「自習時間」

 

ある日のこと。昼休みからヴァイオリンの練習に励んでいた日野香穂子は、完全に自分の世界に入っていた。その為、時間を忘れてずっと弾いていたのだが・・・・・
ふと香穂子は練習を止めて、現実の世界に戻った。それは満足した練習が出来たからなのだが、同時に時間のことを考えると、冷や汗を止められなかった。

「ど、どうしよう。もう完全に、午後の授業始まってる時間だよね?・・・うぅっ、遅刻覚悟で戻ろっかな〜?それとも、ここにいるべきかな・・・?」

香穂子はそう呟いてから、教室で自分の隣に座る人物のことを思い出した。それは常に香穂子に優しくしてくれる噂の転校生であり、今や香穂子の彼氏でもある加地葵だ。
葵は『香穂子のファン』と公言しているが、そんな葵に少なからず心を揺れ動かされた香穂子は、現在お付き合いする仲にまで進展している。正に葵と香穂子は彼氏・彼女の状態なのだ。
そんな葵に、自分がいないことでとてつもなく授業中に迷惑をかけているのではないだろうか?そう考えると、やはり香穂子は遅刻してでも戻らなければならないだろう。
だが、仮に葵が上手くごまかしてくれているとしたら?器用な葵のことだから、例えば『具合悪くて保健室で休んでます』などと言っているかもしれない。そんな中、教室に戻ったら葵の立場がなくなってしまう・・・・
そこまで考えて、香穂子は「うぅ〜、どうしよ〜・・・」と再び呻いた。一番の安全策は、やはりここにいることだろうか?
香穂子がそう思った、その時だった。香穂子の練習室のドアが、コンコンとノックされたのは・・・・・

「はっ、はい!どうぞ・・・」

誰だか分からなかったが、ノックされた以上答えない訳にはいかない。ドキドキして香穂子がドアを見守っていると、カチャッとドアノブを開けて入ってきたのは・・・・・

「良かったぁ。香穂さん、ここにいたんだね。」
「!葵くん!?ど、どうしてここに・・・!?」
「香穂さんの名前があったから・・・って、君が求めてる答えは違うよね。先生が突如欠勤してしまって、自習になっちゃったんだ。プリントとかも配られてないし、何するのも自由だったみたいだから、香穂さんに会いたくて。」
「・・そっか。そう、だったんだ・・・・良かった〜、ホッとしたよ〜。」

葵の口から『自習』という言葉を聞いた時、香穂子は極度の緊張の後の安堵の為か、ペタンとその場に座り込んだ。
だが、突然座り込んでしまった香穂子を見て、葵としては放っておける訳がない。慌てて香穂子のすぐ傍に行ってしゃがみ込んだ。

「香穂さん!?大丈夫?座り込んじゃって・・・」
「うん、大丈夫・・・ごめんね。ちょっとビックリしたのと、『自習』だって聞いたから安心しちゃって。良かった〜・・・・」
「・・そうだね。僕も良かった・・・こうして、香穂さんと2人きりでいられるから。」
「えっ!?あ、葵くん!?そ、それはぁ〜、ちょっと・・・!」

そういえば、この練習室はドアさえ閉めてしまえば完全に2人きりの状態だ。
今正にそのことに気が付いた香穂子が慌てて顔を赤くしてそう言うと、葵はニッコリ笑顔を浮かべてから、香穂子を自分の方に抱き寄せた。

「どうしたの?・・香穂さんは、僕とこうしてるの、いや?」
「えっ!?うぅん。その・・『いや』じゃ、ないよ。でも、すごくドキドキしちゃって、何も考えられなくなっちゃうから・・・」
「ふふっ。香穂さんったら、可愛いなぁ・・・ねぇ、香穂さん。キスしてもいい?」
「うん・・・葵くん、大好き。」
「僕も、香穂さんが大好き。」

そうして、2人の唇がゆっくりと重ねられた。誰よりも、何よりも香穂子を優先する葵らしい、決して香穂子を苦しめない優しく甘いキスだ。
チュッと小さく音がして、2人の唇がゆっくりと離れた。香穂子は葵に甘えたくて、つい葵の胸の中に顔を埋めてしまう。そんな香穂子を、葵は嬉しそうに抱き締めた。

「・・葵くんとこうするのって、お休みの日以来だよね。学校でも出来て、ちょっと嬉しい・・・」
「そうだね・・・でも、不思議だと思わない?こうして僕たちはずっと傍にいるのに、足りないって感じちゃうんだ・・・」
「あーっ!!それ、私も思う!!葵くんとこうしてるの、ずっと飽きなくて、もっとこうしてたいなぁって・・・」
「香穂さんもそう思ってくれてるの?嬉しいなぁ・・・ねぇ、香穂さん。そうしたら、こうするのってあり?」

葵はそう言うと、香穂子の長い髪をそっとかき上げて、耳朶に軽くキスをした。たまらず香穂子はビクンと反応してしまう。

「ひゃあっ!あ、葵くん!それはなし!」
「『なし』なの?でも、感じてたよね?」

葵は笑顔でそう言うと、今度は香穂子の耳朶を舌で軽く舐めた。葵の熱い舌をまともに感じて、香穂子は再び体をビクンと震わせた。

「ひゃんっ!あ・・っ・・・ダメ、葵くん・・・!」
「香穂さん・・・そんな可愛く『ダメ』って言われたら、もっとしたくなっちゃう・・・」

葵の唇は、香穂子の耳朶から首筋へといった。葵のしてくれることが少しくすぐったくて、同時に気持ち良くて、香穂子はつい反応してしまう。

「う、ん・・っ・・・!葵、くん・・・!」
「・・香穂さん。もう、抵抗しない?」
「!・・もう。葵くんはずるいんだから・・・」

葵にここまでされて、香穂子もその気だという手応えを葵は感じた。だが、敢えて香穂子に確認したかったのだ。
少し唇を尖らせて顔を赤くする香穂子は、何よりも愛らしい。そんな香穂子を見て、葵は笑顔を見せた。

「そんなことないよ。香穂さんがあんまり可愛いから、つい・・・・ねぇ。香穂さんの制服、脱がせてもいい?」
「えっ!?うっ。は、恥ずかしい、けど・・・あっ、待って!自分で脱ぐ!その方が、まだ恥ずかしくないから・・・・」

香穂子はそう言って、自ら制服を脱いだ。葵も香穂子にならって、ブレザーを脱いでからネクタイを取る。
さすがに香穂子は恥ずかしいのか、下着姿になってから、体を隠すように自らの体を抱き締めていた。顔を赤くして、おずおずと葵の顔を覗き込む香穂子は誰よりも可愛い。
葵にとって、香穂子は最初憧れだった。だが会いたいと願うようになり、今ではこうして彼氏の座を射止めている。
やっと手に入れた、大事な大事な宝物。そんな香穂子を見て、葵の心に火が付かない訳がない。そっと体を隠している香穂子の腕を下ろして、葵は優しい笑顔で香穂子を見つめた。

「や・・そんなに見ないで・・・恥ずかしい、から・・・」
「大丈夫だよ。恥ずかしがる香穂さんは、本当に可愛い・・・」
「葵くん・・・んっ・・はぁ・・あっ・・ん・・」

葵は、香穂子の唇に自分のそれを重ねた。それと同時に、香穂子のブラジャーのホックをそっと外す。
舌と舌を絡めて甘い快楽を感じると共に、葵は香穂子のやわらかい膨らみにそっと手を伸ばした。

「あぁっ・・・!」
「・・ここ、感じる?」

葵はそう言うと、香穂子のピンク色の胸の頂にそっと指を触れた。たまらず、香穂子はビクンと体を反応させる。

「んっ!感じる・・・!すごく、感じるよ・・・!」
「そう?なら、良かった。」

葵はそう言って、片手で香穂子の胸をやんわりと揉み、もう片方の手を下半身の方に伸ばしていた。その間に、香穂子の体へ惜しみないキスを忘れない。

「あんっ!葵、くん・・・!」
「・・あ。下着、少しだけ濡れちゃってるね・・・そんなに感じてたんだ、香穂さん。ふふっ、嬉しい。」
「うぅっ。だって、葵くんだから・・・」
「ありがとう、香穂さん。僕、本当に嬉しいよ。」
「葵、く・・ん・・う・・っ・・!はぁ・・あっ・・あぁん!あぁっ・・」

最後の下着を脱がして、葵は香穂子の秘所にそっと指を這わせた。最初から少し濡れていたが、直接葵が触れることで、更に濡れていくのを感じる。

「・・香穂さん、すごく濡れてるよ・・・気持ちいい?」
「あぁっ!うん、気持ちいい・・・!あっ・・あぁっ・・あぁん!はぁ・・ぁ・・あぁ・・っ・・!」
「・・・ダメだよ。そんなに大声出したら、聞こえちゃう・・・ね、香穂さん?」

葵はそう言うと、香穂子の唇にキスをしながら、胸の頂と下半身の頂を同時に攻めた。
香穂子の感じる全てに葵がいる。絡めている舌、触れられる秘所・・・・快楽を感じずにはいられない。

「ああぁぁっ!う・・んっ・・!あぁっ、ダ、ダメェ・・ッ・・・!そんなに、速くしたら・・ぁ・・!」
「どうなっちゃうの?僕に教えて・・・?」
「や・・あぁっ!あぁ・・っ・・!もう、ダメ!イっちゃう・・・!あぁっ!あ・・っ・・!ああぁぁーーーっっ!!」

香穂子の下半身は、すっかり泉のように濡れていた。更に、絶頂に達した後の香穂子の溜め息が非常に色っぽい。もう葵は、昂る自身を抑えることが出来なかった。

「はぁ、はぁ、はぁ・・・葵、くん・・・」
「香穂さん・・・僕も、一緒に気持ちよくなりたいな・・・入れてもいい?」
「うん・・だい、じょうぶ・・・」
「ふふっ・・ごめんね。いつもと違う場所だから、つい興奮しちゃった。香穂さんも、そうだったりする?」

葵は、素早く自身のそれにゴムを装着してから、香穂子の頬に軽くキスしながらそう聞いた。香穂子は顔を赤らめつつ、コクンと頷いた。

「うん・・興奮、しちゃった。今も、そうだよ・・・」
「・・・もう、本当に可愛いなぁ。香穂さん・・・僕、最高に幸せだよ。」
「葵くん・・・うん。私も幸せ・・・・だから、早く来てね。」
「香穂さん・・・!」

香穂子に求められている幸せ。それは、葵の心を癒すには十分すぎた。
ただでさえこうして香穂子と一緒にいるだけで幸せだというのに、これ以上香穂子は自分を喜ばせてどうする気なのだろうか?
自分がどんどん貪欲になっていくのを感じながら、葵はゆっくり香穂子の中に入っていった。
香穂子の中にいる・・・それだけで葵は嬉しすぎて、絶えてしまいそうだ。
だが、香穂子と一緒に気持ちよくならなければ意味がない。何とか達しそうなのを堪えて、葵は完全に香穂子の中に沈んだ。

「んっ・・・!葵、くんの・・おっきくて、熱い・・・!」
「あ・・ごめんね。ひょっとして、痛い?」
「うぅん、大丈夫。でも、すごく葵くんを感じる・・・どうしてだろ?やっぱり、いつもと違うから?」
「そうかもね・・・香穂さんの中も、いつも以上に熱い感じがするよ?」
「うっ。や、やっぱり、そうなんだ・・・何か、ちょっと恥ずかしいかも。」
「ふふっ・・・香穂さん。僕、大好き。そんな香穂さんが大好きだよ。」

何度言っても足りないこの想い。だが、言わなければもっと足りなくなってしまう気がする。だから、葵は香穂子を強く抱き締めてそう言った。

「葵くん・・・うん。私も、大好き。葵くんが大好き。」

香穂子も葵に答えるようにそう言って、葵を強く抱き締めた。
互いの気持ちを改めて伝えた所で、そっとキスをする。つながっている2人を止めるものは、何もない。

「香穂さん・・・!」

キスを終えてから、葵は香穂子の名前を小さく呼んで、ゆっくりと動き出した。それは、すぐに速いものになる。

「あっ・・ああぁっ!はぁ・・ん・・・ああぁっ!」
「く・・っ・・・香穂、さん・・・!」
「ああぁっ!気持ち、いいよ〜・・・!もっと、してぇ〜・・・!」
「うん・・・!」

香穂子の中からあふれる蜜。その中を速く行き来する葵。ただそれだけの行為なのに、どうしてこんなにも気持ちよくなれるのだろう。
好きで好きでたまらなくなると、余計にその気持ちよさは膨れ上がる。もう、何もいらない。ただ香穂子とこうしていられれば、他には何も・・・・・

「あぁ・・っ・・!ああぁぁっ!あ・・っ・・・ん・・!ああぁぁっ!」
「・・ふふっ・・・香穂さんの中は、本当に気持ちいいね・・・好きだよ、香穂さん・・・!」
「んっ・・・!葵、くん・・・!私も、好き・・・!あっ!ああぁ・・っ・・!や、速いよ〜!はぁ・・あぁっ・・・!」

香穂子と1つになった喜び。こうして香穂子と一緒にいるだけで達してしまいそうな自分を必死に律していた葵だったが、自然と香穂子が葵を締め付けてきたことで、こうしていられるのも時間の問題のようだ。

「っ・・香穂、さん・・・!ごめん・・・!僕、もう我慢出来ない・・・!」
「う・・ん・・っ・・!私も、葵、くん・・っ・・・!ああぁっ!もう、ダメェ・・・!!」
「はぁ・・っ・・!香穂、さん・・・っ・・!!」
「あっ!ああぁっ!ん・・ああぁぁーーーーーーっっ!!」

葵と香穂子が絶頂に達したのは同時のことだった。葵をきつく締める香穂子の中。その膜越しに、葵は熱い液を放つ。
時間にしてみれば、ほんの数分の出来事。だが、それは2人の愛を確かめ、強めるには十分だった。
交わされる熱く甘いキス。感じる体温。それだけで、互いを感じられて嬉しかった。

「・・香穂さん、気持ちよかった?」
「うん。葵くんは?」
「ふふっ。もちろん、気持ちよかったよ・・・それにしても、残念だな。もう、香穂さんと離れなければならないなんて・・・僕、もう少しだけ香穂さんとこうしていたい・・・」
「葵くん・・・うん、私も。ずっと、傍にいてね?」
「もちろんだよ、香穂さん・・・」

こうして、2人はつながったまま唇を重ねた。すぐにそれは、舌と舌を絡めるディープなものへと変わる。その間に、葵の下半身がビクンと動くのを香穂子は感じた。

「んっ!あ・・葵、くん・・・動いた?」
「うん・・・香穂さんとキスしたから、感じちゃった。」
「えっ!!そ、そうなの?」
「ふふっ。香穂さんったら、そんなに驚かないで。それとも、不思議?」
「うん・・・男の子の体って、謎だらけだよね。」
「そうかな?・・僕にとっては、女の子の方が謎だらけだよ。取り分け香穂さんのことなら、もっと知りたいって思うもの。」

葵はそう言うと、ようやく香穂子の中から抜け出した。それまで下半身に感じていた葵のそれがなくなり、香穂子は少し寂しく思いながらも、仕方ないと分かっていた為、特に葵に何を言うこともなく、手早く処理をしている葵にそっと抱き着きながら、小さな声で言った。

「・・ありがとう、葵くん。これからも、よろしくね。」
「・・そんな。僕の方こそ、ありがとう。そして、これからもよろしく。香穂さん・・・」

こうして葵と香穂子は見つめ合って、再びキスをした。
まだ次の授業まで時間はある。香穂子と一緒にいる幸せを感じながら、葵は香穂子を優しく抱き締めるのだった・・・・・・・・・

 

END.






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