桜 薄紅色の花びらが舞う中で、ロビンは笑いながら、ほんの少し悪戯めいた顔をしてこう言った。 「綺麗な桜が咲く木の下には、死体が埋まっているんですって」 「「死体ぃぃぃ?!」」 すると、それを聞いたウソップとチョッパーが悲鳴を上げて飛び上がった。互いに抱きくとガタガタと震える。何しろ、さっきまで二人が寛いでいた場所は、見事に花を咲かせた桜の根元だからだ。 「死者の血を養分にするから、綺麗な色の桜が咲くという話を聞いたことがあるから」 「じゃ、じゃ……もももももしかしたら、こここここの桜の下にも……」 「そうね、これだけ綺麗な桜だし、もしかしたらと思って……だってほら、あそこに」 「「へ?」」 そこで二人は見てしまった。 ロビンが指差した桜、その根本に横たわっている物。 ―――人間の白い腕。 「うぎゃぁぁぁぁぁー! う、腕! し、死体がーっ!」 「ろろろロビン! どど、どうしよう、医者ぁぁぁー!」 「あら、やっと皆が来たみたいね」 なだらかな丘の向こうから、すごい勢いで走ってくるルフィの姿が見えた。その後ろから、大きな弁当をぶら提げたゾロとサンジ、それからナミが歩いてくる。 「おーい! ロビーン、ウソップー、チョッパー!」 先に来て、お花見の場所取りをしてた三人へ、ルフィ達が大きく手を振った。 それにロビンが手を振り返すと、木の根元に横たわっていた白い腕も、同じ様に手を振り返していた。 2005/05/27掲載 ※「ワンピ好きさんへの100のお題」より |contents| |