雨の日の過ごし方




6月になった。
早いもので、あたしが下の海に落ちて2ヶ月半。
ゾロとあたしの住むこの小さな島国は今、梅雨っていうシーズン真っ最中。
一年のうちで一番雨が沢山降るんだって。
早い話が雨季ってことね。
その証拠に、テレビのお天気お姉さんが『梅雨に入りました』って言ったその日を境に、毎日のように雨は降っている。
正直雨は好きじゃない。 お洗濯物はなかなか乾かないし、お出かけは億劫だし、じめじめするし……。
ぶーたれるあたしにゾロは、雨の沢山降る梅雨ってのは、この小さな島国にはとっても大切な季節なんだと言う。
『雨だって悪いことばっかりじゃねえよ、ホラ』
ゾロはそう言って、雨の朝、下宿の庭に咲いている紫陽花を見せてくれた。
『わぁ、……綺麗……』
不思議な色のその大きな花は、確かに雨が良く似合っていた。
この花にお日様は余り似合わない。
静かに降る雨に濡れるその姿に、あたしはちょっとだけ、雨の日を好きになった。




「ねぇ、ゾロぉ……」
「あぁ?」
「……今日、どうするの?」
土曜の朝。大学もバイトもお休み。
晴れだったら、ゾロは大学の友達と草野球のはずだった。
けど、昨夜から…ううん、昨日の朝から雨は降り続いていて、それは今朝になっても止まなかった。
狭い玄関には大きなスパイクと古ぼけたバットがスタンバイ済みなのに。
窓の外は灰色で、バケツをひっくり返したような大雨が、ざかざか降っている。
午前6時半。まだ二人ともお布団の中なんだ。
ゾロは眠い目のまま、携帯をかちかちとやりながらメールってのを打ってる。
友達と連絡を取るのは、専らこの方法らしい。今日は中止なのかどうかのやりとりだって。
「……ん、やっぱ中止だってよ。また来週、だとさ……」
ゾロはぱちんと携帯を閉じ、それを枕元に置いて、うんっと伸びをした。
「……バイトも休みだしなぁ……することねえな、今日は」
「そうだね……」
お買い物に行くといっても雨だし、いつものスーパーが安いのは明日だし。
溜まりに溜まってた洗濯物は、昨日の午後にコインランドリーで片付けたし。



「あ……いや、ひとつあるな」
ゾロがぽん、と手を打つ。
「あるの?……なぁに……んっ?」
尋ねる前に、あたしの太股をパジャマの上から撫で撫でする大きな手。
「……ゾロ……」
ゾロの、手。
「ナニって、淫乱なお前の好きなこと……だろ?」
にやにやと、したり顔のゾロ。
もう、……この頃ゾロってば凄くエッチ。朝、あたしがぱくんをしなくても、自分からこんな風に 触ってくるようになって……ご飯を作ってても、後ろからお尻を触ったりスカートを捲ったりするんだ。
「んぅ……ッ」
覆いかぶさって、唇を重ねられる。良いとも悪いとも、聞く前に……。
口腔内に割り込んでくる熱い舌。当たり前のようにあたしの舌に絡んでくる。
「ぅふ……ん、ぐ……ッ」
口の中も、背中もどこも彼処も感じやすいあたしの身体をゾロは良く知っている。
手は太股をなでていたはずなのに、いつの間にかパジャマを引き摺り下ろして、 湿った場所をくちくち、弄っている。
背中がぞくぞくして……声も、いやらしい声になっちゃうよぉ。
「んぁああ…ゾロぉ、ッ」
ゾロの指は的確で、すぐにねちゃねちゃ、粘ったエッチな音がしてくる……。
「やっぱ淫乱だな、お前……朝からこんだけ濡れやがって……」
「ん、んん……ッ、だってぇ……」
だって、ゾロがエッチなんだもん。
いつの間にかパジャマは全部脱がされてて、熱く膨らんだ胸の先っぽは二つとも、つんと硬く尖っている。
ゾロはそれを見つけると、すぐにそれに吸い付いてくる。ちゅぅ、って。
「あ、ぃやぁ……ッ!」
じんじんと身体の芯から沸き起こる淫蕩……おっぱい、気持ちいい……。
ゾロはにやりと笑いながら、ちゅぅちゅぅ、強く吸い続ける。
「下、すっげぇことになってるぜ……ホラ、見てみろよ」
「ぅあ……ん、」
ゾロが布団を跳ね除ける。自分の下半身を見ると、あたしはゾロの指に悦んで腰をくねくねさせて……。
もう漏らしたみたいに太股までぐっしょり。
「あ・あ、あぁ、ッ」
「自分からよがって腰使ってんじゃねえか……」
「だっ・てぇ、ッ……あ、気持ち、いい……ッ!!」
「指にきゅうきゅう吸い付いて、抜けねえぜ?」
「あん、そんなぁ……」
そんなこといわれると、余計感じちゃうよぉっ。
内壁を強めに擦られると、身体の内側から痺れてくる……駄目、出ちゃう……!!



「潮吹いちまえ……オラ……ッ」
「あ・ああああっ・イク、ゾロ、イッちゃう、イ・ッ、イクぅっ!!!!!」
―――ぷしゅぅぅっ・……て。
音とともに、透明な飛沫があたしの足の間から…………出た。



「………ぁ……んぅ」
……余韻で、足ががくがく震えてる。
なんていやらしいんだろう、あたし。朝からこんなに、潮吹きしちゃって……。
ゾロの指はあたしを知り尽くしていて、何もかもが的確だった。
「やっぱ淫乱だな、お前」
ゾロは汚れた指をぺろっと舐めると、パジャマのズボンから熱い猛りを取り出す。
あたしの大好物の、ゾロの……おちんちん。上の口でいただきますをするのも、 下の口でいただきますをするのも、どっちも大好き。
「……ゾロぉ……ッ」
「そんじゃぁ一回目は……前から、いくぜ?」
まだ震える足を抱え込み、ゾロが正面から押し入ってくる。
「あ、ひっ……!!!」
ぶちゅ、って、ゾロのおちんちんが入ってくる音……すっごい、やらしいよ……。
「熱いよぉ、ゾロ……ぉ」
ゾロにしがみつき、もっと奥まで迎え入れる。
「中、滅茶苦茶いいぜ……やっぱ淫乱だな……ブラハム」
ゾロの顔が僅かに紅潮してる。声がかすれている。
「ゾロだって、すっごいエッチじゃない……」
「あぁ?……手前みてぇな淫乱と始終一緒にいてセックスしてりゃ、どんな堅物だって助平になるっつの」
「……そんなの、ずるいよぉ……」
あたしのせい? ゾロ、ずるい……でも確かに、あたしは淫乱……それも、どうしようもなく。
エッチなことが大好きで……おちんちんが大好物で……それから、それから―――……。



窓の外、雨は相変わらず激しいまま。
時折風が吹き、立て付けの悪いサッシががたがた音を立てる。
雨音はあたしとゾロの声を掻き消して、……だから、いつもより声を一杯、上げた。
「ゾロぉ、もっと頂戴、もっと、もっとぉ……!!」
ゾロにしがみつき、懸命に腰を振った。
いつもなら遠慮がちの声も、今日は雨音がかき消してくれるから……だから……。
雨の日も、いいかもしれない………。
「もっと突いてぇ、お願い、ゾロぉ…!!」
「ブラハム、……腰振れッ、啼け、オラ、ッ」
ゾロの顔からも、あたしの頭の中からも余裕が消える。
こんな時は、目の前にある快楽をただ貪りたいだけ貪るだけ。淫乱だって言われたって、構わない。
ゾロをエッチなオトコノコにしちゃったことも、否定しない。
だって本当だもん。淫乱だよ、エッチ、大好き。
「中、出してぇ、ゾロ、中に出してよぉっ!!!」
「あぁっ、この、ド淫乱……腹ン中、ザーメンで満タンにしてやらぁ……ッ!!!!」
「んぁ、っ、ひぃんッ……!!!」
「一番奥で、出して、や、るっ・―――……!!」



―――そして、あたしをぐちゃぐちゃにして。
何もかも、分からなくなるまで。
どうしようもない位、淫乱なあたしを。



ゾロの身体で、もっともっと気持ちよくして………。




「……あれ……?」
目が覚めると、ゾロの腕枕。やけに空気がすがすがしい。
頭を上げると、窓の外には切り取ったように青い空が広がってる。
「雨、上がったみてぇだな」
先に起きていたらしいゾロが、にっこりと笑う。
「天気予報じゃ今日一日雨だったけど……外れた見てえだな」
「うん、そうだね………あ」



虹だった。
青空の下、虹が架かっていた。
あたしは慌てて起き上がり、窓を開ける。
「わぁ……すっごい……綺麗」
なんて清清しいんだろう。
澄んだ空気の中、遠くビル群をまたいで架かるその七色の橋は、空にいた時は見下ろしていたもの。
「下の海で見る虹、あたし初めてだぁ……」
「そっか、……上にいる時に見るのと、こっちで見るのとどっちが綺麗だ?」
「そりゃ、こっちだよ。だって、全然おっきく見えるもん」
「……そうか、……良かったな」
ソロが、後ろからあたしを抱きしめる。
大きくて、温かい身体。
あたしは回されたゾロの手をぎゅっと握って、綺麗なその虹をずっと見ていた。
「……素敵」
「雨も、割といいもんだろ?」
「……うん、そうだね」
「雨が降るから、雨上がりが素敵なんだよ」



ゾロ、顔に似合わず結構ロマンチストなんだ。
「そうだね、……ゾロの言うとおりだね」



虹が消えても、あたしたちはそのままいた。
あたしは前よりも、雨の日がもうちょっとだけ、好きになった。







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