放課後、路地裏(信彦×みおり)




……15歳以下のセックス禁止を盛り込んだ都の条例のニュースを見たのは、学校帰り。
電気屋のショーウィンドウの液晶テレビだった。
ワイドショーのコメンテーターたちは物知り顔で偉そうなこと言ってた。
「……馬鹿馬鹿しい……誰が守るかっつんだ」
吐き捨てるように呟いて、でも逃げるように。
俺はその場から離れ、いつもの場所に向かった。






向かうのはいつもの場所。
いつものことを、するために。






着いたたのは、ある大通りの裏道。
ビルとビルに挟まれた、日もささない薄暗い、地図にも載ってない細い道。
俺とみおりちゃんは「デート道」って呼んでるけど、本当はちゃんとした名前なんかない。
人一人がやっと通れる程度のそんな裏道が、都会には無数に存在している。
普通に近道として通る以外にも、チャリ停めたり、ストリートファイトしたり。
……使い方は色々だ。







一週間近く晴れ続きだってのに、日のさしこまない裏通りはじめっとした空気だった。
さっき見た、15歳以下のセックス禁止を含んだ都の条例がどうのというニュースが、頭の隅で蠢いている。
……うるせえな。ほっといてくれよ。
うっとおしく思うのは、身にやましい事があるからこそ。
「ね、……信彦、キスして」
腕の中、小さな恋人は目を閉じる。
「ん、いーよ」
ちゅ・って音を立ててみおりちゃんの額にキスをして。
「ぁ、ちょっ……」
行儀の悪い手は、早くもハーフパンツの裾からショーツごしに敏感な部分を探り当てる。
ああ、早くココ舐めてぇ……。
「ふぅ……ァ、信彦…」
俺の唇でみおりちゃんの唇をふさいだら、もう止まらなくなる。
都会のど真ん中なのに、ここなら誰にも見られることはない。






後ろ暗さを振り払うように、快感に溺れた。
みおりちゃんのハーフパンツ脱がせて、白いショーツも脱がせて。
チビTも勿論……黒いハイソックスとスニーカーだけの、恥かしい格好させた。
「……やぁ、……ッ。こんな格好、や……恥かしいよぉ、」
いつもなら、ハーフパンツもショーツも膝まで下ろしたままで、チビTも捲り上げる程度なんだけど。
むしゃくしゃしてたから?……ちょっと、いつもより過激なことをしてみた。
「いいじゃん、いい格好だよ」
「やだぁ……人が来たら……」
ちいさな胸の膨らみ。くびれの少ないウエストと、すっと伸びた足……。
やっと生えかけたアンダーヘアーはまだ申し訳程度。
「来ないし、誰も……俺しかいないんだから、へーき」
指で、割れ目をそっと開く。
「あ、ッ」
「……ホラ、クリトリス勃ってんじゃん」
赤く小さなクリトリスは、興奮して割れ目の間で固く尖っていた。
「や、……」
「……ん……、濡れてるね……こうすると、どう?」
こり、って苛めると、みおりちゃんの身体が跳ねる。
「ァあっ、」
「逃げんなよ」
逃れようとする腰を引き戻す。もっと、苛めてやる。
普段は気が強いみおりちゃんに尻に敷かれてる俺だけど、エッチする時は、年の差の上下がそのまま力関係になる。
ズボンの膝が汚れるのも構わずに、みおりちゃんの前に跪いて。
クリトリス、コリコリしながらちいさな胸を口に含む。
ふくらみ全部が、俺の口の中に納まってしまう。
「ぁあーーー……ッ、駄目ぇ……」
泣きそうな声。感じるところ二本立てでみおりちゃん、感じて仰け反ってる。
汗ばんだ胸を、口腔全部で味わって……先っぽを舌で、優しくいじめる。
「あぁぁッ……、や、」
ちゅうって吸い上げる音、下からはぐちゅぐちゅとかき混ぜる音。
「いやぁ……いいよぉ……ッ」
裏返るような声を上げて、俺の肩をぎゅっと握るみおりちゃんの顔は、マジで……たまんねえ。







……止められる訳ないじゃん。
条例だろうが法律だろうが。
クスリが非合法だと分かっていて、見つかったら捕まるって知ってても、その味を一度覚えた人間がそこから抜け出せないのと同じだ。
まだ青い恋愛と、知りたての性の快楽。
お堅い頭の大人が何言ったって、止められる訳はない。
生身の身体と、こんなことをする場所がある限り。






湿った路地裏。
放課後、毎日会ってはエッチなことをする場所。
コンクリートの壁にみおりちゃんを押し付け、後ろから入れて。
卑猥な音を立てながら、俺自身がみおりちゃんの中を出入りする。
「アあッ・アあッ・ア―――……あーッ!」
リズミカルに声を上げ、みおりちゃんは感じてる。
小さな胸は揺れない。でもあげる声は、ホントに色っぽい。
「信、彦、そこいいッ……」
「中もクリも、みおりちゃん好きだもんね……?」
「……ん、好きィッ……!」
角度調節していいとこにあたるようにしてやると、自分でも腰振って……ホント、淫乱だ。
―――小学生の癖に……。
「さっきはクリでイッちゃったもんね、好きだよな……そりゃ」
ちょっと意地悪な台詞で、みおりちゃんは更に感じる。
「ぁ、や、ぁあ……ッ、もっと、……ッ」
腰振って、もっとしてってねだって……わざとストローク、ゆるめてヤラシイ言葉を引き出してやる。
「もっと? ……していいの? 中で出してもいい?」
「……いい――中出ししていいからぁ……ッ!!!」





放課後、路地裏で、ハイソックスとスニーカーだけの格好の小学生が、高校生とセックスしてる。
「も、出すよ? みおりちゃん、中、出すよ? いい?」
「んぁ、出してぇ……ッ」
ついこの間まで顔も知らなかった俺たちは、「恋人」になって直ぐコンナコトしてる。
でも、禁止されたって、止められる訳はない。





「……私の中、に、一杯……出して―――……ッ!!」
「み、おりちゃん、……ッ」
意識がどっかにトリップする、快感。
狭い膣の中に、後ろめたさの分だけ勢いよく、思い切り……出した。
……ゴム、今日も着けてねえ。






湿ったコンクリートに垂れる、白濁した体液。
「……もっかい、い?」
息を切らしながら尋ねると、みおりちゃんも息切らしながら頷く。
「いい、よ、………」
「んじゃぁ次、顔に掛けるからね……?」






大人はいつだって子供に規制をかけたがる。
けれどそれは大概、抜け穴だらけでうまく機能しない。
放課後、路地裏。
知ってしまった快感。
青い身体と、秘密の場所がある限り。





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