「決断」 雨が静かに降る日の午後。王女・スピカは読書を中断すると、ハンカチを取り出して目に当てた。 「ウゥッ。何て、切ないお話なんでしょうか・・・・せっかく結ばれたのに、愛する人と離れ離れになってしまうなんて・・・・」 スピカが読んでいたものは、城の中にある図書館から借りてきた悲恋小説である。 「ウゥッ。レグルス、さん・・・・!私たち、ずっと一緒ですよね・・・・?こんな風に、引き離されたりしたら・・・私、は・・・・!」 そう考えるだけでスピカは悲しくなってしまって、泣くことしか出来なかった。天気も、スピカの悲しさを象徴するかのように雨音が若干強くなったような気がする。 「・・レグルスさんに、会いに行きましょう。お仕事中かもしれませんが・・・お顔を見る位なら、許されますよね。」 スピカは自分を納得させるようにそう言うと、涙をきっちりと拭いてから立ち上がり、部屋を出た。 「あの、すみません。お邪魔します・・・・」 一瞬練習室の空気が静かになったのだが、スピカの姿を認めた途端、その場にいた者たちは全員、スピカの前に跪いてお辞儀をしたり敬礼をしたりした。 「あっ・・すみません!皆さんの練習を妨げるつもりはなかったので、どうぞ続きをなさって下さいね。」 こうして、再び練習室に掛け声や熱が戻ったのだが・・・・見渡してみた感じ、どうやらレグルスはいなさそうなことに気が付いた。 「あ、姫様だ。」 そう、スピカの方にゆっくり歩いてきたのはスピカの親衛隊員の1人・青い長い髪と背の高さが印象的な美男・ミザールであった。 「ん・・・バザーの時以来、か?」 確かに、スピカがここに来る用事の1つとしてそれが含まれることもある。しかし今回は違う為、スピカは首を横に振った。 「いえ。実は、レグルスさんを探しに来たんです。」 ミザールのボケは今日も爆発中である。ミザールは「うぅ〜ん・・・」と考えていたが、その後ポンと手を打った。 「・・思い出した。国王様に呼ばれて、玉座に行ったような気がする・・・・」 スピカが驚いてそう言うと、ミザールは少し首を傾げた。 「・・よくあることだけど・・・そんなに不思議だったか?」 スピカは一度だってそんな話をレグルスからはもちろん、父親からも聞いたことがなかった。その為、非常に驚いてしまったのだ。 「あぁ・・・レグルス、国王様のお気に入りだから。」 ミザールに改めてそう聞かれると恥ずかしいが、スピカはコクンと頷いた。 「はい、そうです・・・・」 ついのろけてしまったスピカだったが、ミザールはそんなスピカを温かく優しい瞳で見つめた。 「・・姫様やレグルスを見てると、恋愛っていいなって思う・・・・」 スピカがそう尋ねると、ミザールは静かに目を閉じた。 「・・・いない。片思い、だから・・・・」 スピカがそう言うと、ミザールは目を開いて微かに笑った。 「・・姫様・・・俺のこと、勇気付けてくれるんだな。ありがとう・・・・」 こうしてミザールと別れたスピカだったが、その心は温かくなって、悲しみはほぼ払拭されていた。 「・・レグルスさんが、お父様と仲が良かったなんて知りませんでした・・・・ウゥッ。でも今そこに私が行ったら、お父様がどう思うでしょうか?レグルスさんも、ビックリしちゃいますよね。ここは1つ、何か話題を作ってから行かないと・・・・」 そう思って考えてみたものの、厳格な父親を前にすると話すことさえためらわれてしまう。レグルスはすごいなぁ、などと思いながらスピカが「うぅ〜ん、どうしましょう・・・・」と深く考えていた、その時だった。突然スピカの視界が真っ暗になったのは。 「キャアアァッ!!あ、あの、これは・・・・!?」 こんなに色っぽくスピカの耳元で甘く囁く男性は1人しかいない。スピカはドキドキしながら、その答えを言った。 「レ、レグルスさん・・・・」 視界が開けたかと思うと、スピカの愛する恋人であり、親衛隊長のレグルスはチュッとスピカの耳朶にキスをした。スピカが「あっ!」と高い声を出すと、レグルスはウインクして人差し指を口の前で立てた。 「いけないね、姫君は。そんな声を他の男が聞いたら、どうするんだい?襲われてしまうよ?」 スピカは顔を真っ赤にしてレグルスに精一杯の勢いで抵抗してみた。だが、レグルスは面白そうに笑うだけである。 「アハハハッ、そうだね。謝るよ、スピカ・・・それより、どうしたんだい?こんな所にぽつんと立って、考え事でもしていたのかな?」 スピカが顔を真っ赤にしてそう言うと、レグルスはそのままスピカを抱き締めた。 「ありがとう、スピカ・・・それじゃあ、今日は私の部屋に来るかい?」 レグルスはそう言うと、スピカの手を取って軽くキスをすると、そのままエスコートする形で歩き出した。スピカもそれに甘えて、レグルスに導かれるまま歩いた。 「・・そういえば、おまえは私に話したいことがあると言っていたね。何かな?」 スピカがそう尋ねると、レグルスは少し驚いた表情を見せた。 「おや・・・?それは、誰から聞いたのかな?スピカ。」 スピカが顔を俯かせながらそう言うと、レグルスは心配そうにスピカを見つめた。 「・・聞きたくないことなら、無理しなくていいんだよ?スピカ。」 ここまでスピカに沈痛な表情をされると、レグルスとしても心が痛い。せっかく2人きりになって抱き合っているというのに、スピカはどうしたのだろうか? 「スピカ・・・・どうしたんだい?私とこうしていることが、不満?」 スピカが驚きながらそう尋ねると、レグルスはいつも通り余裕の微笑を浮かべた。 「あぁ。おまえは、その婚約者について、どう思っているのかな?」 せっかく手にした本当の恋を失いたくなかった。スピカがレグルスのことを強く抱き締めると、レグルスもそれに応えて強く抱き締めてくれた。 「スピカ・・・そんなに恐れなくていいよ。私たちは、ずっと一緒だから・・・ね?」 レグルスがそう言うと、本当に大丈夫のような気がしてくる。 「ウゥッ・・・ウッ!でも、レグルスさん・・・・!」 レグルスは優しくスピカにそう言うと、スピカの唇に自分の唇をそっと重ねた。そしてスピカを安心させるように、スピカの頭を優しく撫でる。 「あぁっ!」 レグルスが甘くそう囁いてくれるだけで、スピカは何倍もレグルスを感じてしまいそうだ。 「あ・・っ・・!ん・・・」 スピカの胸の頂を、レグルスは優しく転がした。それだけでスピカの中に甘い痺れが体の中を駆け抜ける。 「う・・ん・・あぁっ!ん・・あっ!気持ち、良いです〜・・・!あっ、あぁっ!」 レグルスがそれを口に含み、強く吸い付いてチュッとキスをした。それと同時に、スピカは下半身が濡れるのを自分でも感じていた。 「あっ!レグルス、さん・・・!」 レグルスがスピカの下着をそっと脱がし、とうとうスピカが全裸になったと同時に、レグルスはスピカのそこにそっと触れた。既にスピカのそこは泉のように、愛液が沢山流れ出ていた。 「ひゃあぁっ!う・・ん・・・ダメ・・ェッ・・・!」 レグルスはそう言って指でスピカのそこをやんわりとかき混ぜた後、スピカの足を広げて泉の中央部分・花芯にチュッとキスをした。 「ああぁっ!や・・っ・・あぁっ!そ、そこ、は・・・あぁん!」 レグルスはそう言って、すぐに自らの服を脱いでスピカの中に入り込んだ。レグルスの大きくなっているそれは、スピカのトロトロとあふれ出てくる愛液によってあっさりと受け入れられる。 「あ・・っ・・レグルス、さん・・・・!やっと、一緒ですね・・・・」 レグルスがスピカを抱き締めた後、腰を動かした。いつもは徐々に腰を動かすペースを速くしていくレグルスだが、今日は初めからそのスピードが速かった。 「・・っ・・・スピカ。今は、私だけを感じてね・・・・!」 ソファの上で2人は強く抱き合い、互いに腰を動かした。感じる快楽はより一層強く2人をつなぐ。 「・・スピカ・・・私だけの、姫・・・!絶対に、離さないよ・・・・!」 レグルスはそう言って、スピカの最奥を何度も突いた。スピカは何も考えることは出来ず、ただ快楽に身を任せるしかなかった。 「あっ!ああぁん!ああぁ・・っ・・!ああぁん!あぁっ・・・ダメ・・ェ・・・!イッちゃう・・・・!!」 スピカが絶頂に達したと同時に、締め付けが一気にきつくなった。レグルスも同時に絶頂に達し、スピカの中からそれを抜いて自らの性を放出する。 「ん・・・?スピカ?」 愛する恋人に顔を赤くしながらそう言われて、誰が否定出来よう。レグルスはスピカの頬に軽くキスをして微笑んだ。 「もちろんさ。それは、おまえだけの特権だよ。」 そうして、2人は再び熱い口付けを交わした。舌を絡め終えてから、互いに見つめて微笑み合う。 END. |