ルナミ「どうしても君を失いたくない」



海の上に暮らす海賊にも、その日は等しく来るんだとロビンは言った。
12月24日。クリスマスイブ。
その日がどんな日だなんて、俺にはよく分かんねぇ。
何の祭りなのか、どんな偉い人の誕生日なのか、そもそもその辺からしてよくわからねェし。
騒いで旨いモン食って、サンタクロースがプレゼントを持ってきてくれる、
そんな日なんだろ?っていったら、皆に馬鹿にされた。
「……クリスマスとは、キリストの降誕を祝う祭りのことよ。
古代、冬至に行われていた農業神や太陽神の祭りが、キリストの聖誕祭と結びついたと言われているの」
ロビンがそう説明してくれたけど、やっぱりよくわからねぇや。






……うまいもん食えて騒いで楽しけりゃ、なんだっていいじゃねえか。






灰色がかった闇夜から、白い雪が次々と降って来る。
キラキラと、雪の結晶はすっげえ綺麗だ。
クリスマスにはあと何日かあるんだけど、クリスマスのその日はチョッパーの誕生日だからってんで、こっちを先に祝うことにした。
祝い事はまとめてやらないのが、この船のルールだ。
乾杯をする回数も、ご馳走を食う回数も、なるべくなら多い方がいいだろ。
蜜柑の木をツリーに見立てて、皆で作った飾りを付けりゃ、立派なツリーが出来上がりだ。
「一年もあっという間よね、ホント。クリスマスが過ぎたら、もう年が明けるんだもの」
「そうだなぁ」
ナミと二人、甲板の階段に座って、降る雪で次第に白くなってく蜜柑のツリーを眺めた。
雪が降るときの寒さは格別で、空気は芯から冷えてる。
けれど決して嫌じゃないのは、音もしないのに降ってくる雪がすっげえ綺麗だから。
隣に座るナミを見る。鼻の先ちょっぴり赤くして、白い息ハーって吐きながら、ツリーを見てる。








いつからだろう、このオレンジ色の髪と、にぎやかな声と、ちょっと日焼けした肌が。
たまんねぇくらい可愛く思えて仕方なくなったのは。
ナミに、ルフィって名前呼ばれるたびにドキッと心臓跳ねる様になっちまったのは。
いつからだろう、ナミが隣に居ねぇと、尻の辺りがもぞもぞしちまうくらい、ナミが隣に居るのが当たり前になったのは。






キスしたり、抱き合ったり、ほっぺたつねったりするのが俺たちの日常になったのは。





「……なぁ、ナミ」
「ん?」
「いつかさ、俺が海賊王になったらよ……世界一のクリスマスツリーで、クリスマス祝おうぜ」
「……まぁた始まった、ルフィの壮大な計画」
ナミは笑って、そうねとだけしか言わない。
……俺いつも、海賊王になったらこうしよう、ああしようって何かにつけて言ってる。
「ルフィ、海賊王になったら、世界一の船を作るのも、世界一のウエディング・ドレスを私に着せてくれて、世界一の結婚式で世界一のダイヤモンドをプレゼントしてくれて、世界一のお肉を食べさせてくれるって前に言ったの、 勿論忘れてないわよね?」
「ああ、勿論忘れてねえ!」





そう、海賊王になったら。
世界一の船を作って、世界一のウエディング・ドレスをナミに着せて世界一の結婚式をして、……。
「んでよ、世界一のクリスマスツリーで、世界一のクリスマスパーティーやるんだ。ナミ、文句ねえだろ?」
「……はいはい、計画だけは今でも世界一だわ、計画だけならね」




……ナミ、さては本気にしてねぇな……?




「ナーミ」
名前呼ぶのと一緒に抱き寄せて、唇にキスをして。
「んっ、ルフィ……」
唇、やっぱ冷てぇな……頬っぺも、冷てぇ。
「コラ、ルフィ、皆出て来ちゃう……」
「いいじゃねえか、別に……」
ラウンジからは、夜のパーティーの準備をする皆の声が聞こえて、サンジの作るご馳走の匂いもする。
抱き寄せただけじゃ足りなくて、抱え込んで……舌絡めて、エッチなことをするときのキス……を、した。
「馬鹿、ルフィっ」
「ナミ、ちょっとだけ……」





――パーティーの夜は長ぇんだし。
今ちょっと位、いいじゃねぇか……。





「ん、ぁっ……」
セーターの裾から手、入れて。
温けぇな、この中は。……ふにゅふにゅしてる肌、大好きだ。
「ルフィ……ッ、……ん、っ」
ナミはオッパイ、すっげえ弱いんだ。
ほんわり揉んだら、すぐ蕩けちまう。俺の大好きな、やらしい声出して……。
寒い中、身体だけが火照っていく……どんどん、どんどん……。





――失いたくねぇって気持ちを、教えてくれたのはナミだった。
今もしも、俺の目の前にいるナミが消えていなくなったら……晴れた日の雪みたく、ふっと消えていなくなったら。
そんなの、絶対考えたくねぇ。
考えたくねぇくらい、目の前に、隣にいるのが当たり前だから……だから。





スカートの中に手ぇ入れて、タイツの上から……一番温けぇとこ、指でこすってやる。
「ルフィ、ん、…ぁ、」
ナミ、最初は嫌がってたくせに、いつの間にか俺にしがみついて、自分から腰摺り寄せてる。
「ナミ、ちょっとでいいから、イっちまえよ……」
蜜柑みたいな酸っぱい匂いが、そこからちょっとしてきた。
「ルフィ、や……あ、あ……駄目……ッ、も、あ、……ッ!」
降る雪が身体に積もるのも構わず。
「ナミ、声ちょっと落とせ……」
「あ、あ、……だって、あ……いや……っ……!」
ラウンジから聞こえる楽しそうな声と反対の、ナミのやらしい声。
段々大きくなっていく……タイツ越しに、俺の指がぐっしょりと濡れてきて……。





叫び声をあげそうなナミの唇、キスでふさいで。
「ルフィ、あ、ん、………ッ!!」
「ん……、」






ナミの身体、ビクっ、て一瞬跳ねて……。
―――キスしながらイッちまうの、ナミ、大好きだもんな……。








「……ナミ、世界一のクリスマスツリーって、どれくらいでかいと思う?」
「そうね、見たこと無いからわかんない……ルフィにまかせるわ」
少しだけ温まった身体を寄せ合い、さっきより一段と白くなったツリーを二人で眺めた。
「世界一の船で、世界一のクリスマスツリーの下で、世界一のウエディングドレス、着せてくれる?」
「ああ、勿論……」
世界一の肉は、世界一のコック……サンジに料理してもらうかな。
世界一のダイヤモンドとこの雪と、どっちがキラキラ輝くんだろう。






その時まで、いや、その後もずっと。
隣にいるナミを、俺はずっと失いたくねぇ。
楽しいことも何もかも、全部ナミと一緒がいい。
クリスマスツリーを見上げながら、俺は心からそう思った。







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