06.大好き
「大好き」
彼の首に腕を絡めて呟く。
そっと抱き返してくれる腕が愛しい。
「言葉で簡単に表せないくらいな」
ふと笑う気配を感じ、私も微笑む。
背伸びしなきゃ届かない彼の肩。
大きくて腕を回すと安心する体に頬を寄せて、
「来年の冬もあなたの隣にいられるといいな」
「大丈夫さ、歯車が食い違わない限り、地球がひっくり
返らない限り一緒にいられるよ。保証する」
どこまでもリアリストな彼は、欲しい答えを安易にくれない。
夢想家の私と正反対だから上手くいってるんだけれど。
「頑張らなきゃね。あなたもよ?」
「はいはい、分かったから」
宥めるように頭をポンポンと叩く。
子供への仕草みたいで少し膨れてしまう。
「ずっと俺の守りたい存在でいてくれよ」
「……ふふ」
リアリストだけれど甘い優しさもくれるそんな彼が私は大好き。
でもね、地球がひっくり返ってもきっと気持ちは変わらないのよ。
そんな自分を信じているから迷わない。
少しずつあなたを知って好きになったんだから
良い所も悪い所も全部理解している……。
あなたもそうでしょ。
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