24. 手錠
手首にかけた手錠でお互いを縛る。
京の左腕と私の右腕を手錠で繋ぐ。
「まるでペアのブレスレットね」
「せやな」
二人を繋ぐシルバーのブレスレット、何て素敵なのか。
銀の手錠がこすれあう度に手首に傷が増える。
二人の手首に同じように。
こうしていると絆で結ばれていることを実感する。
私たちは離れられない。
いつも一緒だと。
手錠の鍵は分かりにくい場所に隠した。
想いが消えた時に、探しに行けばいい。
そう決めて、隠した。
果たして、先に覚めるのはどっちなのか。
この夢から目覚めるのは。
愛によく似た遊戯が終わりを告げる日を私は恐れる。
先に冷めるのは京かもしれないし、私かもしれない。
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