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『愛のお値段』
2月14日の夕方、白雪がいつものように猿野酒店を訪れると、彼の目当てである猿野の母は店でレジを打っていた。
丁度一人の中年の男客が精算を済ませたところだった。
「260円のお返しです。それと、今日はバレンタインですから、サービスです」
猿野の母はにっこりと笑みをうかべ、赤い包装紙に包まれた小さな箱を客の男に手渡した。
「ああ、こりゃどうも」
ただのサービスだと分かっていても嬉しいものは嬉しいのだろう、客の男は照れたようにチョコを
ジャンパーのポケットにしまうと、すれ違った白雪に軽く会釈をして店を出た。
狭い店は白雪と猿野の母の二人になる。
「……ああ、そうか。今日はバレンタインでしたね」
店の入り口をちらっと見やり、白雪が呟く。
「え、ええ……」
先ほどまでにっこりと笑っていた猿野の母だったが、白雪と二人きりになったとたん、俯いて声が小さくなった。
「ボクへのチョコ、ありますよね? 猿野さん」
目を細めて白雪が尋ねた。尋ねるというより、あることを確認するかのような念押しに近かった。
猿野の母の頬が、かあっと赤くなる。
「あの、……家の方に……」
「じゃあちょっとお店を閉めて、行きましょうか」
レジの奥の扉一枚を隔てて、自宅部分になる。
シャッターを下ろし、「外出中」の小さなプレートを掲げ、少しだけ店を閉める。
猿野家の狭い居間で、白雪は猿野の母からのチョコレートを受け取っていた。
「ははっ、これはいいですね……」
見下ろす光景に、白雪の口元が緩んだ。
「う……こんなものしか差し上げられなくて……私……」
恥ずかしさに頬を朱に染め、畳に仰向けになった猿野の母は、
謙遜の言葉を口にしながらも大きく開いた脚の間にハート型の一口チョコを埋めこんでいた。
ぬめった肉の襞の間に、半分頭を出している一口チョコ。
「こんなものだなんて、上等ですよ猿野さん。高価なチョコより絶対こっちの方がいい……」
年を重ねた女性が恥らいながらも脚を開くというのは、何よりもいやらしくみえる。
白雪は太腿に手を沿え、チョコが埋められたそこへと顔を近づける。
軽く匂いを嗅ぐと、汗と体臭と、チョコの匂いが混ざり合ってなんともいえない。
つつましく恥毛の奥で控えているクリトリスを軽く舌先でつつくと、猿野の母が「ひゃっ、」と声を上げて軽くはねた。
「ふふ、可愛いですよ……猿野さん」
そして口で、埋められたチョコを咥えて引き出した。
粘液が絡みついているそれを噛む。甘いけれど苦くてすっぱい。
「おいしいですよ、猿野さん……さ、ボクからはちょっと早いけど、ホワイトデーのお返しと行きましょうか」
「ああ……ッ」
カチャカチャとボトムのベルトを外し、白雪は硬くなった自身を取り出す。
そしてチョコが埋められていた場所へと、それを添わせる。
「白いものでお返し、か。丁度いいですね」
狙いを定め、躊躇うことなく、一気に根元まで突っ込んだ。
「あ、あ、はあああ……!!」
猿野の母の身体が海老反りになる。熱く堅い雄に、こなれた女の蜜壷はいやらしく絡みつく。
「ああすごい……猿野さん、……そんなに締めつけないでください」
「白雪さん……私、私……ぁあ……!」
愛は値段ではない、と口で言うのは容易いこと。
実行するのは、時に恥ずかしさを伴う場合もある。
(END)
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