無に還る時まで
生きている者は、いつかは死ぬ
始まりがあれば、終わりがある
そんな常套句みたいに
この手にすくった雪も、どんどん消えていく
みんなこのはかない氷の結晶と同じ
いつかは、この身体も、心も消えてしまう
私があなたを見たことも
私があなたと出会ったことも
私があなたを想うったことも
それでも、人は恋をする
恋は永遠、生まれ変わってもめぐり合う
そんな常套句みたいに
雪も溶かすほど、想いを燃え上がらせて
想いは消えないと信じていたいから
夢の中だけ
あんなに次出会う日を楽しみにしていた君
またきっと素っ気ない言葉をかけてくれると思った君
あの君がいる世界へは帰れない
移ろう時は止まらない
変わる心は止められない
あんなに憎たらしくて愛しかった君は見つからない
時間はいつも残酷に過ぎていく
ただ夢の中で回顧する
夢のなかの君はあの時のまま
ただ夢の中だけ、時間よ止まれ
そしてこのまま目覚めさせないで