→メリー号男性陣ALL女体化。でも男サンジ語り。 あれ?
→同キャラ対戦。今回の女体化キャラクターズについては、意図的にキャラを崩しています。
 ぶっちゃけ、これはXXではない!という仕上がりになってます。
 
そこを楽しめる方以外は、わりと読まない方が無難かもしれません。

→カップリング、滅茶苦茶です。しかも妹萌え系?(あきとーは妹萌えではないです……)



「手作りチョコ(2) または手作りへの飽くなき挑戦」


「おにーちゃんのすかぽんたん! ばかばか、キラーイ、だいっ嫌い〜っ!!」
 き、嫌い……いや、可愛い妹の言葉といえど、今は傷つき倒れている時ではないのだ。
「なんと言われても、ダメ! お前が台所に立つのは許さねェっていつも言ってるだろ!」
 みるみるほっぺたがふくれあがって、涙目になって……く、心が動いてしまいそうだ。
 神よ! 俺に力をくれっ。
「ダ・メ!」
「ばかばかばかばか! もういーもん! 勝手にするもん!」
 ……よ、4回……いや、まあ友達といっしょならいいか。
 家庭科の授業でのアイツを見ていれば、よもや包丁を握らせるようなクラスメートはいねェだろ。
 ……いや、一応どこのお宅で「料理……と言うのはちょっとハバカラレる作業」をするつもりなのか、おさえといた方がいいかもしんねェな。なにしろ、湯を沸かせば吹き零れ、油を使えば炎上し、電子レンジを使えば爆発させる(いや、卵をだ、もちろん)類希な才能の持ち主だ。包丁は、切れてないか切りすぎるかのどっちかしかない。いつか絶対、指を落とすという危惧を抱いた俺とジジィは、揃って固ーく言いわたしてあるんだ。
 俺かジジィのいる前でなけりゃ、台所をつかっちゃイカンぞ、と。
 それほどまでに、俺の妹には料理の才能がなかった。


「とにかく、ゾロんとこの妹ちゃんが参加するのは間違いないよな」
 中学校になっても同じクラスで、大抵ツるんでるって話をよく聞くからな。
 見張っててもらえるようによーく頼んでおかねーと。
「(つるるーつるるーつる、がちゃ)あー、ロロノア」
「あーヘボ剣士か、実はちょっとお前の妹ちゃんを……」
「(がちゃん、つーつー)」
「(がきん)……あンのクソ野郎ッ!!(ぴぴぽぴ、ぽぽ)」
「(つるーがちゃ)……この番号は現在使われて……」
「うるせェすんませんでしたクソ野郎! 恐れ入りますがウチの妹に関して大事な話があるんで妹さんと替わっていただけませんかねコンチクショー!」
「……ち、しょうがねェな。オイ、そこのゲームやってる馬鹿」
「なんだよ馬鹿兄貴」
「サンジがお前ェに話だとよ」
「えっ……ちょ、ちょっと待っててもらって!(ばたんばたばたばたっ)」
「なんだ、なんだ?」
「着替えに行ったんだろ。風呂上がりに下着だけでゲームやってやがったからな、あの阿呆」
「下着!? み、見たのか手前ェ、殺すっ絶対ェブッ殺す!」
「どうってモンでもねェだろ、妹だぞ」
「馬鹿兄貴……なんか変なこと言ってなかっただろうなっ?」
「言ってねェよ、本当のことしか。ホレ」
「うるせェ、どっか行け。…………えっと、何のお話、ですかっ」
「あー、うちのがチョコ作るんだって息巻いてんだけど、何か知ってる?
 その……誰の家でつくるのか、とか、そういう話、出てる?」
「ああ、その話。作るのはルフィん家、一緒のメンツはオレとルフィとチョッパーとウソップ、監督についてくれるのはマキノねーさん、ターゲットはうちの兄貴」
「ありがとう……最後の情報は聞かないほうが幸せだったかもしれないけどね……」
 幼馴染メンバーが揃ってるなら、多分大丈夫かな……?
「あぁ……アイツは包丁にも火にも触らせねーから、安心して下さい」
「悪いけど、ホント、ヨロシクね! 今度お礼に差し入れ持ってくから! 季節柄、チョコクッキー作る予定が入ってるから、君の分もかならず取っておくからね〜v」
「え……作るの? もしかしてバレンタイン合わせで?」
「うん、楽しみにしててねv」
「う……うん…」
「オイ、代われ」
「わっ、何だ近くにいたのかお前」
「手前ェは、ちったァ物を考えて口動かせ。じゃあな(ガチャン)」
「(つーつーつー)…………うっわムカつく!!」
 よりによってあのアホにあんな事言われるとは思ってもみなかったぜコンチクショー!!
 しかも何が言いたいんだかよく分からねーし。


 とりあえず、妹の部屋を訪ねてみる。
 見かけによらず、頑固なトコがあって、一度スネたら部屋から出てこなくなっちまうんだよなぁ。なんとかご機嫌をとらねェと、明日の朝食も抜きかねない。普段から食が細いのに、そんなことしたら、体育の途中で倒れたり……めまいがして怪我したり、病気になったり、するかもしれねェじゃねえか!! ……いや、別に、一度や二度食事を抜いたからといって、そういう事態になったことが実際にあったわけじゃねーけどよ。
「おーい、お姫さま? 入ってもよろしいですか?」
「……くるしゅうない」
 ドアを開けると、タオルケットをかぶってベッドの上。
 ……まだ怒ってるなー。やっぱ。
「友達に電話で聞いたけど……」
 タオルケットのかたまりは、微動だにしない。
「自分で判断して、危ないことはしないなら、一回頑張ってみろ」
 ぴくんと、みのむしが反応した。
「本当に気をつけて、刃物や火に近づかないようにすること。
 ……他所様ン家で、迷惑かけるんじゃねェよ」
「おにーちゃん……」
 やっと頭を出して、ちょっとだけ目を赤くして、まるでうさぎさんのよーだぁv……ってそんなこと言ってる場合じゃねェっての。ここはひとつ、兄の威厳を見せて、だ。
「あれだ、お前ももう子供じゃねェんだし、そろそろ危険から遠ざけるばっかってわけにもいかねェだろ? ま、自分の不器用さを自覚してだな、己の分をわきまえるっつーか、相手の腹を壊すような代物を作ったり、台所を壊滅させたりしなけりゃ…………?」
 気のせいかな。タオルケットの中から覗く目が、やけに、こう怒っているみた…い、な……。
「………………そこまで言う……」
 うぐ。……地雷?
「おたんこなす! 変なマユゲ! 出てけぇ、ばかばかばかばかばかぁ!!」  マユゲは遺伝でてめーもだろッ……ていうか枕やらクッションやら、ぼすぼす投げつけられて、結局部屋を追い出されちまった。  それにしてもだなァ。

 5回も「ばか」って、言うこたァねーだろーがよ!


----2004.03.14. AKITOH. Sandy Sandy Site.----







同キャラ対戦!!
兄ちゃん同士がいい味出してますwそしてこんな妹だったらBも欲しい……(一人っ子です、はい)
バレンタインに苦悩するのは、女の子だけではなかったんですね。
あきとー様、サンクスです!


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