

時折、ナルトはこんな大人びた表情をする。
普段は子供っぽすぎるほどに無邪気なくせに、不意にこんな表情を見せられるとカカシはどきりとする。

毎年毎年、来年は違う自分になれるかもしれないと。
里人の冷たい視線も、自分の運命も。
もしかしたら変わるかもしれないと。
年を越す度に、この子は儚くも必死な願いを抱き続けて来たのだろうか。

十二年。
その願いは一度も叶えられる事がないまま。

年が明けても変化など起こりはしないと。
悟ったように微笑んでみせる子供。


「来年もずっと一緒にいれるかなぁ・・」


テレビ画面を見つめたまま、呟くようにナルトが言った。
それはカカシに答えを求めるものではなく。
積み上がったものが自然に零れるように、ナルトの唇からぽろりと洩れた。

「・・どうだろうねぇ・・」

普通の恋人同士なら、ずっと一緒にいようと素直に約束できるかもしれない。
けれど、二人は恋人であると同時に、毎日を命の危険に晒される忍びでもある。

明日の見えない忍の身の上。

『ずっと』なんて約束は明日にでも破られてしまうかもしれないと、カカシもナルトもわかっている。

「でも、今は一緒デショ?」

それでいいじゃない?とカカシが笑って、ナルトの腰を引き寄せた。
ナルトもつられたように笑って、カカシの胸に抱き付いた。

「一緒にいられるように頑張ろうな」
「何を?」
「色々」
「イロイロ〜?」

生きて。
おまえの傍にいられるように頑張るから。
おまえも生きなさい。

カカシの言いたい事はそういう事なのだろう。

ナルトは嬉しかった。
一緒にいられるように二人で頑張ろうねと言われて。
それはカカシがナルトと一緒にいたいと思ってくれているから。

おまえはそのままでいいんだよと言われている気がして。

「センセー、大好きだってば・・」
いつもは恥ずかしくて滅多にしないのに。
ナルトは目の前にある薄い唇に自分から口づけた。

「!!」
恥ずかしがりな恋人の滅多にない積極的な行動に。
一瞬、固まってしまったカカシ。

そんなカカシの様子が可笑しかったのか、ナルトは楽しそうに笑って、ちゅっと音を立てて何度もカカシにキスを落とす。

「ずいぶん積極的だね」
苦笑混じりにそう言うと、カカシもすぐに貪るようにナルトの唇を犯しはじめる。

「んぅ・・っ」

戸惑うように震える小さな舌を絡め取り、吸い上げる。
歯列も敏感な顎の裏の粘膜も。
余すところなく蹂躪して、己の唾液を送り込む。

「・・ふぅ・・ぁ・・ん」

こくりと小さな咽喉が上下して、混ざり合った唾液を飲み下す。
それでも含みきれなかった唾液が唇の端を伝った。

「ナルト・・」

伝った銀糸を顎から舐め上げながら、カカシはナルトの華奢な躰を床の上に押し倒した。
肌を弄ろうと上着の裾から入り込んだカカシの手。
けれどそれはナルトの小さな両手に阻まれて。

「・・やっ・・だめ・・!!」
思いもよらずナルトの唇から拒絶の言葉が洩れて、カカシは不満そうに唇を離した。

「・・なんで?」
つい苛ついた声を出してしまうカカシ。
「・・だ・・って・・、明日、一緒に・・初詣に行くって・・・」
カカシの不機嫌な声に、ナルトは消え入るような声で抗議した。

「・・それが?」
「・・立てなくなっちゃうってば・・」
恥ずかしそうにそう告げるナルト。

確かに今までの経験上、コトに到ってしまえば一回や二回でカカシが離してくれるはずもなく。
下手をすれば気絶するまで抱かれて、明日立てなくなるのは明白。

どうしてもカカシと一緒に初詣に行きたいナルト。
必死にお願いしてみるも、はっきり言ってそれは逆効果。

お願い、というようにキスのせいで濡れた瞳に見つめられて。
お願いを聞いてあげるどころか、ゾクリとした感覚がカカシを襲う。

「・・無理・・」
ぼそりと呟いて。
カカシの手が、阻むナルトの手を無視して、服の中に入り込んだ。

「せんせ・・っ!!」
駄目、とばかりにカカシに伸ばされた腕。

「だって、ほら・・」
その小さな手を包み込んで、カカシは己の昂ぶりに押し付けた。
布越しにもはっきりわかるカカシの熱に触れて、ナルトは頬にぱぁっと朱を散らす。

「一回だけ・・ね?」
カカシの熱に浮かされたような瞳。
そんな風に熱く見つめられて、求められてしまったら嫌だなんて言えっこない。

ナルトが黙っていると沈黙は肯定だと勝手に解釈して。
カカシは中断していた口づけと愛撫を再開した。

口づけを与えながら、カカシはナルトの服を剥いでいく。
ジィッという上着のジップを降ろす音がやけにリアルにナルトの耳に響く。

「んっ・・」
掌で弄られる感覚に、息を詰めたような短い喘ぎが小さな唇から零れる。
温度の低いカカシの指先が胸の実を掠めると、ナルトの躰がびくっと揺れた。
円を描くように愛撫を与える度にそこは柔らかさを失い、こりこりとした抵抗をカカシの指に伝えて来る。
ちらりとナルトを見やると声を殺そうと歯を食いしばっているのか小さな歯が唇に食い込んで痛々しい。

「声・・聞かせて?」
せっかくの可愛い声を押し殺すのはもったいないと、空いた方の指でそっと唇を撫で上げて。
食いしばった唇の強張りを解いてやる。

「あっ・・んんっ・・」
途端に洩れる甘い声。
華奢な肩口に顔を埋めるようにして、カカシは胸への愛撫を繰り返す。
ぷちりと立ち上がった乳首を指先で摘まむように愛でる。
それだけでナルトの躰はビクビクと震え、ピンクに染まりはじめた躰がカカシの目を楽しませる。

「ナルトって、ココ、好きだよね」
貝殻みたいな耳をねっとりと舌で舐めながら、グリッと指先で少し乱暴に、押しつぶすようにして刺激を与えてやる。

「やぁ・・ん・・!」
耳に注ぎ込まれた言葉と、弱いトコロへの愛撫にナルトはカカシの躰の下で身じろいだ。

実際、ナルトは胸がカンジやすくて。
女の子じゃないのに、どうしてこんなトコロがこんなにもカンジてしまうのかと。
ナルトはいつも泣きそうな顔をしながらキツすぎる快感に耐える。
カカシもそれをわかっていながら、ナルトの恥じらう姿が見たくて執拗にそこを攻め続ける。

「特に、左が弱い・・」
唇に含まれて、ちゅくりと軽く吸われる。
「んんっ・・!」
すっかり紅く色付いたそこはカカシの唾液に濡れて艶めかしい。

「心臓に近いからかな」

トクントクンと脈打つ心臓。
そこに手を当てて、カカシが言う。

「おまえが生きてる証だね」

心臓の真上にキス。
白い胸に小さな紅い花が咲いた。

厳かに口づけるカカシの銀髪がナルトの首筋を撫でて。
ナルトはその髪に指を絡めた。

きゅうっと胸を締め付けられるようなカンジ。

心臓がイタイ。

左胸がカンジてしまうのは、心臓がカカシを好きだと悲鳴を上げてるからかもしれないと、カカシの口づけを受けながらナルトはぼんやりと思う。

ナルトがつらつらとそんなことを考えているうちに。
いつのまにか、胸元を弄っていた指が細い腰を辿り、下半身に纏っていた衣服を下着ごと取り去る。
露わになったナルトの中心は、執拗な胸への愛撫ですでに頭をもたげていた。

「やっ・・」
先端から先走りの液を吐き出しているそれをやんわりと握り込んで軽く擦る。
それだけでナルトの幼い性はびくびくと震え、早くも限界が近いことをカカシに知らせる。
その様子にカカシはふっと小さく笑った。

「今更だけど、ベッドに行こうか?」
ここだと躰キツイしね、とカカシが言うと、ナルトは明日の初詣の事を考えたのか、恥じらいに目元を染めながらも小さく頷いた。




* * *



「んんっ・・」
たっぷりと潤滑剤を塗り込められたナルトの秘部はすでにカカシの指を二本、深々と受け入れていた。
カカシが中で指を広げると、その押し広げられる感触にナルトの腰が揺れた。
何度も何度も抜き差しを繰り返されて腫れたように紅く熟れた場所にカカシは己の昂ぶりを押し付ける。

「入れるよ・・」
耳元でそう囁かれたかと思うと、ぐっとカカシが押し入って来た。

「っ・・んぅ・・」
何度しても、先端が入り込む時は苦しさを感じてしまって。
ナルトは切なげに眉根を寄せた。
それに気付いたカカシがナルトの眉間に宥めるようなキスを落としながら、ゆっくりと全てをナルトの中に飲み込ませていく。
ナルトがカカシの大きさに慣れるまでと、カカシが動きを止めた時。


・・・ォーン・・ゴォーン・・


遠くで鳴る、後を引くような間延びした鐘の音が二人の耳に届いた。

「・・ナルト、ほら・・除夜の鐘」
「・・ふっ・・ぁ・・」

内側を熱く犯されたまま、耳元で囁かれて。
ナルトはキツク閉じていた瞳をゆっくりと開いた。

「もうすぐ今年も終わりだよ、ナルト」
目の前には情事の熱に少しだけ目元を染めた愛しい人の笑顔。

「・・せんせ・・」
「来年も・・一緒にいような・・」

返事の代わりにナルトはカカシの首に両腕を絡める。
穿たれた苦しい体勢のまま。
懸命に伸び上がってカカシの口もとに小さなキスを贈る。
カカシもまた触れるだけの優しいキスをナルトに贈る。

繋がった場所が二人の動きにくちゅりと水音をたてた。
それを合図にしたように、カカシがゆっくりと動きはじめて、ナルトの中を味わうように掻き回す。

「あっ・・あぁ・・っ」
途端に腰から背筋にかけて甘い快感が駆け抜けて、ナルトはカカシの首に回した腕に力を込めた。
「・・っ!」
ナルトの秘部がきゅうっと絡み付くようにカカシを締め付ける。
カカシは思わず襲ってきた射精感に耐えると、気を逸らすように、今度は激しく突き上げはじめた。

「ひぁ・・やぁ・・ん!!」
カカシの先端がイイトコロに当たって、ナルトの唇からはひっきりなしに喘ぎ声が洩れる。
揺すぶられて、繋がった部分が熱くて、溶けちゃいそうにキモチよくて。
いつのまにか初詣の事も恥ずかしさもどこかに行ってしまって、カカシが与えてくれる快感に溺れてしまう。

「あ・・せんせ・・っ・・せん・・せぇ・・」
カカシを呼ぶ声も信じられないくらいに甘く快感に濡れて。
「・・ナル・・トっ・・!」
カカシも普段とは違い、余裕のない表情をその顔に浮かべる。

ナルトの中は奥に奥に誘い込むようにカカシに絡み付き、収縮して。
カカシは誘われるままに勢いをつけてナルトの最奥を貫いた。

「あんっ、あぁ!・・やぁ・・!!」
引き絞られた弓が弾けるように。
仰け反ったナルトが太腿を痙攣させて、一気に頂きを越える。
「・・っ・・!」
それを追うようにカカシも自らの戒めを開放して、ナルトの中で弾けた。

カカシが熱い迸りをナルトの中に吐き出し尽くして、弛緩したナルトの躰を重なるように抱きしめた時。

最後の除夜の鐘が木の葉の里に響いて。

ゆっくりと余韻を残して消えていった。




* * *



「センセー、明日、初詣行こうね」
ベッドの上で眠気にとろりと瞳を揺らして、ナルトがカカシに念を押すように言った。

「もう、今日だけどね」
「あ・・そっか」
年が明けた事を指摘されたナルトは照れたように笑った。
その笑顔にはすでに翳りはなくて。
いつもの無邪気な笑顔。

「でもな、ナルト。初詣より先にやらなきゃならない行事があるんだぞ?」
真剣な様子でカカシがそう言い放った。
「えっ!なんだってば?」
眠気が一気に覚めたのかナルトが団栗眼でカカシに聞いて来る。

「それはな・・」

「うわぁ!!」
がばぁっと突然カカシがのしかかって来て、ナルトは文字どおり目を白黒させた。

けれど、カカシの手がさわさわと腰の辺りを這い回っているのに気付くと、ようやくその意図を読み取って、キッとカカシを睨み付けた。

「・・っ、せんせっ・・一回だけって言った・・!」

汗ばんだ胸をまた合わせて来たカカシをナルトは押しのけようと必死で腕を突っ張った。
そんなナルトの可愛い抵抗などカカシにとってはないも同然で。
伸ばした指先をするりと細い太腿に滑らせる。

「ひゃ・・ぁ!」

それでなくとも感じやすい躰が、未だ燻り続ける熱のせいでビクリと大きく震えた。

「それは昨日の話デショ?もう年が明けたから、今から姫初めvv」
「・・ひめはじめ?」

きょとんとした顔で見つめられて、カカシは苦笑いを洩らした。

「新年最初のエッチのことだよ」
笑いを含んだままの口調でカカシが言う。

「〜〜〜っ!!! ////」

「今年もよろしく〜vv」
ナルトの抗議の言葉はカカシのキスに絡め取られて。
やがて、唇の端から洩れるのは甘い吐息のみ。

二人の新年はこれからが本番・・。






カカシが不機嫌なナルトを抱き上げて嬉しそうに初詣をしているのを。
某中忍が発見して顔を引き攣らせていたのはまた別の話。




end





20000HITありがとうございます!!
ついこの間10000HITで五桁だ!わ〜いvvと喜んでいたのにもう20000HITです。
来て下さった皆さまに心からの御礼を申しあげますvv

えっと、この小説は記念物なので持ち帰り可なのですが・・。
エロです!まごうことなくエロです!!
記念物なのに、エロってどうよ?ってカンジですが、よろしければ貰ってやって下さいvv

これからも『caramel box』をよろしくお願いします☆






可南子ちゃんのサイトで20000HIT記念の小説をいただいてしまいました。

姫初めですよ〜♪むふふふふ
まほらはにやけ笑いがとまりませっん!
相変わらず素敵なエロです〜vvv

まほらが思わずほろりとしてしまったのは
「一緒にいられるようにがんばろうな」ってところです。
忍びというからには、来年も一緒に…どころか生きていられるかも保証はなくて
だからこそ安直に「来年も一緒にいようね」って言うより、もっともっと深い意味のある約束だと思うんです。

胸にじ〜んと来ちゃいましたv


可南子ちゃん、これからも頑張って!
そして素敵なエロを読ませてね! (^_^;)



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