『あの日と同じ言葉』






「貴女、私が憎いでしょう?」
猿野の母より年若のその女は、あの日と同じ言葉を口にした。



「はぁ……ああっ……、」
「フフ、随分感じてるのねぇ、感じやすい身体だこと」
ディエチは妖艶な笑みを浮かべると、ペニスバンドを着けた腰の動きを僅かに早めた。
「……違う……ぅう……許さ、ない……!」
全身を真っ赤な縄で戒められ自由を奪われ、尚且つディエチにペニスバンドで責めたてられているのは 猿野の母だった。
屈辱的なレズビアンレイプ。たっぷりとローションを垂らした極太の擬似ペニスは、 男を迎え入れなくなって久しい猿野の母の膣を思うがままに蹂躙し、子宮の奥深くまで犯した。
正常位の格好で、ディエチの顔はいやというほど近い。
猿野の母は、そのしとやかな顔に似合わず気が強いらしく、頬を上気させながら強くディエチをにらみつけている。
「許さない? フフ、私はあなたに許してもらおうなんて思わないわ……」
ディエチはまだ笑っている。
十年以上前、猿野の母……当時は野球選手・雉子村九泉の妻だった彼女から、夫・九泉を奪ったのは、 他でもない。
ディエチだったのだ。
華やかな野球選手の妻としての生活から一転、息子を抱え苦労する羽目になったのは、この女のせいなのだ。
許せるはずなどなかった。
「悔しいでしょう? 夫を奪った女にレイプされるなんて……でも、まんざらじゃなさそうね?」
「……ッ、」
「ウフフ……ここはこんなに嬉しそうに銜えこんでるいるんですもの……あらあら、乳首もこんなに勃たせて」
猿野の母の縄が食い込む乳房の先端を、ディエチの指が捻り上げる。
「あうっ!」
猿野の母が声を裏返らせた。
「アハハハ……痛くて気持ちがいいのね?」
「だ、誰が……!」
十年ぶりに姿を現した憎き女に、こんな屈辱的な目に合わされ、それでも猿野の母は快感を必死にこらえようとしていた。
「やせ我慢は身体に良くないわ」
やわやわと乳房を揉まれながら乳首を弄ばれ、猿野の母はじれったいその刺激を必死に堪える。
「ぅう……ッ」
「あまり垂れてないのね、ふぅん……奇麗な胸だこと」
捻り上げる指先に力を込めると、猿野の母の声が声ではなくなっていく。
「あ・あ……ッ」
「でも胸だけじゃ物足りないわよね。さぁ……イき果ててしまいなさい」
ディエチは胸への攻めをやめると、やおら取り出した……小さなリモコンを。
赤いマニキュアを塗った指がスイッチを押した。
その瞬間、猿野の母の膣内にある 擬似ペニスが音を立てて激しく振動し、不規則な回転を始めた。
「あ・あ・あっあっーーー、いや、いや、いやぁぁぁぁっっ!!!!!!」
突然の刺激、それも今までにない……猿野の母は目をかっと見開き、大きく仰け反った。
機械だからこそ成しえる激しすぎる刺激に、抵抗できない身体はただそれを甘んじて受け入れるより他は無いのだ。
「ああああ……らめ、らめ、らめぇ…………あう・ッ、イ、イっちゃうッ、 イっちゃう……!!!」
「ウフフ、これに耐えられる女はいないわ? さ、幾らでもおイきなさい?」
先ほどまでの強気から一転、快感の海に投げ落とされ、あがく間もなく溺れ、絶頂を極める猿野の母を見ながら、 ディエチは妖しく笑うのだった。


「……貴女、私が憎いでしょう?」
そして呟くのだった。
十年以上前、彼女から九泉を奪ったときに、口にしたのと同じ言葉を。
猿野の母はあの日と違っていた。
「ああああ、イ、イく、またイくぅッーーー!!!」
あの日のように、口汚くディエチを罵る代わりに、泪を流しながら、
いつ終わるともない 快楽の中、擬似ペニスによってイき続けていた。

(END)









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