告 白


「好きだ…。本当は、ずっと前から、お前のことだけが好きだった」
 俺をきつく抱きしめ、耳元で熱っぽく囁いたヤツは、俺の答えを聞くよりも早く、強引に唇を塞いできた。
 ヤツの部屋のベッドに押し倒されて、俺はこのまま身を委ねるつもりだった。
 が、しかし!
 ヤツはあろうことか、俺を押し倒した格好のまま、スヤスヤと寝息をたてて眠ってしまったんだ!!
(冗談じゃないっ!)
 俺だって、一目惚れだった。何度告白しようと思ったか知れない。なのに告白できなかったのは、ヤツに女との
噂が絶えなかったからだ。
 自他とも認める女好きのヤツは、見かけるたびに違う美女を連れていて、俺が入り込む隙なんか全然なかった。
 それが今日、酔った勢いとはいえ、俺をここに誘って、告白、してくれて。
 今まで女と付き合ってきたのは、俺への欲望を処理するためだったとも、言ってくれて。
 飛びあがるほど嬉しくて、身体を許す覚悟だってしたのに!
 それなのにっ! 俺の決意をムダにする気かっ!?
 
 俺は、ベッドに寝かせたヤツの服を脱がし、その身体の中心を刺激した。
 そして、充分に猛ったそこに、服を脱ぎ捨てた俺はそーっと腰を落とした。
「うっ…くぅ…!」
 激しい痛みに、反射的にビクッと腰をひいてしまう。それでも、呼吸を落ちつかせてから、その痛みを長引かせな
いために、一気に腰を下ろした。
「アアッ…! くっ…」
 思わず悲鳴をあげた俺は、眠ったままのヤツの顔を見下ろす。
 俺の声で起きる気配はない。
 大きく息をつくと、下半身の痛みにわずかな快感が混ざりはじめた。
 俺の中に、熱く猛っているヤツがいる。確かに俺達は繋がっている…。
 夢じゃないことを確かめたくて、繋がっている部分に触れた。
「あっ…」
 無意識に腰に力が入り、ヤツのモノを締めつけた瞬間、激しい快感が俺の頭の中を痺れさせた。
「…んっ…ああっ…ふっ…」
 自分でも驚くほどの甘い声が、鼻から抜けていく。
 俺はいつのまにか、更なる快感を求めて、腰を上下左右に揺らしていた。
「いいか…?」
「んっ……いい…っ!」
 答えてから、下から聞こえた低い声と、自分の腰をしっかりと支えている両手に気づき、目をみはった。
 熱に浮かされたような瞳で、ヤツは俺を見つめていた。
 ヤツは身体を起こすと、呆けたままの俺をベッドに倒し、繋がったままで覆いかぶさってきた。
「オレがしようと思ってたこと、先にやりやがって…」
 悔しそうに呟いたヤツは、俺の片足を抱えあげ、さらに体積を増したものを、強引に深く突きさした。
「…やっ…ああっ…!」
「お前のこと好きだって、言ったよな?」
 ヤツはゆっくりと腰を引きながら、俺の耳元で言った。
「あ…んっ、……ん…っ」
「お前の気持ち、聞いてねーぞ」
 さらに、俺の中に入ってくる感触に、肌が粟だった。
「…あっん…っ……俺、も…、好きっ…」
 その言葉を証明するように、俺は、ヤツの首に両腕を巻きつけた。
「そうか」
 満足そうに微笑んだヤツは、深い口づけと、快感の絶頂をくれた。
 俺達の、心と身体が満たされた瞬間だった。


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