『ヒミツノハナゾノ(SIDE G・M)』


私とロビンはいつも一緒。
部屋は勿論、ラウンジでお茶を飲むときも隣同士。お風呂に入るときも一緒。
私がみかんを千切る側で、ロビンが本を読むのが日常。
ロビンが調べ物をする側で、私が航海日誌を書くのが日常。
『ロビンとナミって仲良いよな』
そんな私達を見て、この船のクルーは皆私たちのことをそういう。
その度に私達はこう答える。
『だって、この船に女は私達二人だけだもの』


そう、この船に女はたった二人だもの。
今までは男だけの中に女は私一人。結構心細かったの。
ビビは仲間ではあったけれど、どこかゲスト的なところがあったし、第一短い付き合いだったし。
それがロビンが来て、やっと本当に女の子二人になったんだもの。
仲良くして、悪いかしら?


女同士って便利よね。
どんなに仲良くしても、決して疑われないんだもの。
だってこの船の中、女は私達二人だけなのだから。

夜の海はとても静か。
二人っきりの女部屋。二つ並んだベッド。でも片方は暫く使っていない。
何でかって?
そんなの、愚問じゃない――――……??
衣擦れの音がする、薄暗い女部屋。
冷たい指が、私の肌を滑っていく。
「あ、ん……ロビンのエッチ……」
「あら、エッチなのは航海士さんの方じゃない……?」
狭いベッドの中、二人の女は生まれたままの姿になって絡まりあう。
毎晩、毎晩。
それが私達の習慣であり、日常であり、スキンシップだった。
「昨日の夜、私に悪戯をしたのは誰だったかしら……?」
「あれは……、ん、だって……」
ロビンの指は私の足の間に滑り込み、秘裂をなぞる。
「ッ……、あ……!」
軽く電気が背中を走り、仰け反ってしまう。
「だって、何?」
「あ、ッ……だってロビンが、可愛かったんだもの……」
昨日の夜、ロビンの寝顔が可愛くて……つい悪戯をしてしまった。
寝ているロビンの腕を後ろ手にハンカチで縛って、……小さな海楼石を結び目に差し込んだから、 ロビンは抵抗できなくて……。



『ああ……!! 航海士さん、駄目……!!』
『ロビン、可愛いわ……素敵よ』
抵抗できないロビンに悪戯を沢山した。下着の上からバイブを当てて何度もイカせ、 恥ずかしい格好をさせ、戒めを解いて欲しい彼女に、卑猥な言葉を口にさせた。
『こんな格好……恥ずかしいわ……』
手は後ろ手に縛られ、バイブを下の口にくわえ込み、私の大事なところを舐めながら。
恥ずかしさに目じりに涙さえ浮かべながらロビンは乱れに乱れた。
ロビンと共に何度絶頂を味わっただろう。シーツには洗っても取れないくらい、 二人分のの淫らなジュースが染み込んで……。


「乱れるロビン……可愛かったんだもの……ぅあ……ッ」
言い訳をする私に、ロビンがベッドに生やした沢山の腕が伸びてきて自由を奪う。



今夜、悪戯されるのは私の番。



女同士って便利。
だって身体は汚れないし、どんなに仲良くしていても疑われないんだもの。
性欲を抑えきれなくなる退屈な船の上、お互いに溜まったそれをぶつけ合うには格好の相手。



「こんな……恥ずかしい……いやぁ……!!」
ロビンの無数の手によって、私の身体は絡め取られた。
両足を広げさせられ、その間に何本もの手が伸びてくる。
クリトリスを、ヴァギナを、アナルまでもを弄られ、嬲られる。
穴という穴に入り込んでくる沢山の指、指、指。
勿論胸も……尖った先端を捏ね回す手。
「あら、航海士さんの乱れた姿も可愛いわ……ふふ、素敵よ……」
「あ、あああ……ッ、ふ、あ……、ん、あ……」
弾く様にクリトリスを虐め、入り口付近を徹底的に焦らしながら攻めてくる。
同時に胸を痛いくらい揉む。私の身体を一番知っている、ロビンならではの方法……。
「ロビン、……許して……」
言葉では許しを請いながら、本当はもっともっといじめて欲しいと思っているイヤラシイ私。
嗚呼、なんて恥ずかしい私の格好。
万が一あの跳ね板が開いて誰かがそこから覗いたら……。
隠すところなんて今は何もない。
恥ずかしいところを全て晒しているんだもの……!!
そう思うと、恥ずかしさに私は更に乱れ、快楽の深淵へとゆっくりと堕ちて行くのだった……。
「ああ、シーツをこんなに汚して……」
とろとろと身体の奥から流れ出る体液に、シーツはじっとりと湿っていた。
「航海士さん、可愛い……可愛いわ」
ロビンは嬉しそうに私を覗き込んでくる。
「可愛いあなたには、これをあげる……これでイキなさい……」
ベッドの下からロビンが出してきたのは、小さなローター。それも、3つも。
「3つくらい入るわよね……?」
「!!……ロビン……!!」
ロビンはスイッチを入れたローターを一つ一つ……広げた私のそこへと……。
「ア、ああーーーーッ!!!」
「ほら、入るじゃない……」
3つのローターは難なく私の中に入り、振動音をくぐもらせながら私の中で暴れだす。
「本当にエッチね、航海士さん……後二つくらい入りそうじゃない?」
「ひぃ……ッ……ロビン……あ、ああ、ッ……いい……!!」
恥ずかしい格好。恥ずかしいコト。
声を裏返らせ、私は乱れた。昨夜のロビンよりもまだいやらしく。
「さぁ、……仕上げよ」
ロビンが私の足の間に、顔を寄せてくる。
「ロビン……も、私……ッ」
「ええ、何度でも……イって頂戴……」
熱い、熱いロビンの舌先が、私のクリトリスにつん、と触れ、ちゅ、っと吸い取る。
「昨日のお返し……沢山してあげる」
「あ・あああ……ロビン……ロビン……!!」
「私の可愛い航海士さん……好きよ」
「私も……私もよ、ロビン……!!」
胎内で蠢く淫らな玩具。
女同士の禁断の関係。
すぐそこまで来ている、快楽の頂。
全てが重なり合い、……意識が、――――蕩けていく……。




今日も私とロビンは一緒。
私が海図を書く側で、ロビンが難しい本をノートに写している。
『仲いいよな、ロビンとナミ』
『ああ、女は二人だけだからな。女同士仲がいい、良いことじゃないか』
『いつも一緒だもんな』
クルー達のつぶやきはいつものこと。
そう、仲がいいのよ、私達。いつも一緒よ、私達。だってこの船に女は二人だけだもの。
とっても素敵なことよ……”女同士”って……。



 
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