いつからか続いている
甘い、甘い
恋人関係。
未来進行形
MRR隊員を卒業してから早5年の月日が流れた。
15、6歳となった12人の隊員たちは、それぞれの道を歩んでいた。
ある者は高校へ進学し
またある者は夢を叶え
またある者は日本を離れて世界で活躍している。
元レッドウイングス所属・MRR隊員だった大空太陽とエリアス炎は
共に私立の男子高校に進学。
卒業したら二人そろってMRRの副教官職に就くことが、既に決定していた。
高校3年間は自由に、適度にレスキュー訓練を続けながら過ごそうと2人は決めていた。
「もう・・・あれから5年経つんだな・・・」
太陽が寮の自室で、同室のエースにポツリと言った。
二人とも寮に入っており、何の因果か同じクラス・同室といつも一緒に居た。
それまでベッドに寝転がって本を読んでいたエースは太陽の言葉で顔を上げる。
「MRRを離れてからってこと?
それとも・・・俺と付き合いだしてから?」
自意識過剰なところはまるで変わってないエースの言葉に、太陽は静かに言った。
「両方・・・かな?」
「たいよう」
誘うように太陽の名前を呼ぶエース。
太陽はその言葉につられるようにエースの傍に寄り添う。
自然と唇を重ねあう。
差し込まれた舌を絡め合い、お互いに答える。
次第に聞こえてくるのはどちらのものとも分からない唾液の水音。
初めて性行為に及んだのは2年前。
それから体は何度も重ねあった。
今ではお互いの感じるところも嫌というほど知り尽くしている。
エースの噛み付くような荒っぽいキスにも、太陽はすっかり慣れていた。
「ん・・・ふっ・・・」
太陽から甘ったるい声が漏れ出す。
すでにとろんとした眼は、潤んで艶っぽさを携えている。
長い長いキスを終え唇を離すと、互いの間に銀糸が伝う。
それを見て真っ赤になる太陽に、エースは初々しさを感じずにはいられない。
「太陽は初めて会ったときから変わってない。
ずっと可愛いままだよ・・・」
甘い言葉を行為中に囁くのはエースの癖みたいなものだった。
囁く言葉に、また顔を朱に染める太陽は初めて体を重ねたときのままだった。
太陽の首筋にそっと唇を這わせ、時々強く吸ってやる。
「う・・やぁ・・」
一つ付ける度に漏れる鼻にかかったようなくぐもった声。
この2年間で覚えた太陽の感じる場所、一箇所一箇所残らず痕を付けていく。
(あ、月曜日に体育あるんだっけ。それまでには消えないな・・・)
痕を付けながら頭の隅でそんなことを思い出す。
きっと明日の朝には太陽がまた怒るだろう。
羽織っていたシャツを剥ぎ取り、上半身はお互い裸になる。
鎖骨辺りに痕を付けつつ、右手で胸の飾りに触れてやる。
「う・・ひゃぁ!・・・やぁっ!」
突然襲った、さっきとは違う強い刺激に太陽は声を上げる。
いつも話している声ではなく、1オクターブ高い声。
痕を付けるのを止めた口で、残った飾りを愛撫してやる。
「いっ・・・やぁ・・・! そっ!」
太陽は刺激に敏感だ。
というか胸の刺激に物凄く弱い。
焦らすように触れるか触れないかのタッチで愛撫してやる。
下半身はすでに起ち上がっていて、Gパンの上からでもはっきりと自己主張している。
窮屈そうなズボンを下着ごと剥ぎ取ってやる。
「んっ・・・はぁ・・・!」
外気に晒されて細かく震える。
迷わず太陽のソレにエースは自分の指を絡めた。
「っ! は、ぁ・・・!!」
愛撫よりも強い刺激。
その刺激に、快感に酔いしれている太陽は見ているだけでとても扇情的だ。
薄く開かれた唇から覗く舌に誘われるように、エースは舌を絡める。
「んん! ・・・っあ・・・!!」
太陽自身の先端に軽く爪を立てる。
一回、イかせてやったほうが太陽にとって楽だからだ。
「っあぁーーーーーーーーー!!!」
一際高い声を上げて太陽は達した。
エースの手に残る、太陽の放った白濁。
それすらもエースには愛しく感じる。
ぐったりと荒い息を上げている太陽を見やる。
「ヨカッタ・・・?」
わざとらしく聞いてやるエース。
「・・・じゃなきゃ・・・イかない・・・」
顔を真っ赤に染めながらも、ぶっきらぼうにそう答える太陽。
「好き・・・」
どちらからともなく発した言葉は、お互いの心に強く響いた。
たっぷりと唾液を乗せた指を、太陽の秘部にそっと差し込む。
「う、ん! ・・・っあ」
圧迫感に苦しそうではあるが、痛みはなさそうだ。
そう思い、もう一本突き入れる。
汗と精液と唾液でぐしょぐしょになっている秘部は、簡単に2本の指を飲み込んでいく。
2本の指で軽く中を掻き回す。
完全に覚えた太陽の前立腺を的確に狙って抜き差しをしてやる。
「ン・・・っひゃぁ!!」
ある箇所に触れた途端に漏れる喘ぎ声。
シーツを握り締めている指は血の気を失って白くなっている。
見かねたエースは、そっとその手を外してやる。
「ホラ・・・首、掴まってていいから」
太陽の手を首に持ってくるように促す。
太陽は掴まっているものがないと不安でしょうがないといった表情だ。
そっと指を引き抜いてやる。
ぐちゅ、という水音が太陽の羞恥心をかきたてた。
「や、・・・エース・・・」
「力抜いとけよ、入れるぞ」
「・・・っう、あぁぁ!!」
指とは比べ物にならない質量が太陽の中に押し寄せる。
押し寄せる圧迫感がどうしようもなくて、思わずエースの背中に爪を立てる。
太陽の自身は1回イったあとではあるが、前立腺への刺激で再び起ち上がっていた。
少しずつ、太陽に負担がかからないようにと押し入る。
「たいよう・・・」
「は・・・ぁ・・・」
エースの顔にも汗が浮き出す。
太陽の額に汗で張り付いた前髪を払ってやる。
そっと額にキスを落とす。
「ぜんぶ・っ・・はいった・・・?」
「あぁ、・・・大丈夫か・・・?」
「へぃき・・・」
「・・・動くぞ・・・」
「う、・・・ぁ!」
一応予告してから、エースはゆっくりと抜き差しを始める。
太陽の前立腺を的確に狙って、腰を進める。
「あっ、は・・・んっ・・・!」
突き上げるたびに漏れる太陽の喘ぎ声。
エースは太陽の自身に指を絡め、愛撫してやる。
「う、もう・・・イく・・・!」
「俺も・・・限界・・・」
エースは太陽の中に、太陽はエースの手に白濁を放つ。
「好きだ」
もう一度、お互いの気持ちを伝えあう。
「エース!!!! お前さいってい!!!」
「・・・夢中だったし・・・しょうがないだろ」
「あーもー!明日の体育のときどうすんだよ! こんな目立つとこに痕つけて!」
翌朝、太陽とエースの部屋ではとにかく怒る太陽の姿が見られた。
しかし、怒っていてもそれが素っ裸なもんだから威厳も何も無い。
痕を付けた張本人のエースは、あくまでもしれっとしている。
「もー・・・着替えのときに困るんだからな・・・」
「見学すればいいじゃん。腰痛ですって」
エースの言葉に顔を真っ赤にしつつ「さいってーだ!!!」と2回目の台詞を叫ぶ太陽。
2人は知らない。
2人が出来上がっていることは既に学校公認だということ。
土日の夜は2人の部屋を訪れてはイケナイという決まりがあること。
・・・月曜日、太陽の首筋に赤い痕があっても絶対に気にしてはいけないこと。
僕らの関係は、常に未来進行形。
END.