『誕生日の夜(中編)』
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「大体、こんな可愛い女の子と二人っきりで何にもしねぇなんて、男じゃねえぜ?」
エースがニヤニヤ笑ってる。
ちょっと……本当にど・ど・どうしよう……。
あ、そうだランブルボール! ってあれ置いてあるのボクたちの寝室だし!
この状況じゃ無理だし! ああもう大事なときに、ボクって……。
「っつーか、大体なぁ船医さん」
エースは指先でボクの小さな胸を弄びながら言う。
ぁ……ちょっとそんな風に……。
「女ばっかの船で危機感削がれてんじゃないか? 野郎を船に上げていきなり個室に二人っきりなんて、無用心極まりないぜ」
「う゛……」
「ヤって下さいって言ってるのと一緒だっつの」
……言われてみれば確かにそうだ。
ボクたち女の子ばっかりで、それこそ下着姿で船の中うろついても平気なくらいで……。
幾らルフィのお兄さんだからって、ゾロやサンジが出来た人だって褒めてたからって、男の人でそれもクルーじゃない人を船に上げるのに、ボクは考えなしだったんだ。
今ここで大声出したって、皆撃沈してるから絶対誰も来てくれない。
自分で招いた危機だ。
あ、ちょ……だめ、乳首そんなに……転がさないで……。
「ん。堅くなってんな」
さっきエースが吸い付いたから唾液でぬめってて、その上そんな風にされたら……ボク……。
「……ッ……」
下半身がじゅん、と疼いてくるのがわかった。
「あ・あ・……」
それを察知したかのように、脚の間に入り込んでくる手。エースの手が……。
下着ごしに触れる。軽く、優しく。
輪郭をなぞるように。
「ッ……うああ……」
いや。すっごく、ぞくぞくする。
背中を何かが這い上がる。
エースが、下着の上から性器をなぞる。胸にもまた吸い付く。
飴を舐めるみたいに、乳首を嘗め回してる。
「ッく……!」
我慢……我慢……我慢……駄目……
でも……―――
もう―――どうしようもなくなってくる……。
「ぁ……ッ」
下着の上をすべるエースの指が、焦らすように、一瞬遠ざかろうとする。
ボクの腰が軽く浮いて、その指に追いすがった。
「欲しいか?」
エースが囁き、尋ねる。
ボクは一瞬迷った。迷って、答えた。
「ん……」
「欲しいんだ」
「ほ、……欲しぃ……かも……」
「欲しいんだな?」
念を押され、少し考えて頷いた。
恥ずかしかった。でも……でも、我慢できなかった。
一旦くすぶり出した火は、燃え尽きなきゃおさまらないんだ。
エースは満足げな表情をする。
「そっか、じゃあ……気持ちいいんだ?」
ドクター、ドクトリーヌ。
ごめんなさい………。
もう、どうにでもなっちゃえ。
「うん……気持ち……い……い」
息を切らせながら、ボクは答えた。
「じゃあ態度で示してみろよ」
エースの手がボクの下着から離れる。それだけじゃなくてエースは身体を起こし、ボクから離れようとする。
「ぁ、」
態度……態度って。
ボクは脚を、ゆっくり大きく開いた。
肌蹴られたブラウスを自分でもっと開いた。捲り上げられただけのブラの金具を外した。
エースがさっきソファに置いた避妊具を、震える指で拾い上げて……包装ごと口に軽く咥えた。
「もっと……して」
火は収まらない。
誕生日の夜に、ボクの身体に点いた火。
……ボク今、凄くエッチな格好してる。
そのことだけは分かってる。
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