海の様な味がする(スモーカー×ルフィ子)
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久しぶりに会った麦わら…ルフィの肌は、小麦色に焼けていた。
夏島で暫く滞在していたのだと言う。
服を脱がせると、ビキニの水着の跡を境目に、くっきりと色が分かれていた。泳げないくせに。
焼けた部分は色濃く、その分日に焼けなかった部分は一層白く見えた。
「んぁ、……ケムリン、」
麦わらを抱き寄せ、その豊かな胸に顔を埋めると、もう息が上がってくる。
膝まで下ろしたジーンズをもどかしげに脱ぎ捨て、脚を絡めてくる。
夏島からこの秋島への航海は長く、随分と退屈し、溜まっていたのだという。
船員は女だけの海賊船。
満たしてくれる男はいない。
その分夏島ではさぞや"満足"したのだろう。ここへ来る途中、麦わらの女の噂は嫌でも耳に入ってきた。
『海賊』としてではなく、『女』としての噂が……。
仰向けに寝た俺の顔を跨がせ、腰を落とさせる。
申し訳程度の恥毛に護られたそこはしとどに濡れていた。
「……早いな、そんなに溜まってたか」
まだキスと、胸への愛撫しかしていないのに。
「……ケムリン、うるせえ……」
「図星か」
からかうと、麦わらは口を尖らせた。
「自分で開いて見せろ」
言うと、麦わらの細い指が、自ら肉色の襞を開く。
淫らな体液を垂らしながら、それは俺の目の前で蠢く。
クリトリスは赤く充血し勃起していた。
そこは久々の男を求めて、もう待ちきれないと言わんばかりだった。
こんなに淫らな身体をした女を、俺は知らない。
「もうこんなになってんだ、ケムリン……ね、早く……舐めて」
甘えた声を上げ、ヤツはもどかしそうに腰をすりよせて来る。
「ああ、分かってる」
細すぎる腰を抱き寄せ、女性器へと顔を埋める。
ぺちゃ、と音を立てて……。
「あ・あッ……あぁーー……ッ!!!」
襞も膣もまとめて舌で大きく弧を描いて舐めると、麦わらが喘ぎ、大きく仰け反った。甘酸っぱい味だ。
クリトリスを吸い上げ、膣へ指をもぐりこませ、いいところを探ってやる。
入り口の直ぐ上のざらついた部分を思い切り擦りあげると、麦わらの待ち望んでいた快楽が、一気に押し寄せる。
「はぁ……ああッ、んあ、いい……ッ」
豊かな胸がゆれ、声が裏返る。愛液がどぷっと一気に吐き出される。
「ケムリン、も……と、もっとぉっ……、!!」
自分でもがくがくと腰を揺らし、性器を俺の顔に更に押し付け、麦わらは快感を貪った。
「あーーッ……、いい、も、いくッ……!」
早々と一度目の絶頂を迎える。余程溜まっていたのか。
乱れ方がいつもより大胆なのは、気のせいだけではないように思えた。
あの男たちの前でも、こんな風に乱れたのか……?
『古ぼけた麦わら帽子を被って、顔に傷がある女を抱いたんだよ。夏島でさ』
ここへ来る途中、立ち寄ったとある島の港の酒場で、酔った若い船員が二人。店主相手に語っていた話。
それは明らかに麦わら……ルフィのことだった。
『もの欲しそうな顔で、酒場の前に立ってんだ。ちょっと声掛けたら、一発さ』
俺は離れた場所で酒を飲みながら、その話に耳を傾けていた。
『あんな女は滅多にいねえな、本当に上物だった。その辺の娼婦より断然いい』
『淫乱ってのは、ああいう女のことを言うんだろうよ。まだガキの癖にな』
二人の男は酒のせいか大声で、リアクションも大きく、一週間前だというその夜のことを微に入り細に渡り語った。
『細ッこいもやしみてぇな身体の割によ、胸だけはでっけえのな』
『あぁ、チンポ挟んで擦って貰って、顔にぶっかけてたな、お前』
『あの女ぁ、根っからセックスが好きなんだろうぜ、一晩中ヒイヒイ言って善がってたじゃねえか』
『俺ら二人と、他に2人。4人まとめて相手してくれてよ……』
『やめてくれなんて、一言も言わなかったなァ……よっぽど好きなんだろうぜ、セックス』
『次から次へとチンポ突っ込まれて、自分から腰振って、声枯らして泣き叫んで悦んでたぜ』
『尻の穴もさせてくれりゃもっとよかったな……』
『潮散々吹いて、最後は気ィ飛ばしちまったなぁ』
下品な笑い声が、狭い店に響いた。
見たこともないその光景が、俺の脳裏に形となって映し出される。
夏島の、夜の砂浜。
4人の男がルフィを囲む。胸以外は何処も細い、ルフィの身体。
その身体を思うが侭に嬲る、8本の腕。歓喜の声を上げる、ルフィ。
胸を揉まれ、吸われ、脚を開かれる。
ピンク色の肉襞を、肛門を晒す。それを4人の男が次々と犯す。肉襞の奥へ、ペニスが次から次へと……。
悦び、腰を振るルフィ。もっとして欲しくて、卑猥な言葉を口走る。その口をも、順番を待てないペニスが犯す。
そして吐き出される白濁の液。それに塗れ、更に欲しがるルフィ……。
『何回イったよ、アイツ』
『さぁ、数えてねえな……その上生でさせてくれてよ、もう最高……』
『フェラチオも上手かったなぁ……ありゃよっぽどやり込んでるぜ』
……立ち上がって、殴ってやりたい気持ちだった。けれど俺にそんな権利はない。
そう、俺は奴らと同じ穴の狢、いやそれ以下なのだ。
堂々と出来ない俺の方が、なお一層後ろ暗い。
俺はそもそも麦わらを捕えなくてはいけない、海軍の立場であるというのに。
卑猥な話を続ける奴らを横目に、黙って金を払い店を出た。
行為の後は、いつも何故か空しかった。
性欲は満たされるのに、心の中はいつもぽっかりと穴が開いたようだった。
それは俺だけではなく、麦わらもまた同じらしかった。
安宿の窓からは、夜の海が見えた。
シャワーを浴び、静かな波の音を聞きながら、安物の酒を煽る。
いつにも増して激しかった行為に、身体が少々重い。もう、若くはないらしい。
三度目に俺が降参するほど、今夜の麦わらは激しかったのだ。
「ルフィ……何してる」
裸のままの麦わらは、ベッドの上に座り込んで自分のジーンズのポケットを探っていた。
「ん? 探し物してんだ……あ、あった」
ジーンズのポケットから出てきたのは、小さな錠剤の入った小瓶。
「気持ちよくなれるクスリ」
ホラ、と俺にその瓶を突きつける。
近寄って手にとって見れば、最近闇で出回っている非合法のドラッグだった。
「さっき使おうと思ったんだけど、忘れてた」
「……こんなものを何処で手に入れた?」
「ん、こないだの夏島」
恐らくはあの男たちから貰ったのだろう。
合法非合法、合わせて多数の薬が近年グランドラインはおろか、平和なイーストブルーやサウスブルーにも出回っていて、
薬禍はじわじわと若年層をメインに広がりを見せていた。
海賊の収入源にもなっているらしく、海軍でも特別班を設けて取り締まりに当たっている程だ。
「コレは所持しているだけで罪になる代物だぞ」
「ああ、知ってるさ。でも依存性はそんなにないんだろ?」
麦わらはにべもなく認めた。
「依存性はな。けれど非合法には変わりない」
「存在自体が非合法だから、俺。今更、どうってことないさ」
ふふ、と低く笑い、麦わらは俺から瓶を取り返した。
「……飲まない? ケムリン」
「飲むとどうなる」
「滅茶苦茶気持ちよくなれるって……まだ使ったことないけどさ。それに、依存性も少ないって」
麦わらは瓶の蓋をあけた。瓶を振ると、掌に白い錠剤が二錠転がった。
「……堕ちてみたいんだ。なんとなく」
麦わらが、ポツリと呟いた。
「今でも十分堕ちてるけどな、俺」
下を向いて小さく笑ったその顔は、ひどく美しく哀しげだった。
「堕ちる所まで堕ちてみたい、か」
「うん……そんな気分になるときって、時々あるだろ?」
麦わらにしては、随分と投げやりな言葉だった。自暴自棄と言ってもいい。
海賊風情の癖に、いつも前向きなことしか言わないのに。
大胆だったのは、そのせいなのか……。
「……そうだな、―――あるな……」
例えば、今。
手を伸ばし、麦わらの掌から一錠を摘んだ。
「今日の俺は、そんな気分なんだ……」
二人同時に錠剤を飲んだ。それは唾液を含むと口腔内で発砲し、僅かな塩気を残してあっという間に溶けてしまった。
「……海みてぇな味だ」
麦わらは笑い、俺に手を伸ばしてきた。
キスをすると、海のような味が口腔内に広がる。
薬の効果か、淫らな疼きが早くも下半身を襲ってきた。
細い麦わらの身体を再び抱きしめながら、快感に支配されていく脳の片隅、いつだったか本部で聞いた噂を思い出す。
『麦わらのルフィは、故郷であるイーストのフーシャ村を、自分の意思で出たのではなく、
追放されたらしいんです……』
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