「あなたと私の記念日」

 

昼下がりのある日のこと。スピカは隣にいる愛する男性・レグルスに1つの質問をした。

「あの、レグルスさん。今日、何の日かご存知ですか?」
「おや?どうしたのかな?スピカ。突然そんなことを尋ねてくるなんて・・・・おまえの誕生日は、まだだよね?」

年齢よりも大人びた言動、色っぽい魅力ある美男・レグルスは突然の質問に少し驚きながらそう答えを返した。
スピカはレグルスがこの日のことを覚えていないのかと少し悲しくなりつつ、それを表に出さないように努めてコクンと頷いた。

「はい、私の誕生日はまだですけど・・・・そうではなくて。今日は、その・・特別な、日で・・・・」

顔を赤くして恥ずかしそうにするスピカを見て、レグルスは1年前の今日に思考を巡らせた。

「特別な日か・・・あぁ、おまえと初めて付き合った日だったかな?」

余裕の微笑を浮かべて答えを出したレグルスに、スピカは嬉しそうに笑顔でコクンと頷いた。

「良かったです。レグルスさんが覚えてて下さって・・・・」
「フフッ・・1年か。もっと、ずっと長く一緒にいた気がするね。」
「そうですね・・・・ですけど、今でもレグルスさんと一緒にいることが、私には信じられないんです。」
「おや?どうしてかな?」

レグルスとしては、スピカのこの発言が意外だったようだ。驚くレグルスを見て、スピカは恥ずかしそうにしながらもポツポツと喋った。

「その・・・レグルスさんは本当に素敵で、とても魅力的で、一緒にいるだけでドキドキしちゃって・・・・それに、いつも色んな女の方と仲良くされているレグルスさんなので、私はいらないんじゃないかって、不安に思ってても・・レグルスさんが優しくして下さったので、嬉しくて・・・・あっ、これじゃあまとまってないですね。すみません!あの、私はレグルスさんと一緒にいることが出来て、本当に嬉しいんです。」
「スピカ・・・・ありがとう。私も、おまえが傍にいてくれることが一番の幸せだよ。」

レグルスはそう言ってスピカの腰を抱き寄せたかと思うと、もう片方の手でスピカの顎に手をかけ、軽く持ち上げさせた。レグルスと見つめ合ったことで、スピカは一気にドキドキしていた。

「レグルスさん・・・・」
「おまえを不安にさせてしまってごめんね。でも私の一番はおまえ以外にいないから、心配しなくていいよ。花のように・・いや、それ以上に可愛いスピカ・・・・誰よりも愛しているよ。」
「レ、レグルスさん・・・!あ、あの、私もです・・・・」

そうして2人の顔が近付き、唇が重なった。照れて顔を赤くしているスピカを見て、レグルスは余裕の微笑を浮かべる。

「・・そんな無防備な顔をされると、襲いたくなってしまうね。」
「ええぇぇっ!?あの、レグルスさん!?」
「アハハハハッ!冗談だよ。あぁ、それより・・・何か記念になるものをおまえにプレゼントした方がいいかな?間に合わせのもので申し訳ないけど・・・・」

あまり冗談に聞こえない発言だとスピカは内心思いつつ、レグルスが懐から何かを取り出そうとしていることで、何が出てくるのだろうかとドキドキして見守っていた。
間もなく、レグルスは金色の鎖でつながれたコンパクトのようなものをスピカに差し出した。意外に重いそれを受け取ったスピカは驚いて尋ねる。

「あの、レグルスさん?これは・・・・」
「懐中時計さ。ロケットにもなるものでね・・・私の宝物の1つだよ。」
「えぇっ!?そそっ、そんな!レグルスさんの宝物を、私がもらってもいいんですか!?」

慌てながらそう聞くスピカを見て、レグルスは当然と言わんばかりの余裕の笑みを浮かべた。

「もちろんさ。これからも、私と一緒に時を刻んで欲しいからね・・・・」
「レグルスさん・・・・あの、ありがとうございます!ですけど、私・・レグルスさんへのプレゼントを用意していなくて・・・・」
「フフッ・・おまえ自身がプレゼントになってくれていいよ?」
「そ、それは遠慮します!」

真っ赤になってそう言うスピカを見て、レグルスは楽しそうに笑った。いつでも余裕のレグルスにスピカは全く勝てないな〜、と思いながらレグルスのことをちょっぴり恨めしそうに見つめる。
そんなスピカを見たレグルスは笑うのをやめて口を開いた。

「・・スピカ。私はね、おまえがこうしていてくれれば、他には何もいらないよ。」

レグルスはそう言って、スピカの手の甲に軽くキスを落とした。キザっぽい言動を平気でするレグルスとこうして1年付き合ってきたスピカであったが、未だにこのようなことに慣れない。

「あ・・あの、はい。レグルスさん・・・・」
「どうしたのかな?スピカ。そんなに顔を赤くしてしまって・・・フフッ。もっとキスして欲しいのかな?」
「えぇっ!?ち、違います!!」
「違うのかい?ショックだね。もっとおまえと触れ合っていたいのに・・・・」

それまで余裕だったレグルスだが、スピカに否定されたことが本当にショックだったようで、一気に悲しそうな表情になった。レグルスにそんな顔をされるとスピカは弱い。慌ててまくし立てた。

「あっ、あの!その、違うんです!レグルスさんにキスはして欲しいんですけど!えっと。は、恥ずかしくて、ちゃんと返事が出来なくて・・・・」
「スピカ・・・・フフッ。本当におまえは可愛いね・・・恥ずかしいなら、誰も来ない、2人きりになれるベッドルームで続きをしようか。」

レグルスは余裕の微笑でもってそう言い、スピカを立たせた。スピカは両手で、レグルスからもらった懐中時計を大事そうに持ってコクンと頷いた。

「あの・・はい。レグルスさん・・・・」
「いい子だね、スピカ・・・・じゃあ、行こうか。私とおまえの時間は、まだ始まったばかりなんだからね。」

レグルスは、スピカが懐中時計を持っている両手を片手で包み込んでそう言った。
それから2人は軽くキスをして、ゆっくりとベッドルームへ行って至福の時を過ごしたそうな・・・・・・

 

END.






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