好き(エース×ナミ)


そばかすだらけの男。
やたらと筋肉質な男。
眠たそうな目の男。
昔っからあたしの嫌いな男のタイプは上の通り。
なのに変ね……それに全部当てはまるっていうのに、エースのことは好きなんだもの。





「ナミ、こっち向けよ」
エースの声に振り返ると、頑丈な腕があたしの返答を待たずに抱きしめてくる。
「抱いてやるよ」
「……もう抱いてるじゃない」
ぎゅ、っと抱きしめられる。ごつごつした筋肉質の身体。
一分の隙もなく鍛え上げられたエースの身体。
ゾロも相当筋肉質だと思ったけど、エースの方がもっと逞しい。
そしてその身体には、汗と血と、お酒の臭いが染み付いていて……。
決して心地良くない筈なのに、エースに抱きしめられるととても気持ちがいいのはどうして?
「お酒臭い……エース、また飲んだでしょ?」
「あぁ? 酒がどうしたって?」
「飲み過ぎだって行ってるのよ、お酒の匂いがぷんぷんして頭痛いわ」
「うるせえな、ったく……口を開けば次から次へと文句たらたらと……ほっといてくれよ、俺には俺のやり方があるんだから」
ほら、呂律が回ってないじゃない。
どれだけ飲んだらこんなになるのよ。
「うるさくて結構よ、口から生まれてきたんだからあたしは」
「……そんなうるさい口は、こうしてやるんだ……ッ」
「ん、……ッ」
顔を上に向かされ、キスで口を塞がれた。
そしたらもう、完全に主導権はエースのもの。





当てにならないものね。
好みのタイプなんて。
だって好きになったのは、寧ろ嫌いなタイプの男だったんだもの。
「ん、……ッ」
「ナミ、……声、もっと出せよ」
「……ぁあ……ん、エース、……そこ、いい……」
野太い指は、あたしの一番いい場所を良く知っていて、そこを徹底的に責めてくる。
「ここ? もっと、欲しいか?」
焦らすのが得意なエースの指は、入り口の辺りでじれったく行ったり来たりを繰り返す。
「欲しい……もっと、頂戴……ッ」
「どのくらい? どのくらい欲しい?」
「あ・……も、……一杯……一杯、欲しいっ……!!」
やだ、何てはしたないんだろうあたし……こんなに腰振って……。
「エース……来て、ッ……!」
「………いいぜ」
にや、っと笑って……エースが、あたしの腰を抱え込む。
こんな時のエースの顔は、たまらなくカッコよく見える。
眠そうな目も、頬に沢山散ったそばかすも、いいんじゃないかと思えるから不思議。
筋肉質の身体はしがみ付くと凄く安心するし、男らしいなって思えるんだもの………。






コトが終わった後は、エースの腕枕で眠った。
ぐうぐう眠るエースの寝顔は、さっきまでのカッコよさは何処へやら、ほんとに子供。
エースはあたしの中に出すなり、後始末もそこそこに眠りに入ってしまった。
女の子としては、ピロートークの1つも欲しいんだけどね……。
「―――変よね、本当に」
好きなタイプなんて、絶対あてにならない。
少なくともあたしに関しては。
「ま、いっか……」
恋人同士になって早いもので半年。
何のかんの言って、結構巧く行ってるし。






そういえばエースも言ってたっけ。
"俺、生意気な女と金に細かい女と、口数の多い女は嫌いなんだよ。
でも変だよな、全部当てはまるのに、ナミのことは好きなんだよな"って。






―――なぁんだ、お互い様じゃない。






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