ラグリア商事は常に平和な空気が漂う会社である(笑)しかしそんなラグリア商事には、時に嵐がくることもあるのだ・・・・・・・・・

 

 

昼休み。社内で唯一寛げる時。22歳という若さで課長に大抜擢されたレグルスはお昼休みを有効に使い、ゆっくりとソファーに座り、少し遠くにある窓から見える景色を見て心身を休ませていた。
足を組んで座っているレグルスを見て、女性社員はそのカッコ良さに黄色い悲鳴を上げる者も何人かいたりした(笑)レグルスは背が高く何をしてもカッコイイので、またそれがサマになっているのである。レグルスはそれを余裕の微笑でもって返し、とてもご満悦そうにしている。
そうしてレグルスが羽伸ばしをしている時、タタタタッとレグルスの元に駆けてきた1人の女性がいた。

「レグルス課長〜!!」
「ん・・・・?おや、スピカ?」

そう、それは入社1年目にして男性社員の人気を集めている、レグルスの最も愛する女性・スピカであった。

「あっ・・課長。今何かされてましたか〜?あの、その・・もしよろしければ、お傍にいても・・いいですか?」

と、顔を赤くしてそう言ったスピカを見て、レグルスが断る訳などない。

「フフッ、もちろん構わないよ。さぁ、私の胸に飛び込んでおいで。」

とレグルスは言って両腕を広げる。スピカは最初恥ずかしそうにしていたが、すぐに何かふっきれたようで「はい!!」と返事をして、スゴイ勢いで(笑)レグルスに抱き着いた。
スピカだってレグルス課長のことが大好きだった。今一番傍にいたかった人だから。そうして勢いでレグルスに抱き着いたのはイイのだが・・・・・・

「のわっ!?」

あまりにスピカの抱き着く勢いがすごかったので、気が付けば・・・・・スピカがレグルスを押し倒してしまっていた(笑)

「あっ・・か、課長!!え、え〜っと、私、その・・・・・あの・・・・」
「ス、スピカ・・・・・」

お互いに驚いてしまって頭がパニックを起こしていた。何だかうまく体も動かなくて、そのままの体勢で少し沈黙が広がる。

「そ、その・・・こ、こういうのって・・・私、え〜っと・・慣れてなくて、その・・・・」

いや、慣れていたらそれはそれで怖い(笑)スピカはまだパニックを起こしていたが、さすがにレグルスはここで何とか落ち着きを取り戻したようだった。

「フフッ、構わないよ・・・むしろおまえにこうされるのは、悪くないね・・・・」
「!か、課長・・・・!」
「あぁ、でも普通は逆なんだよ?そう、こうだね・・・・・」

とレグルスは言って、器用に自分の体の位置を変えて、一瞬の間にスピカを優しくソファーに押し倒してしまった(笑)

「!レグルス課長・・・・!」
「あぁ、可愛いね、スピカ・・・・フフッ、どうしようかな?このまま、おまえを食べてしまおうかな・・・・?そういえば、今日私はお昼のデザートを食べていなくてね〜・・・・おまえがその代わりになってくれるかい?」
「!!レ、レグルス課長・・・!!あ、あの、その・・私は・・・・・」

顔を真っ赤にしてとても恥ずかしそうにしているスピカを見て、レグルスの心に火が付く(笑)もう社内だろうが何だろうがレグルスはどうでも良くなってしまっていた。今ここでスピカを手に入れられるのなら・・・・・・!!(笑)
レグルスがスピカの顎に手をかけた、正にその時だった。

「こぉうらーーーーーー!!!スーパースペシャルハイスピードキーーーーーーッック!!!」

ドカバキッッ!!!

「うごわーーーーーっっ!!グヘッ・・・・・・」
「イヤ〜ン!!スピカちゃん大丈夫〜!?」
「あ・・アルビレオ、さん・・・・!?」

そう、割り込んできたのはレグルスの姉で、社長秘書をしているアルビレオであった。
レグルスはアルビレオのキックをまともにくらって、ソファーから転げ落ちてしまっていた。非常にみっともない格好である(笑)

「ってか何なのよあんたーーー!!ここどこだと思ってんのよ!?それにあんた、嫌がるスピカちゃんを無理矢理襲おうとしてなかった〜?ったくも〜う・・・これは、キッッチリ社長に言いつける必要があるわね。場合によってはあんた解雇だから。」
「!!待った姉さん!!まずは人の話を聞いてくれないかい?」
「ぬぅわーーんであんたの話なんか聞く必要があるのよ!?立派なセクハラじゃないのーーー!!スピカちゃ〜ん、こんなヤツ早々に訴えちゃってイイんだからね〜?こいつに死刑求刑しま〜す!」

と言ってアルビレオはビッと手を上げる。だがさすがにスピカがそんなアルビレオを止めた。

「あ、あの、待って下さいアルビレオさん!その、これは・・違うんです!その・・・・」
「えぇ〜っ?別にこんなヤツかばわなくてイイんだよ〜?スピカちゅわ〜ん。まぁそりゃスピカちゃんとコイツってばとっても仲イイことは分かってるけどさ〜、だからといって別にそんな必要は・・・・」
「ん・・・・・?何をしている?レグルス。そなた・・・何という格好をしているのだ?」
「!!義兄さん・・・・!」

そう、偶然にもそこを通りかかったのはこのラグリア商事の社長・ラグリアと、ラグリアの飼い猫・ミャウであった。

「あっ!!しゃっちょーー!イイ所に!!聞いてよ〜!!レグルスってばさ〜、スピカちゃんのコト襲おうとしてたみたいなのよ〜!?ここどこだと思ってんのかって全く〜・・・・不謹慎すぎるわよね〜。」
「・・・襲おうとした、だと・・・・?」

アルビレオから話を聞いて、ラグリアの眉がピクンとつりあがる。

「ち、違うんです義兄さん!!誤解です!!」
「ぬぅわ〜にが誤解よ〜!!あたしはしっっかりスピカちゃんへの口説き文句まで聞いたのよ〜!?デザートがどうこう・・・・」
「・・何・・・!?」
「ギャーーーーーーッッ!!!姉さんそれは言わなくていいから!!!」
「あっ、あの、その!!レグルス課長はその・・違うんです!!本当に誤解です!!」

と、珍しくスピカが声を荒げてそう言ったので、3人とも一気に黙り込んだ。

「その・・本当に、違うんです・・・元はといえば、私が悪いので・・ですから、課長は本当に悪くなくて・・・・」
「スピカちゃん・・・・本気で、コイツかばうの・・・・?」
「あ、あの、アルビレオさん・・・かばうとか、そういうのじゃないんです・・・・本当に、私が悪くて・・・ですからその・・お騒がせしてしまいまして、すみません!!レグルス課長にも・・すみません・・・私のせいで、こんなことになってしまって・・・・」
「いや・・そんなことはないよスピカ。社長・・・私からも、すみません・・・・今後はこのようなことがないように精進致します。」

そうして、レグルスとスピカが揃って頭を下げたのでラグリアは冷静になって考えた。

「・・ふむ・・・・連帯責任、か・・・・ならば良かろう。今回のことに関しては見逃す。それで良いな?ミャウ。」
「ミャ〜ッ!」

と、ラグリアに抱えられた子猫のミャウが返事をするかのように鳴いたので、ラグリアはコクンと頷いた。

「良い、アルビレオ。今回の件に関しては、2人とも反省しているようだ・・・これ以上詮索することはない。」
「えぇ〜っ?でも〜・・・・」
「構わぬ。ミャウがそう言っているのだ・・・・あぁ、後5分で仕事に入る。各自持ち場に着くように。以上だ・・・・では行こうか、ミャウ。アルビレオ、そなたもだ。」
「ミャ〜ッ!!」
「は〜いよ〜。ったくもうしょうがないな〜・・・・」

そうしてラグリアはミャウと共にコツコツと靴音を立てながら去っていってしまった。何だか全ての決定権がミャウにある感じがするのは・・気のせいではないような気がしないでもないが(笑)社長がそう言った以上、社長秘書としてアルビレオは何とも言えない。ブツブツ文句を言いながらアルビレオもラグリアに着いていった。
残されたレグルスとスピカは2人の後ろ姿を見て呆然としていたが、その姿が遠く小さくなってからレグルスはスピカに向き直った。

「・・・悪かったね、スピカ・・・・おまえに謝らせてしまって・・・・ごめんね・・・・」
「そ、そんなことないです!!本当は、私が悪いんですから・・・・」
「・・・スピカ。でもね・・・・私は、おまえを・・本気で襲おうとしていたよ?」
「えっ!?」

そんなことを耳元で低く甘く囁かれてしまっては、心臓の鼓動が高鳴ってしまう。一気にスピカの心臓の鼓動は早く高く鳴り出した。

「フフッ・・・それはまた、いずれ、ね・・・・じゃ、持ち場に着こうか。ほら、早くしないと遅れてしまうよ?」
「あっ、はい!!そ、その・・・・レグルス、課長・・・・・」
「ん?何だい?」
「あの・・・・・その時は、どうぞよろしくお願い致します。」

と言ってスピカは頭を下げてお辞儀した。顔を上げたスピカの顔は真っ赤であったが、とても可愛い笑顔であった。
そんなスピカを見てしまってはレグルスの残り少ない理性が切れてしまいそうだったが(笑)何とか持ちこたえ、職場に戻ったのでした!!

 

 

・・・・あら?またヲチなし?ってか続く!?(滝汗)ってかこれ続くとしたら、間違いなく18禁いっちゃいそーなんですが・・・・・(爆)

 

 


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