「久しぶりのデート」

 

初夏の少しジリジリした暑さを感じる今日この頃。世間も認める一條家のお嬢様・一條寛美(いちじょうひろみ)はドキドキしながらお迎えを待っていた。何のお迎えかと言うと・・・・?

「今日は、2週間ぶりに貫さんとお会いするんですよね。昨日からドキドキしちゃって、ちょっとだけ寝不足ですけど・・・・不思議ですよね。貫さんのことを考えるだけで、こんなにドキドキしちゃうなんて・・・・やっぱり、貫さんのことが好きだから・・でしょうか?」

寛美の言う「貫さん」とは、花邑貫(はなむらとおる)のことである。寛美より4歳年上の貫は、誰よりも格好良くて頼りになる恋人だった。
常に色っぽくてワイルドな貫の周りには沢山の女性の影がちらついていたが、寛美と付き合うようになってからは大分少なくなったようだ。完全になくなってないことが寛美としては不安だが、それまで貫と縁のあった女性からすると「前より付き合いが悪くなった」らしいので、貫の寛美への愛情は本物だと見て良いのだろう。
それに寛美は疑いをかけるようなことをしたくなかったし、常に自分の為に動いてくれる貫には感謝していた。今日もわざわざ車で迎えに来てくれる・・・・自分の為に何かしてくれるということが、寛美にとっては嬉しいことだった。

「もう少しで貫さんに会えます・・・・私、変じゃないでしょうか?ウゥッ、今頃になって不安になってきました。笑顔の練習しておきましょうか・・・・?」

寛美がそう呟きながら笑顔を浮かべてみたその時だった。1台の真っ赤なスポーツカーがこちらに向かって走ってきたのである。そう、その真っ赤なスポーツカーこそ寛美が待っている人の車だった。

「あっ・・・!」

車は寛美の前にピッタリと止まり、すぐに運転席から1人の男性が出てきた。
スタイル抜群の長身。日本人なのに金髪とサングラスがよく似合う男前。ワイルドな中に独特な色気を持っている彼・・・・寛美は彼の姿を認めたことで、先ほどより胸がドキドキと高鳴った。

「よぉ、お嬢。久しぶりだな・・・元気だったか?」
「はい!貫さん。お久しぶりです!私は元気ですよ〜。貫さんもお元気そうで何よりです。」
「あぁ・・・・フッ。お嬢は常に良い洋服を着ているな。その純白のワンピースは新調したのか?」
「えぇ。この間頼んで作ってもらっちゃいました!」
「そうか。お嬢は何を着ても似合うが、取り分け白はお嬢に合う気がするな。」

貫に、しかも大好きな恋人にそう言われて嬉しくならない訳がない。寛美は最高にウキウキな状態になりつつ、照れながら返事をした。

「は、はい。あの、ありがとうございます・・・」
「お嬢・・・参ったな。顔を赤くしている君はデンジャーだぜ?」
「えっ?」
「キスしたくなる・・・・いいのか?お嬢。」

いつの間にか貫は寛美との距離を詰めていて、寛美が気が付けば、貫の顔は寛美の顔のすぐ間近にあった。更に貫がスッとサングラスを外したことで、貫の美形な顔が寛美の視界に入ってくる。

「えっ?ええぇぇっ!?とと、貫さん!?どうしたんですか!?突然、そんな・・・・」
「イヤか?お嬢。」
「えっ!?いえ、嫌ではないですけど・・・・」
「『けど』?何か問題でもあるのか?」
「ウッ・・貫さん。少しは人目を気にしましょうよ〜・・・・」

そう、ここは外。人通りがそんなに多い訳ではないが、時々歩いて行く人や自動車が往来する所だ。寛美が懇願するような表情でそう言うと、貫は微笑んでからスッと寛美の前から身を引き、サングラスをかけた。

「お嬢がそう言うなら仕方ないな。じゃあ、お嬢。俺の家に行こうか。そこでたっぷり、今の続きをしようぜ?」
「と、貫さん。それって、あの・・・」
「・・君を抱かせてくれ。いいか?お嬢。」
「貫さん・・・・はい。」

寛美はドキドキしながらも返事をした。貫に求められていることが素直に嬉しかったが、それより先に照れと恥ずかしさが出てしまい、返事をすることで精一杯だった。
そんな寛美の姿は貫にとって純粋に、そして誰よりも愛しく映ったのだった。

 

束の間のドライブを楽しんだ2人は、貫の家に到着した。貫の家はマンションの中にある一室で、1人暮らしにしては2LDKと広いスペースで余裕がある。

「お邪魔しま〜す、貫さん。」
「あぁ・・リビングはこっちだ。そこのソファに座っていいぜ・・・お嬢は何を飲みたい?」
「えっ?そんな、貫さん。お構いなく・・・」
「気にするな、お嬢。俺の家は、お嬢の家でもあるんだぜ?」

サングラスを外した貫に見つめられながらそう言われると寛美は弱い。ドキドキしながら、ソファに座る前に寛美は軽くお辞儀をした。

「ありがとうございます。じゃあ、お水で・・・・」
「『お水』?ハハハハッ!お嬢らしいな。」

貫は前髪をかき上げながら声を上げて笑った。貫の笑顔が見れたことは寛美としても嬉しいが、まさか笑われるとは思っておらず、寛美は嬉しさより驚きが先に出た。

「えぇっ?そんな、貫さん。私らしいって・・・・」
「あぁ、悪い意味じゃないぜ?君のその飾らない素直な所が、俺は本当に好きなんだ・・・・君の最大の魅力と言っても過言じゃない。」

貫はそう言うと、寛美のすぐ隣に座り込んで、寛美の顔と頭にそれぞれ手を置いた。寛美は急に貫との距離が近くなったことでドキンとしながら貫を見つめた。

「あっ。貫さん・・・・」
「お嬢・・・」

他の人に「お嬢様」とか「お嬢」と言われても嫌味としか思えなかったが、不思議と貫に「お嬢」と呼ばれて嫌な気持ちはしない。むしろ自分の本当の名前を呼ばれた時のように嬉しくてドキドキしてしまう。それだけ貫のことが好きなんだと寛美は改めて確信していた。
2人の顔は更に近くなっていき、唇が自然と重ねられた。最初は唇だけのキスだったが、2回目のキスは舌を入れた濃厚なものになっていた。

「ん・・・っ・・・ん・・・!」
「フッ・・ようやく、君とキス出来たな。」
「と、貫さん・・・・」
「悪いがお嬢、飲み物は後回しだ。俺は飲み物では満たされない渇きがあってな・・・・何か分かるか?」

貫に抱き締められながらそう言われると答えが分かる気がするものの、いざ認めることが恥ずかしくて、寛美は顔を赤くしながらちょこんと首を横に傾げた。

「えっ?あの、貫さん。それって、答えを言わなきゃダメですか?」
「ハハハハッ。恥ずかしいか?お嬢。」
「ウッ・・そうですね。ちょっと恥ずかしいです・・・・」
「フッ・・恥ずかしがらなくていい。そんな君が、俺を満たしてくれるんだぜ?」
「貫さん・・・・あの。私も、貫さんとこうしてご一緒出来ることが一番嬉しいです。2週間って、とても長くて・・・・ずっと、貫さんにお会いしたかったです。」

貫にばかり愛を囁かれるのは気が引けて、寛美も自分の気持ちを告白した。それまで自分がどれほど貫のことを想っていたか、どれだけ自分が貫を好きか分かって欲しくて・・・・

「あぁ、お嬢・・・俺も君に会いたかった。そして、こうして抱き締めたかった・・・・」
「貫さん・・・・!」

2人は強く抱き合い、三度唇を重ねた。寛美は貫の舌を感じているだけで溶けてしまいそうだった。それほど貫とのキスは甘くて熱くて、体が疼いてしまうのが自分でも分かる。
それから貫は寛美の耳や首筋、鎖骨にキスをしていった。貫に何かされるだけで感じてしまい、寛美はビクンと身を震わせた。

「あんっ!貫、さん・・・!」
「お嬢。君の全てにキスしたい・・・」

貫はそう言うと寛美のワンピースをゆっくり脱がしていき、ブラジャーも取り外して直に寛美の胸に触れると、桃色の頂に唇を落とした。たまらず寛美は声を上げてしまう。

「あぁっ!ダメ・・・!」
「フッ・・どうした?お嬢。珍しく反抗か?」
「ウッ。貫さんの、イジワル・・・!」
「そんな風に言われると、もっといじめたくなるな・・・・」

貫はワイルドに微笑んでそう言うと、完全に寛美の服を脱がして寛美の体のあちこちにキスしていった。その度寛美は感じていき、既に下半身の疼きはピークに達していたが、貫はなかなか触って欲しい所を触ってくれなかった。
一通り寛美の上半身にキスした貫は、寛美の太腿の方にキスしていく。一番触って欲しい所に近くはなったが、これは明らかにじらされているようだ。貫の言う『いじめ』とは、どうやらこのことらしい。

「あっ・・ん!貫、さん・・・!やぁ・・っ・・・!」
「ん・・・?どうした、お嬢。そろそろ素直になるか?」
「ム〜ッ・・貫さんってば、本当にイジワルさんです・・・・」
「フッ・・むくれないでくれ、お嬢。いじめて悪かった・・・・お嬢が欲しいのはこれだろう?」

貫は優しい微笑を浮かべてそう言うと、寛美の下腹部に軽く手を触れた。それだけで軽い水音がしたのと同時に、寛美の中に甘い旋律が駆け抜けていく。

「あぁっ!」
「お嬢。もうこんなに濡れてるぜ?いやらしい体だな・・・・」

貫はそう言うと、優しい指使いで寛美のそこをかき回した。何より欲しかった快感を得ることが出来て、寛美はゾクゾクと貫の指を感じていた。

「あっ・・あぁっ!あぁ・・ん・・・!あぁ・・っ・・・ごめん、なさい・・・!」
「フッ・・謝らなくていい。俺の為だろう?エッチな女は好きだぜ?」

貫はそう言うと、更に寛美の花芯を攻め立てた。寛美は貫にピッタリくっつきながらも、もっと感じたくて自然と脚を広げてしまう。

「あぁっ!あ・・っ・・・ああぁっ!あぁ・・っ・・・!」
「お嬢・・・・」

貫は自分のすることに乱れ、感じている寛美の体に更にキスしていった。既に寛美のそこは泉のように蜜があふれているが、更に貫と激しく舌を絡めるディープキスをした時、寛美は完全に快楽の中に溶け込んでいくような錯覚を感じていた。

「ん・・・!ふ・・う・・ん・・っ・・!ああぁっ!あぁ・・っ・・!あぁん!はぁ・・ぁ・・っ・・貫、さん・・・!」
「お嬢・・・俺も、君と一緒に感じていたい。入れてもいいか?」
「ん・・はい、貫さん。私も、貫さんと一緒にいたいです・・・・!」

寛美にそう言われて貫は安心したようだ。すぐに服を脱ぎ捨て、手早く避妊の用意を済ませると寛美の中に入っていく。泉のようにあふれていた寛美のそこは、大きくなっていた貫でもちゃんと受け入れることが出来た。

「あっ!貫さん・・・・!」
「フッ・・君の中は熱いな。火傷しちまいそうだ・・・」
「は、はい。貫さんのも、熱いです・・・!」
「そうだな。君のことを考えるだけでこうなるぜ?」
「もう。貫さんのエッチ・・・・!」
「ハハハハッ。否定しないぜ・・・取り分け、君との時は尚更だ。」

貫はそう言うと、ゆっくり腰を動かしていった。そんなに速くないのに、寛美の中で更に快感が支配していく。

「あっ・・あぁっ!貫、さん・・・!」
「お嬢。もっと感じたいか?」
「はい・・・・!」
「いい返事だ・・・・じゃあ、一気にいこうか。」

そう言うと、貫は先ほどの倍以上のスピードで一気に腰を動かした。貫にそれを出し入れされるだけで、寛美のそこはますます濡れて感じていく。

「ああぁっ!ああぁ・・っ・・!ああぁん!あ・・っ・・あぁ・・っ・・・!」
「はぁ・・っ・・お嬢。気持ち良いか?」
「ん・・っ・・はい!気持ち、いいです〜・・・!あぁっ!ん・・・ああぁっ!」
「っ・・・・お嬢。好きだ・・・君が好きだ・・・・!」
「貫、さん・・・!私も、貫さんが好きです・・・・!」

2人は互いに愛を確かめ合うと、ディープキスをしながら互いに腰を動かした。2人の舌は貪欲な獣のように複雑に絡まり合い、下半身のつながりもディープになっていく。

「ん・・っ・・はぁ・・っ・・!ああぁっ!ああぁん・・・あぁっ!」
「あぁ・・お嬢・・・君の中は、最高に気持ち良い・・・!こんなに濡れて、俺の前でだけ見せる、お嬢のその艶っぽい顔が・・たまらなく愛しいぜ・・・・!」
「ああぁん!貫、さぁん!ああぁっ・・・!あぁ・・っ・・・あぁん!もう、ダメ・・・!イくぅ〜!!」
「!・・っ・・・はぁっ。きついな、お嬢・・・俺も、一緒にイくぜ・・・!」

2人は互いに絶頂の波がくることを感じていた。そして2人は同時にピークに達したことで息遣いを荒くしていたが、目が合うと2人は自然と笑顔を見せて、ゆっくりその唇を重ねた。

「貫さん・・・・」
「お嬢・・・やっぱり君は最高だ。ますます惚れちまいそうだぜ?」
「貫さん・・・私も、もっともっと貫さんを好きになっちゃいそうです・・・・」
「君に好かれるなら大歓迎だ。君さえ傍にいてくれるなら、俺は全てを君に尽くそう。」
「貫さん、嬉しいです・・・・私も、貫さんの為に一生懸命頑張ります!」

そんな会話を交わしながら、情事を終えてからもピッタリくっついていた2人だったが、寛美がふと思い出したように呟いた。

「・・・貫さん。私、喉が渇いちゃいました・・・・」
「ん・・・?あぁ、そういえばお嬢のリクエストは水だったか?」
「はい。でも、不思議ですよね。こうして貫さんのお傍にいるのに、まだ足りないなんて感じちゃうなんて・・・・」
「フッ・・お嬢も、俺と同じ『渇き』を知ったか?何なら、もう1度してもいいんだぜ?」

貫に色っぽく耳元で囁かれると、寛美はあたふたしてしまう。貫の誘惑に惑わされてはいけないと思い、寛美は逸る気持ちを抑えて貫を見た。

「もう、貫さんったら。私の場合は、そこまで重症じゃないです・・・」
「本当か?じゃあ、これからしなくていいのか?」
「ウッ。そ、それは・・・して、欲しいです・・・・」

貫の突っ込みにあっさりと折れた寛美を見て、貫は面白そうに声を上げて笑った。寛美は恥ずかしくて仕方なかったが、貫とこうしていられることが何より嬉しかった。
久しぶりに恋人と過ごす時間は、互いに何より貴重な時間になった。今度はそんなに間を空けずに会いたいと思いながら、寛美は貫に寄り添ったのだった・・・・・

END.






























えぇ〜、この度は「久しぶりのデート」と題しましたこちらのお話を見て下さいましてありがとうございました!
ミヤミドはこの度ノベルアンソロジー「百人一集」でお世話になったILOVEYOU-COMPANY様の元でお仕事させていただくコトになりまして、その際サンプル作品を提出せねばならなかったんですね〜。んで「作家登録記念」と勝手に記念化しまして(爆)このお話を書き下ろしたとゆーワケです。
元々別館で連載していた2人のこのお話でしたが、都合によりとりやめてしまったんですよね〜、申し訳ございません(汗)
とゆーワケで2人のコトをもう少し詳細にお話致しますと、貫君はカリスマ美容師さんとして大活躍中!!の25歳男性です。
一方の寛美ちゃんは21歳で、グランドホテルの娘って設定になってます。
別館で見ていただいた方は分かると思うのですが、この2人の出会いはゲーセンだったんですよね〜。んでまぁ、初めて会いながらお互いに一目惚れしまして、そのまま付き合うコトになります。
今回のお話はそれから大分間が経った時、という風に想定して書かせていただきました。やはりあの〜、恋人同士の会話は楽しいと思えますね〜。
都合により連載は取りやめてしまいましたが、これからも機会があれば、この2人のお話を読みきりで書きたいなぁ、と思います!


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