『ドキッ』




……彼女が出来たら、夏休みに一緒にプールか海に行って夜は花火、っていうのは、中坊の頃から夢に描いていた図ではあったんだけれど。



「梅さん、……やっぱり海行くの、やめましょうか?」
「どうしてですの?(尋)」
コーラ片手で胡坐を掻いた俺は、目の前に仁王立ちの梅さんを見上げながらそう言ってしまった。
「いやぁ……なんつーか」
見上げた梅さんの水着姿は、余りにも眩しかった。
この夏休み、一緒に海に行こうってことになって、梅さんはそれに先駆けて水着を買った。
学校帰り、その水着を見せてもらうってことで、梅さんは俺んちに寄ってくれて。
俺の前でその水着を着て見せてくれたのはいいんだけど。
なんつうか、その。
「理性を保てる自信が無いというか……」
というか、今でさえそうなんですけど……やべえな、もうジーンズの下パンッパン。
ピンクのギンガムチェックのビキニ。
ボン・キュッ・ボンの梅さんのその格好は、はっきり言って可愛すぎ。
白い肌にピンクのギンガムチェックって、なんて映えるんだろう。ホルターネックのビキニ、すんげえ似合ってる。
ホンットに梅さんってばスタイルいいんだよなぁ……。
「俺、前かがみでずーっといる羽目になりそうなんですけど……」
「あら、そんなに魅力的?」
俺の前にしゃがみ込んだ梅さん。胸の谷間が、もう目の前に。
ああ、もうこの時点でやべえ……。
「………はい、」
俺は大きく頷いた。
「折角買ったんですのよ? これ、高かったのに……」
梅さんは残念そうに口を尖らせる。
……確かに海に行きたいって言い出したのは俺だし。
来年は梅さん受験だから海どころじゃなくなるってのも分かるんですけど。





分かるんですけど、梅さん。




「……悪い虫も寄ってきます」
これ以上、敵と呼ばざるを得ない存在を増やしたくないってのも正直なところだし。
「愛と嫉妬は紙一重ね、沢松」
梅さんは少し考えてから、バカ松がそこまで言うならしょうがないわね、と頷いてくれた。





その、俺の我侭を押し通したせめてものお詫びに。
今日はちょっと頑張ってみた。
雨戸を閉めると、初夏前の部屋はすぐに暑くなった。
エアコンも俺もフル回転モードにして。
「バカ松っ、……ん」
ベッドに押し倒して、ビキニのトップを捲ったら、ぷるん、って白いおっぱいが開放される。
「やん、……」
強い人がこんな時だけ弱いっての、ホント俺のツボなんだよなぁ。今更ながら、梅さん、萌え。
ピンクの頂点を片方の指先で軽く苛めながら、首筋に吸い付いて、赤い印を付けてみる。
「ん、っ……あ」
軽い痛みに梅さんは顔をしかめる。
こんな顔もいいんだよな、梅さん。
「梅さんと夜の海辺でエッチ、っての、したかったんですけどね……」
「沢松、」
「それまで俺の理性、持ちそうにありませんから、残念」
「あ、ふ……」
指先で弄ると乳頭はすぐに硬くなって。梅さんの息も乱れてくる。
もう片方を舌先でちろちろ舐めながら、すべらかなウエストに手を伸ばして。
こんな綺麗な肌、夏の海辺で晒すなんて。
空腹の猛獣の檻ん中に、肉を投げ込むようなもの。
「……梅さん、気持ちいい?」
梅さんは頷く。俺の頭を抱え込んで、ハァハァ、息を乱して。
「んあ、……やぁ……(快感)」
ショーツの中ももうぐっしょり……手、入れたら中すげえ熱くなってて。
探る指を簡単に飲み込む梅さんの中。ぐちぐち、大きく音を立てながらその中を掻き混ぜて。
「沢松っ、あ、あ、あ、あ……(恍惚)」
ちょっと上気味に指突き上げるように動かしたら、いいトコに当たったのか梅さんが腰を跳ねさせる。
中、すっげえぐちょぐちょ……。
結構淫乱かも、なんて口に出したら張り飛ばされそうなことを思っています、はい、このエロ沢松は。
「ここ、いい? 梅さん?」
膝まで下ろしたギンガムチェック。捲り上げたお揃いのトップからは、大きな胸がはみ出してぷるんぷるん揺れて。
ああ、もう……駄目かもしんない。俺の理性。
滅茶苦茶におっぱいに吸い付いて、ちゅうちゅう音立てて吸い上げて、クンニもしたいんだけど俺のほうが余裕ないんだよ実際。
「沢松、も、入、れて……ッ(哀願)」
「お望みのままに、梅さん」
なんてカッコつけたこと言いながらも、実のところはマジで出したい5秒前。
ベルトを外す手ももどかしかったりなんかして。
「あ、あ、ん、沢松っ」
俺が息子を出すが早いか、梅さんは腰を摺り寄せ、自分で俺のを導いて入れる。
うわ、ちょっと梅さん。大胆っすよ……中、やっぱ熱っ……。
っつか、入れたすぐなのにもう俺出したかったりなんかして。
「あ、沢松ぅ……ッ」
脚を腰に絡めて、梅さん自分から腰振っちゃって。
お、お、マジやばい。
「梅さん、ッ……、すっげえいいっすよぉ、……」
やべ、もう本当にやべえって。
「沢松、ぅ……」
涙目で俺のこと見ないで下さいよ、梅さん……ッ。





……結局、梅さんの可愛いギンガムチェックのビキニは、海の潮じゃなくて梅さん自身が噴出した潮に塗れる羽目に……。






「市民プールでも駄目ですの? 沢松」
エッチの後、二人で俺ん家の狭い風呂に入って。
お互いの身体を洗って、湯船に漬かってたとき、梅さんが聞いてきた。
「……ん〜〜……駄目っす、やっぱ」
ガキんちょ共に梅さんの身体見せるだなんて、十年早い。
「ケチですわ、沢松(溜息)」
……わかってますけど、そりゃ。
「梅さんの水着姿、俺誰にも見せたくないっすよ」
愛と嫉妬は紙一重。……この辺がやっぱり俺ガキだよなぁ。
早漏だし、ってこれは余計か……いやでも事実だからな。はぁ。
「海にもプールにも行かない代わりに、俺の前で水着着てくださいよ。何回でも」
「しょうがないわね、バカ松は本当に」
なんて、梅さんは呆れ顔で、でもその後で。





「じゃあ、沢松だけのために……次はどんな水着、買おうかしら?」




ってまた意味深な発言。
梅さん、そのしたり顔は反則っすよ。
俺、また押し倒しちゃいますってば。

(END)




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