『お祈りの時間(サンジ×ロビン)』




クソジジイは毎晩寝る前、海に向かって祈ってた。
「誰に祈ってるの?」
俺が尋ねると、ジジイはこう答えてくれた。
「海の女神にな。明日もバラティエが繁盛するように、ってな……」
馬鹿馬鹿しい、ガキの俺は思ってた。
幾ら海の女神に祈ったって、海上レストランでものを言うのはコックの腕だ。




海に向かって祈りをささげるクソジジイの姿、今でも覚えてる。
あの時、俺がもっと利口なガキで、敬虔な気持ちでもってジジイと一緒に祈っていたら。
海の女神の御加護で、もっと早くにロビンちゃんと出会えていただろうか。




「……サンジさん、何を祈ってるの?」
夜の甲板で、海に向かって祈る俺。
ラウンジから出てきたロビンちゃんに声を掛けられ、祈る手を解いた。
「ん、海の女神に。色々ね」
「色々って?」
「そうだなぁ……一日も早くオールブルーにたどり着けますように、とか……ロビンちゃんの夢がかないますように、とか。あとはそうだな、冷蔵庫泥棒がいなくなりますように、とかね」
「ふふっ……先の方はともかく、後の方はちょっと無理かもしれないわね」
「そうだね、流石の女神もね……あとそれから……」
「……それから?」




「ずっとロビンちゃんと一緒にいられますように、って」



「サンジさん……私も祈っていいかしら?」
「どうぞ、マドモアゼル」
そうして俺とロビンちゃんは二人で祈った。



海に向かって、いつまでも。





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