「デジカメ」
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ピピッ、と小さな電子音。
そしてフラッシュ。
「……そう、その格好でちょっとだけ、脚開いて」
「ん、」
ゴーグル越しにデジカメのファインダーを覗く深道。
深道に言われるがまま、ベッドの上で色んなポーズを取る私。
「ねぇ、靴下脱いだほうがよくなくない?」
裸……っていうか、服も下着も全部脱いじゃってるのに、靴下だけはしっかりはいてるって、なんか変じゃない?
それも白のハイソックス。
「いや、そのままでいいよ。っていうより、そのままがいいな」
「そーお?」
深道のセンスってよくわかんない。
ベッドの上に座って、後ろに手を着いてM字に脚を開く。
ピピッ、と小さな電子音。
そしてフラッシュ。
撮った写真は、深道のパソコンの中にどんどん溜まっていく。
「はい、最後の一枚」
ネコみたいに四つんばいになって、お尻を深道のほうに向けて。
……この体勢だと、お尻の穴まで深道に丸見えかも。
小さな電子音とフラッシュ。
今日の撮影はこれでお仕舞い。
「……この写真さ、やっぱりネットとか雑誌とかで色んな人が見ちゃうの?」
尋ねると、深道は小さく笑ってデジカメをガラステーブルの上に置いた。
「アングラサイトとか投稿雑誌ってこと?」
「そう」
「ははは、……それはないよ」
「ホントに?」
「あぁ、誓ってホント……みおりちゃんの写真、誰にも見せないよ」
ギシ、とベッドのスプリングが音を立てる。
深道がベッドに肩膝を突く。まだ四つんばいのままの私の上に影を作る。
「あ、」
「写真も現物も……可愛いみおりちゃんの裸は、誰にも見せないし……見せたくない」
深道が私の背中に、キスを一つ落とす。
「俺だけのものだよ」
今度はお尻に、キスを一つ。
「だからみおりちゃんを、ここから出さないんじゃないか」
ああ、そうだ。
私、深道に監禁されてるんだっけ。
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