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麦藁学園高等部
「一時間目:水泳」
……水泳の授業は苦手だ。
うちの学校は私立で、おまけにスポーツにやたらと力入れてたりするもんだから、ご大層にも屋内温水プールなんてのがあったりする。
だから水泳の授業も、一年を通してあるわけで。
今日みたいに雪が降りそうな寒い日にさえ、体育の授業は水泳だったりする。
勿論中は暖房ガンガンかかってて暖かいし、後で風邪引かないようにって更衣室にはドライヤーも完備してあるんだけど……。
「あら、サンジ君また水泳お休み?」
授業の前に、体育館にある教官室に見学願を出しに行くと、保健体育のヒナ先生は眉をひそめた。
またか、って顔だ。
「ええ、まぁ……ちょっと風邪っぽいしぃ、……お腹も痛くてぇ……」
「……あなた水泳の授業の見学多いわよ。ヒナ憤慨。ヒナ憤慨よ。
……後日、放課後に持久走、グランド2週。忘れないでね」
「はーい……」
見学願いにサインをし、ヒナ先生はやれやれといった感じでそれを出席簿に挟んだ。
それを確認して、一礼の後体育教官室を出て屋内温水プールに向かった。
―――グランドなんて、10週でも20週でもしてやらぁ。
あいつらと一緒になるよかよっぽどましだ。
屋内温水プールの建物の中は外よりよっぽど暖かくて、塩素のつんとする香りが鼻をつく。
見学者用のベンチに行くと、先に座っていたのはチョッパーだった。
「あ、サンジ。サンジも休みなの?」
一昨日学校の帰りに駅の階段を踏み外したとかで、チョッパーの足首には包帯が巻いてあった。
「おう、チョッパーか。」
「サンジこないだも休んでたじゃない?……体調悪いの?」
チョッパーは心配そうに首をかしげる。
「んー…っていうか……」
丁度そのとき、更衣室の扉が開いて、水着に着替えたルフィたちが出てきた。
「……あいつらと一緒にいると、体調も悪くなっちまうんでね……」
ルフィたちを指差すと、チョッパーは「ああ、なるほどね」と納得してくれた。
だって、さぁ……。
「お、サンジ! お前又休みか!!」
タオル片手にルフィがでっかい胸ぼよんぼよん揺らしながら駆け寄ってくる。
「ああ、ちょっと風邪気味」
なんて嘘ついて適当に流した。
「おう、サンジ今日も休みか」
「素敵眉毛は身体弱いんだよなぁ」
後に続くのはウソップとマリモ。
「うっせえ、ほっとけっつの!」
……だって。
ルフィとウソップとゾロ。三人とも、胸でっけえしスタイルいいんだもん……。
Aカップのささやかな俺の胸は並ぶと余りにも悲しすぎる。
……つまり、差がありすぎるんだよ。
ぶかっとした服を着たり、ブラに詰め物したりして誤魔化せる体操服ならまだしも、
水着。それも誤魔化しようのない、昔ながらの元祖スクール水着じゃあ、その差は歴然。
なんせマリモがEカップ、ウソップはFカップ。……ルフィにいたってはIカップ。
グラビアアイドルも真っ青だ。
胸を差し引いても、マリモは背が高くて競泳選手みたいに筋肉質だし、ウソップはお尻もそれなりでバランスいいし。
ルフィは胸以外は何処も全部引っ込んで細い。
俺はといえば、胸はAで中途半端にタッパがあってそのくせ筋肉質でもないしメリハリもないんだぜ。
……水着になりたくないって気持ち、分かるだろ?
「ルフィさんの胸、やっぱりおっきぃ〜〜!」
「おう、ビビ! 触ってみるか?」
「ルフィ、ほんっと胸おっきいわねえ、アンタ! 栄養頭に回ってないんじゃない?」
「ナミ! ナミも触ってみろ! ほら、ボヨ〜〜ン♪」
……ナミさんとビビちゃんにうれしそうに触らせてんじゃねえよ……ルフィ。
「……いいよね、ルフィって」
それを見ながらチョッパーがポツリと呟く。
「ボクもせめてルフィの半分くらいは欲しいな、胸……」
……俺がAで、チョッパーはAAなんだよな、確か。
俺より悩みは切実らしいんだが……チョッパーは元々小学生にしか見えないんだからいいじゃねえか。
ほんとに、どいつもコイツも……。
始業のチャイムが鳴り、ヒナ先生が来て、みんながプールサイドに並ぶ。
今日の見学は俺とチョッパーだけだった。
準備体操をするルフィたちを見ながら、ベンチに座ってぼーっとしてた。
「あら、サンジさん」
頭上から降ってきた声に、ふと我に返った。
「ロビン先生?」
仰ぎ見ると、歴史のロビン先生が立ってた。
いけ好かない連中の多いこの学校の教師の中で、俺が一番"大好きな"センセイだ。
「どうしたんですか? ロビン先生」
「今、資料室の整理をしてたんだけど、ちょっと収拾がつかなくて……誰か手伝える子はいないかしらって、来てみたの」
「ああ、来週の公開授業のアレですか?」
来週うちの学校で、市内のほかの学校の教員を招いての公開授業があるらしくて、
ロビン先生はその準備に忙しいらしい。昨日も、皆で放課後に配布用の資料作りを手伝ったんだ。
「プールなら見学してる子がいるかしらって思ったんだけど……サンジさん、体調不良?」
「いいえ、……全然平気。サボり……ってこれはオフレコね」
肩をすくめると、ロビン先生がくすっと笑う。
「良かったら手伝って欲しいんだけど」
「いいですよ、手伝います」
「あ、いいなサンジ……ボクも行きたい」
「チョッパーお前足くじいてるだろ? 無理すんな。それよりヒナ先生に言付け頼むわ」
「あぁん、ずるいっ!」
「ごめんなさいね、トニーさんにはまた資料の製本を手伝ってもらうから」
ほっぺたぷっくり膨らしてるチョッパーをのこし、
俺とロビン先生は屋内プールを出、特別教室のある第二校舎へと向かった。
ロビン先生に続いて歩いていると、渡り廊下からはグランドが見えた。
丁度2年生の進学クラスが短距離走をやってて、体育教師のスモーカーが怒鳴り声上げてる。
スモーカーは学校一厳しくて怖い。生徒指導もやってるから兎に角細かいことにうるせえんだ。
怒鳴る声が此処まで聞こえてくる。
『そこの奴! ダラダラ走るんじゃねえ!! タイムがさっきより悪かった奴は走りなおしだ!!!』
竹刀片手に額に青筋立ててらぁ。
……ルフィのIカップの原因はアイツ。生徒指導で普段は『男女交際は校則で禁止!』
なんて言ってる癖に。自分は生徒……ルフィと付き合ってるんだぜ? 勿論内緒で。
学園長のクロコダイルや、ルフィの姉貴で養護教諭のエース先生が聞いたらなんていうか。
……多分死刑。
普段生徒の前では威張って怒鳴ってばっかりだから想像もつかないんだけど、
ルフィ曰くエッチは結構情熱的で凄くて、アレも黒くておっきいからサイズの合う
コンドームがなかなかなくて困るんだ、なんて言ってたっけ。
「……世も末だね」
「え? 何か言った?」
先に歩くロビン先生が、俺の呟きに振り返る。
「いえ、何でもないですぅ……ロビン先生」
資料室は、第二校舎の四階の一番奥にある。
薄暗くて、ちょっと埃っぽくて……俺は好き。
「あん……ロビン先生、えっち……」
資料室に入ってすぐ、ロビン先生は俺を壁に押し付けたんだ。
「あら、そのつもりで来たんでしょう?」
ロビン先生は慣れた手つきで俺のセーラー服のリボンを取り、ボタンをはずしていく。
「ん、そうだけど……ん、ッ」
フロントホックをぷちん、と外されると、小さな胸が開放される。
「可愛い……サンジさんの小さなおっぱい、可愛くて好きよ……ふふ」
ロビン先生は俺のささやかな膨らみのピンク色の頂点を、赤い舌でぺろ、って舐める。
「あ・……ッ」
男女交際は校則で禁止されてるけど、女同士の交際は禁止って書いてないモンね……。
だから俺は、ロビン先生と恋人の関係……。
「俺、もっともっとおっぱいおっきくなりたい……ね、センセ……」
胸を舐めるロビン先生の頭を抱え込みながら、喘ぎ声と共に呟く。
「駄目よ、あなたの小さなおっぱい、とっても可愛いんですもの……それに、」
「ぁう……!」
スカートの中にも……手……ショーツの、上から……クリトリスのところを指が……。
「これ以上可愛くなったら、他の人にとられてしまうもの……そんなの許せない……」
ショーツの隙間から指が入ってくる。細くて冷たい指。
「あぁ……! ん、意地悪……」
早くも攻める場所は下半身に移る。
立っていられなくなってしゃがみこむと、ロビン先生が俺を床に寝かせてくれる。
スカートを自分から脱ぐと、ロビン先生の顔がほころぶ。
「あら、私の好きなショーツ……嬉しいわ、穿いてくれてるのね」
「ん、だって……先生がくれたから……」
ロビン先生に貰った、ブルーのショーツ。俺のお気に入り。
ちょっときわどいんだけど、そこがまたいいんだ。
それもゆっくりと脱がされる。
「あ、……ッ」
ロビン先生の目の前に晒される、俺の大事な場所。
「可愛い……それにとても美味しそう」
ロビン先生は楽しそうに、俺の……クリトリスの包皮を剥き、それを舌で舐めてくれる。
「ああああッ……――――!!!」
駄目……気持ちいい……!
「感じているあなたはとても可愛い……分かる? これ以上魅力的になったら、すぐに他の
人にとられてしまうのよ……サンジさん……」
クリトリスをちろちろと舐めながら、ロビン先生は俺を諭す。
「……だって……あ、……ッ……」
ぷちゅ、って音がして……ロビン先生の指が、俺の一番大事なところに埋没する。
中を……掻き回してくる……音。ぐちゃぐちゃって、……凄いヤラシイ音……が……ッ。
「ふぁ……あ、はぁ・ん……、やぁ……ああああーーーッ…!!!」
イキそう……駄目……、も、……限界。
俺の様子を見て、ロビン先生は片手で俺の中を掻き回しながら、もう片方の手で服を手早く脱いでいく。
大きな胸、ルフィほどとまでは行かないけど、……でもメリハリが凄くて、
大人の女の身体……俺もこんな風になりたい……。
「さぁ、……今日の仕上げよ……」
指が抜かれ、もうこの上なく濡れてどうしようもなくなったロビン先生の大事な場所が、
俺の大事な場所に重ね合わせられる。
「ロビン先生……ッ」
「ああ、……気持ちいいわ……」
ねっとりとして、温かくて……ロビン先生が腰を動かすと、クリトリス同士が擦れて……。
「サンジさん、……あなたも動いて……」
「っ、あ、センセ……センセイ……ッ、あ、イク……駄目、イク……イク、ッ―――……!!!」
―――溶けていく……。
プールに戻ると、授業終了5分前。
今日の授業のまとめだの何だのをヒナ先生から述べているところだった。
「あ、サンジ。おかえり」
「ただいま」
チョッパーの隣に座ると、チョッパーが耳打ちしてきた。
「ねえサンジ、今度の日曜日、街に買い物に行かない? 駅前のドラッグストアに、
おっぱいがおっきくなる薬売ってるんだって……」
「あぁ?」
「買って飲んでみない?」
「……いや、……いい。やめとく」
「ええーーッ? なんで? サンジも胸おっきくなりたいんでしょ?」
「……小さいのがいい時もあるんだよ」
そう、ロビン先生は小さな俺の胸を好きだって言ってくれるんだから……
この胸でも、ま、いっか……って。
「もう、ボクそんなの恥ずかしくて一人で買いに行けないよぉ!」
「うるせえなぁ、……わかった、ついてってやるよ、ったく」
その代わり買わないぞ、と釘刺した。
丁度その時チャイムが鳴り、水泳の授業は終わった。
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