『放課後の風景(沢×梅)』
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冬至が近づくにつれ、昼間は日に日に短くなっていった。
「うー、寒ぃ……」
学校の斜め前にあるコンビニに向かうべく校舎を出ると、外はすっかり真っ暗だった。
吐く息は白く、寒さに肩を竦めてしまう。
抱えたコンビニ袋だけはほんのりと温かい。
中身は夜食用に買った肉まんと、ホットの缶コーヒーがそれぞれ二つ。
部費から落とすために、レシートもちゃんと貰ってきた。
前に貰い忘れてきたら梅さんに偉ぇ怒られたから。
管理棟の三階、視聴覚室の隣に報道部の部室はあった。
元は一般教室だったらしいところを改装して、半分は写真部と兼用の暗室。
残りの半分が部室だった。
「梅さん、買ってきましたよ……うー、さびぃさびぃ……」
「ありがとう、沢松(喜)」
外と違って、部室の中はほんのりと暖かい。
申し訳程度の電気ストーブ一つでも、それなりに効果はあるみたいだ。
室内の大部分を資料の入った本棚が占領する狭い部室の中、梅さんは窓際の古びた机に向かって、
原稿用紙と取材ノートを広げ、鉛筆を忙しなく走らせていた。
校内新聞の締め切りまで、あまり日がなかった。
報道部に入って以来こういう日はしょっ中で、もう慣れちまった。
窓の外は、夕方を通り越してもう夜。
「……だいぶ日が短くなりましたわね(溜息)」
「そうっすね、もう夜っすよ」
梅さんは鉛筆を置いて、俺が差し出したコンビニの袋を受け取る。
窓の外を見れば、ナイターが照らすグランドで、野球部員達が練習に勤しんでいるのが豆粒みてぇに小さく見えた。
あんなに遠いのに、ヒゲのオッサンの怒鳴り声がここまで聞こえてくる。
『猿野ーっ! 真面目にやらねぇかぁっ!!』
「猿野君、また監督に怒鳴られてますわ(呆)」
「ありゃいつものことっスから……」
「また下らないギャグでもやってたんでしょう、大方(溜息)。あれがなければ素敵な逸材ですのに……」
「あれがなきゃ、天国じゃないっすよ」
窓の外、ナイターに照らされるグランド見ながら、肉まんを頬張る。
「ああ、あれが天国だ」
はるか遠くにいる天国を指差したら梅さんちょっと驚いた。
「よく分かりますわね(驚)」
「まだヘボい守備だからこんだけ遠くてもすぐ分かりますよ」
良くも悪くもあいつは目立つ。
「あの独特の投球フォームは、子津だな。あのちっこいのはスバガキで……。」
……俺もお人よしっつうか、酔狂っつうか。
鬼ダチの天国を心配する余り、写真にも報道にもぜんぜん興味ねぇのに、
報道部になんか入っちまって。
まぁ、元々高校入ったらなんか部活はするつもりだったし。
それはそれでイイコトあったし……。
「……沢松?」
缶コーヒー片手に、梅さんが身体を強張らせる。
「なんでしょう、梅さん」
後ろから抱き付いて、耳元でわざとらしく尋ねてみる。
「沢松、今がどんな時だか分かってますの?(睨)」
「分かってますよ、でも。」
小さな冷たい耳朶を、からかう様に弄ると、梅さんの身体がびくっと跳ねた。
「……ちょっとは気分転換しませんか、梅さん」
言いながら、片手でカーテンを……外から疑われない程度に閉めた。
今やってるこの校内新聞が出来上がるまでは、キスもエッチも”お預け”って言う約束だったんだけど。
見たいやりたい盛りのごくごく健全な高校一年生男子の俺に、そんな我慢なんざ出来やしねぇ……。
久しぶりに触れた梅さんの身体。
「んっ……あ、ぁあはっ……!(嘆)」
椅子に座ったままの梅さんを、後ろから抱きかかえて、制服の中に手ぇ入れて。
感じる所、指で刺激して。
梅さんは机の上の原稿用紙に顔突っ伏して、必死に声を殺して……。
「梅さん、声大きいっすよ……」
「んぅ、沢松が……(哀)」
――やべ、マジで可愛いんですけど……。
梅さん、着痩せする体質みたいで、実際触れてみてわかったんだけど胸は結構でかい。
その上、すんげえ柔らかくて。
……オッパイ星人じゃなかったんだけど、最近じゃすっかり胸フェチになっちまって。
最初は『我慢なさい、バカ松!』とか言ってた梅さんも。
硬くなってる乳首をコリコリしながら耳朶甘噛みしたら、もう抵抗できなくなって。
色っぽい声になったりして。
乳房全体を揉みしだいていくと、どんどん熱くなってくる。
「こっちも来てますねぇ、梅さん」
ロングスカート捲って、張りのある太ももから三角地帯に手を伸ばしたら。
コットンのショーツは外から触れても分かるくらいに湿っていた。
甘酸っぱい匂いが、立ち込めてくる。
「この匂い、何スかぁ? 梅さん」
乳首、強めに摘み上げながら、聴覚の奥へと舌をもぐりこませる。
「……やらしい匂いっすよね」
……やべ。
触って指でイカせて、あわよくばフェラしてもらって。
それで終わりにするつもりだったんだけど……エロい匂い嗅いじまったら、……本気でしたくなった。
「我慢はよくないっすよ」
「沢松っ」
ショーツ越しに縦スジなぞったら、堪え切れなくなった梅さんがあられもない声を上げた。
「あ・ああ―――……ッ」
裏返る声。乾いた音を立てて、原稿用紙と鉛筆が床に転がる。
……この声は、アレだな。
「梅さん、……しましょ?」
梅さんは、机に突っ伏した顔を上げ、小さく頷いた。
外からはヒゲのオッサンが怒鳴る声が、野球部員達の張り上げる声が、
バットがボールを打つ鈍い音が聞こえてくる。
他の部はもうとっくに帰ってる時間だってのに、ホント頑張ってるよなあいつ等。
……俺も頑張ってるんだけど。違う意味で。
梅さんの座っていた椅子に、交代で俺が座る。
ズボンのジッパー下ろして息子出したら、梅さんをその上に跨がせる。
俺のも結構青天井ってな位にエレクトしてて、先走りがトランクスから染み出してた。
「ん、くぅ……ッ」
粘っこい音立てながら、俺のが梅さんの中に入っていく。
頬っぺた真っ赤にして、ホント色っぽい……。
「根元まで入りました?」
「……知りません……(恥)」
梅さんのスカートチラッと捲って、結合を確認する。
「……しっかり咥えこんでますね……梅さん、溜まってたでしょ?……俺もだけど」
「バカ松と一緒にしないで頂戴(睨)」
……素直じゃないとこも可愛い。
梅さんのシャツとベストも捲り上げて、乳首の尖ったおっぱい丸出しにしてやる。
俺の肩にしがみ付かせ、梅さんの腰抱えて上下に動かしてやる。
「ふっ、あ、ああッ、」
梅さんの中、すんげぇ熱くて、いつもよりぬめぬめしてた。やっぱ、溜まってんじゃん。
「梅さん、…あんまし声だすとやばいっすよ、上職員室ですよ、っ」
言いながら、ふるふる大きく上下に揺れる、梅さんのおっぱいに吸い付く。
「あぅ……、だって、や、は……ん、(感)」
ちゅうちゅう、音立てて吸ってやると、梅さんが肩にしがみついてた手を離し、
俺の頭を抱え込む。
「感じるんですもの……声、出てしまいますわ……ッ」
……これが、報道部に入ってよかったこと。
悪ぃ、天国。
お前より先に、彼女いない歴更新ストップした上に、
大人の階段一気に駆け上っちまったわ、俺。
……しかもまだ鬼ダチのお前にも内緒だし。年上の彼女だし。お前も知ってる人だし。
「……梅さん、気持ちいい?」
梅さんが頷く。
「も、っと……(涙)」
涙目の梅さんは、ホントその辺のエロ本よりよっぽどエロい顔してた。
こんな光景、天国のヤツが見たら、ぶっころ確実だな。
せめて天国が凪ちゃんともうちょっと、あともう5ミリほど進展するまでは、
このことはちょっと言えねぇよな……。
外じゃ天国がまた怒鳴られてる。今度は二年のバンダナ先輩の声だ。
『この位の球ぁ取れyo! 猿野っ!』
……またつまんねぇエラーしやがったな、あいつ。
「やべ、もう出そう……」
久々だけあって、俺のほうかなり溜まってたみてぇで、もう限界が近づいていた。
梅さんの裸想像しながら毎晩シコってたってのに……。
「中、……出していいっすか?」
「……好きになさいっ……早漏っ」
あ、ちょっとひでぇかも……。
「んじゃ、遠慮なく……ッ、」
「あ、は、――ぁ……!」
悲鳴のように軋むチャチな椅子。狂ったように梅さんが腰を振る。
もう駄目だ。もう限界だ。もう…………
「梅さん、梅さ、……ッ…―――」
……最後はキスをしながら。梅さんの中に、久々に盛大にぶちまけて。
二人殆ど同時に果てた。
その後、原稿そっちのけて第二ラウンド即突入。
……外で土まみれ汗まみれになって怒鳴られてる天国に、ちょっとだけ悪い気がした。
(END)
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