「某にも緊急クエストがきたでござる! これをクリアすれば晴れて上位の仲間入りでござるぁ!!」
「はいはい、頑張ってきたら。あ、ちゃんそっち向かってる」
「オッケ、ばっちりザコ片付けたからいつでもどうぞ」
「おい、巣に戻ったぞ」
「え、マジで。弱ってたんだ」
「よっしゃ、罠にかけて一気に片付けようじゃないか」
「なんだ待ってたのに」
「おい、どこ行ってるんだ」
「卵納品」
「あ、俺様もー」
「おお?」
「だー! 元親何死んでんだよ俺やばいじゃん! なんで二人は呑気に納品してんだよ!」
「ファイト、風来坊」
「逃げたら?」
「ムリムリ逃げらんないめっちゃ追いかけてきてる怒ってるマジヤベー」
「てめえ死んだら容赦しねえぞ」
「ハハ、鬼の旦那ってば自分棚に上げてよく言えるよね」
「もうちょっと粘ってて慶次君、って」
「……無理だよ。何のためのアドホックモードだよ」
「お、戻ってきた」
「キャンプに揃っちまったな、残り五分切ってるってのによ」
「やっべ俺様砥石切らしてるや。誰か分けてくんない?」
「ごめん私笛だから」
「すまねえ、さっき使い切った」
「風来坊は?」
「どう見たって弓だって、俺」
「役に立たない男。よーしいっきまーす」
「ま、精々弾き返されながら叩きまくっとけ、っても双剣だから無理か」
「なぞの骨と石ころならあるけど」
「五分しかないのに採掘して来いって? ハイハイ俺様が悪うございましたよ」
「、攻撃強化してくれよ。防御とか体力上昇とかはいいからさ」
「さっき慶次君も元親君もやられてから何にも薬使ってないじゃない」
「まさか死ぬとは思ってなかったからな。アイテム欄活用にゃいらねえだろ」
「だからってやられてたら意味無いんだけど」
「あ、そっか」
「強化終了ー、どんどん突っ込んで来てー。回復は任された」
「そんじゃいっちょ仕切り直しと」
「いこうぜ」
「ごめんちゃん強走効果ない?」
「あるよー、はい」
「ありがと。おっとお二人さんこっから先は地形ダメージくらっちまうぜ、退ってな」
「おっ、かっこいいねえ」
「おう。罠仕掛けるか?」
「いや、いらないと思う」
「はーい回復回復。あ、時間一分切ったよ」
「任せなさいって」
「閃光玉、最後の一個だよ!」
「♪〜、やるじゃん風来坊。貫通矢、頼むぜ」
「時間的に大丈夫だな、俺の竜撃砲が火を噴くぜ!」
「ってー! 鬼の旦那は配置考えてやってくんない!?」
「あれ、何突っ込んでんの……」
「ああ!?」
「嘘だろー……」
「やった! すっごく弱ってたんだね」
「笛に手柄取られるって屈辱だわ」
「判定おかしいだろ、さっきの砲撃でやられてたんじゃねえか」
「まあまあ、どうせ手に入る額なんて雀の涙だし報酬は運なんだからいいじゃん、二人とも」
「卵と厳選キノコ、いくつ納品した?」
「いくつだったかなー金欠だったからちょっと張り切っちゃったかなあ。やった紅玉!」
「……旦那お待たせー。緊急クエスト行こうか」
「俺も手伝うぜ」
「俺も混ぜてくれよ!」
「え、うむ……。ラオシャンロン撃退の砦でござる」
「了解。ちょっと防具整えてくるわ」
「俺はいつでも行けるぜ。砥石と補助アイテム限界まで持ったか?」
「ああ、一応」
「そんじゃ俺はボウガンに変えてくるよ。高級耳栓あった方がいいんだっけ」
「耳栓なんかじゃ防げないぞ、ラオは」
「耐震は?」
「そりゃシェンガオレンだ」
「うおお! 某も早くG級に上がりたいでござる!」
「はっは、キークエストだけこなしていくか? 真田は卵でも納品してりゃ俺らが捕獲するなりなんなりしてやる」
「ダメダメ、旦那は自分で倒さないと気が済まない人だから」
「いーいじゃねえか。つきあうぜ」
「面倒くさいお人だね」
「おっ待たせ! いつでも行けるよー!」
「真田幸村、参るぁ!!」
「今度は私がはぶられたでござる……」
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2009/10/31
空気を読まないヒロイン
よしわたり