『スモーカーさんのいない日』






……スモーカーさんは数日前から出張の為、ロークダウンから遠くはなれた場所にいる。
本部で開かれる、とある重要な会議に出席するため。
仕事と分かりきっていても、それでも……。
私の身体は、寂しかった。



「たしぎ曹長、お先に失礼します」
「……お疲れ様です」
夕暮れの派出所の廊下で、夕方までの勤務を終えた海兵さんたちとすれ違う。
私の今日の勤務は夕方から。夜こそ海賊たちの動きは活発だから、警戒していなければならない。
夜勤続きで身体は少しだるいけど、スモーカーさんがいないからといって、油断して海賊を取り逃がすなんて失態は許されない。
日が暮れたら、私は港にある、夜市を巡回する予定。
海賊達が食料の調達に現れるのはいつもここが多いから。
勤務開始までにはまだ時間があり、私は派出所の一番奥にある執務室に入った。



そこはスモーカーさんの執務室。
スモーカーさんのデスクは数日前から綺麗なままで、この部屋の空気も心地よい。
普段なら、デスクの上の灰皿には葉巻の吸殻が山のように積まれ、空気はいつも白く濁っているのに。
可笑しくて、ちょっとだけ口元が緩む。
「……」
私はドアを閉めると、内側から鍵を掛ける。
ブラインドを下ろす手は、早くも震えていた。
「スモーカーさん……早く、帰ってきてください」
壁に手を突き、つぶやく声は、届かないと分かっていても。



スモーカーさんがいつも座っている革張りの椅子に座ると、 そこはスモーカーさんがいつも吸っている葉巻の匂いが染み付いていて。
「スモーカーさん、」
まるで、スモーカーさんがそこにいるようで……私の鼓動は早くなる。
シャツの上から、薄い胸を自分の手で弄ると。
「ぁ……」
零れる声。弄る手。……抑えられない。どちらも。



スモーカーさんの部屋で。
今ここにはいないスモーカーさんを思って、私は自分の身体を慰めた。
出張に行く前日の夜、私はスモーカーさんに沢山可愛がってもらった。
『俺のいない間の分もだ』とスモーカーさんは言って、何度も何度も可愛がってくれた……。
私が音を上げそうになるほど激しかった……でも、―――足りない。




締め切った室内は、じんわりと暑い……身体も、芯から熱い。
「ぁ、ぁ、……ぅ」
スモーカーさんの椅子に座り、脚を大きく開いて。
シャツの裾から手を入れて、薄い胸を弄った。
熱い身体は、自分の手でも敏感に反応する。
両の胸の頂点は、数日前にスモーカーさんに可愛がってもらって以来の刺激に過敏に反応し、 快感を素直に脳に伝える。
「……ん、んあ……」
声は抑えても切なく溢れて零れて……外に聞こえて嫌しないか、心の片隅でドキドキする。
もう片方の手でジーンズのジッパーを下ろして、その中に手を入れて。
「あ・……」
繁みの奥は愛液でじっとりと濡れていた。指で繁みを掻き分けて、存在を主張する赤い尖りに行き当たる。
その尖りを、指先で軽く弾くと……。
「っ、あああ…」
脳天を直撃する快感に、大きく仰け反る。
粘った音が、ジーンズの中から聞こえる。乱れる息とその音が混ざり合う。
「スモーカーさん……もっと……」
スモーカーさんに慰めてもらうことを頭の中で思い浮かべながら、私はその行為に耽った。
「ぁ……も、っと……」
今ここにはいない人を思い浮かべ、私は欲望のまま自分の身体を慰めた。



スモーカーさん、早く……帰ってきてください。
そして、満たしてください。私の身体を。



「スモーカーさん……ぁ……ぅ、く・……っ……ぁ……」



スモーカーさんの執務室でこんなことをする淫らな私を、叱ってください……スモーカーさんの身体で。









戻る

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!