36. 宝物
照れ臭かった。
初めて告白という物をしたのはいつだったか。
無駄に元気で明るくて天然で抜けていて、どこまでも可愛らしい彼女。
栗色の明るい色の髪は地毛で、明るい彼女に良く似合っていた。
取り込まれてしまった自分に気づいた時はっとした。
何で、この女にと思った。
振り回されて散々心の中を埋め尽くして
あいつは天然の小悪魔だ。 悪いのは俺じゃない。
あいつが、俺の心に棲み付いたんだ。
遠慮もなく。
結ばれて、心の底から思う。
明梨……。
たったひとつの宝物。
彼女を大切に思う自分の気持こそ宝物なのかもしれない。
こんな気持ちに気づかせてくれてありがとう。
って本人目の前にして言えるかよ!
はあ……。
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