「ふふふん♪」
 白衣姿のやたら楽しそうな少女が一人。
 フラスコに泡が沸々と立っている。
 湯気だか煙だかがもわっと立ち昇りむせ返らんばかり。
 こう突っ込んだら彼女は怒るかもしれないが
 今にも爆音が聞こえてきそうだ。
 分かっててやってるなら余計性質が悪い。
 笑みを零しながらどんどん色んな粉を混ぜていく。
 怪しい色に変わっていくフラスコの瓶を見ながら
 ますます笑みを深めていた。
「特製惚れ薬完成〜」
 最後の粉を入れた瞬間、案の定
 素敵すぎる音と共にフラスコが吹き飛んだ。
 爆風に巻き込まれ、少女も飛ばされている。
「……今回も失敗! 世紀の大発明するのはそんなに甘くないってか」
 顔を薄墨で汚しながらもてへっと舌を出している少女は
 まだまだ懲りてはいないようだ。


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