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窓の外では相変わらず雨が降り続いていた。
俺は麦わらの胸を揉みながらピンク色の乳頭を口に含み、転がし、吸った。
「ああっ…、すっげ、イイ…」
麦わらの手が、俺の髪を掴んでいる。かかとがシーツをすべる音がする。
俺の大きな手に余る胸は白く、ゴム人間特有の弾力性が心地よい。
一体何人の男がこれにありついたのかと思うと、子供じみた嫉妬の念が沸きあがってくるのを俺は否定しない。頬を寄せ、飽きるほど堪能する。
「ケムリン、」
「麦わら、…後で、シャワーのときでいい。…してくれるか?」
「…何を?」
上気した顔が聞き返す。
「…いつものだ。お前のこの胸で、…俺のを、」
「ああ、…あれな。…いいよ」
ケムリン、あれ好きだよな、と麦わらが笑う。
この大きく柔らかい胸で一物を包み込まれ、擦られ、先端を舐められるのが俺は好きだった。
情けなくも直ぐに放ってしまう程だ。
約束を取り付けるといい加減で胸から離れ、もどかしそうに擦り合わせている両脚を開け、
肩に担ぎ上げる。
「ん、…」
麦わらには恥じらいの気持ちがまだあるらしく、恥部を覗き込む俺から恥ずかしそうに顔をそらす。
うっすらと、申し訳程度にしか生えていない恥毛の奥に、これもまた、一体何人の男を迎え入れたか知れない女陰が俺を待っている。何もせずともはみ出して刺激を待ちわびる小さな肉芽が、半透明の体液を吐き出し脈打つ淫口が、経験の多さを言外に物語っている。
「ん、舐めて…ケムリン」
目を閉じたままいうその声は、淫らで可愛い。
俺は頷き、望みどおりにはみ出した肉芽を舐めた。こいつが好きなのは、これだ。
「!…ああ…!」
あまりに直接的な刺激に、一瞬仰け反る。やめずに続けると、肉芽はどんどん膨らみ、
溢れてくる愛液が俺の顎を汚す。
「ん、ああ、ぅ…ん、」
喘ぐ声は消え入りそうだった。
麦わらは枕を抱え、与えられる快感に溺れ、更に深く深く追っていく。
その姿の何と淫らな、何と刺激的なことか。
「駄目、だぁ…イく…イっちゃう…あ、ああっ…」
舐め続ければ、肩に担いだ細い脚ががくがくと震えだした。麦わらは抱えていた枕を放り投げ、
俺の頭をぐ、っと押し付けた。
「…この淫乱め…」
そのあられもない姿に、直接何もしていない俺すら放ってしまいそうになる。
とどめとばかりに舌の動きをこの上なく細かく、激しく、深くした。
「あ・あ・ケムリン、イく…――…イくぅ…!」
大きく仰け反り、声を裏返らせ、―――――――麦わらは果てた。
いたわる言葉も間もなく俺は達したばかりの女陰に、既に限界ギリギリの己を宛がい、一気に奥まで貫いた。
「ん、ああっ・ルフィ、ッ!」
「ア・あぁぁあーーーッ!!」
達したばかりの敏感なそこに、更なる刺激。こんなときしか呼ばない、こいつの名前を呼び、
細い腰をつかんで力任せに引き寄せる。
ぐちゃ、と押しつぶすような音。密着した箇所からあふれ出る、麦わらの体液。
細い身体を抱え込み、両脚を、頭の横のシーツに付くほど折り曲げ、奥へ、もっと奥へと進んでいく。
普通の人間ならかなり無理な体勢だが、ゴム人間のこいつは平気らしい。
「ああ、奥…すっげ、奥まで来てる…!」
「ッ、…いいぞ、ルフィ…」
「ケムリン、…アアッ…!」
繋がったまま、貪るように口付けあい、腰を揺らす。
達したばかりの内部は俺自身を程よく締め付け、これに挿れた男たちはさぞや満足しただろうことは想像に難くない。
「んはぁ、っ…ああ…イイ…!」
「ルフィ、…ルフィ」
乱れ、壊れていく麦わらの淫らな、扇情的な顔。あどけなさを凌駕する女の色香。
あの日と同じ、香水の匂いがする。
このまま、何処かへ連れ去ってしまいたい。誰も住んでいない島へ。
そしてそこで、飽きるまでこうしていたい。
「ルフィ、…出すぞ、…っ、」
ぎしぎしとベッドが軋み、その音が俺たちのテンションに拍車をかける。
もはや、海軍大佐・白猟のスモーカーとしてこいつを捕らえるなど、俺には出来なくなっていた。
あの瞬間、麦わらが初めて俺に「女」の顔を見せた瞬間から、何もかもが、狂ったのだ。
海軍大佐の身分など、俺はもう執着しない。いつ棄ててもいい。
こいつと、こうしていられるのなら―――――…!
「ケムリン、ケムリン…出して…ッ!一杯ぃ…!!」
泣きそうな声を上げ、麦わらが俺にしがみつく。
「ア・ア・ッ、ルフィ、ルフィ…―――ッ…!!!!」
麦わらの体の一番奥で、俺は己の中に溜まっていた全てを放ち、脱力した。
「ッ、ハァ…」
「ケム、リ…ン」
放った後も俺たちは繋がったままいて、キスを繰り返した。
ふふ、と小さく笑う麦わらの顔に、中で萎えかけた俺の男がまた刺激される。
「…ケムリン、もっと、…して」
“あの日、ロークダウンで俺が麦わらを捕まえていれば。”
いや、…もう、考えても遅いことだ。今更、どうにもなることではない。
海兵としての信念など失って久しい俺が、考える資格などそもそもないのだ。
俺たちを待っているのが、破滅であれなんであれ、この関係は続くのだ。俺が麦わらを望み、
麦わらが俺を拒まない限り。
麦わらの前を出すものを出して通りすぎていった、名も覚えていないという数多い男の一人のうちに、
俺が入り<たくないと思う内は。
どんな形であれ、こいつにとって俺だけは「特別」でありたいと願う内は。
「ケムリン、…好き」
この小悪魔に、俺は惑わされ続けるのだ。
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