「久しぶりのデート」 初夏の少しジリジリした暑さを感じる今日この頃。世間も認める一條家のお嬢様・一條寛美(いちじょうひろみ)はドキドキしながらお迎えを待っていた。何のお迎えかと言うと・・・・? 「今日は、2週間ぶりに貫さんとお会いするんですよね。昨日からドキドキしちゃって、ちょっとだけ寝不足ですけど・・・・不思議ですよね。貫さんのことを考えるだけで、こんなにドキドキしちゃうなんて・・・・やっぱり、貫さんのことが好きだから・・でしょうか?」 寛美の言う「貫さん」とは、花邑貫(はなむらとおる)のことである。寛美より4歳年上の貫は、誰よりも格好良くて頼りになる恋人だった。 「もう少しで貫さんに会えます・・・・私、変じゃないでしょうか?ウゥッ、今頃になって不安になってきました。笑顔の練習しておきましょうか・・・・?」 寛美がそう呟きながら笑顔を浮かべてみたその時だった。1台の真っ赤なスポーツカーがこちらに向かって走ってきたのである。そう、その真っ赤なスポーツカーこそ寛美が待っている人の車だった。 「あっ・・・!」 車は寛美の前にピッタリと止まり、すぐに運転席から1人の男性が出てきた。 「よぉ、お嬢。久しぶりだな・・・元気だったか?」 貫に、しかも大好きな恋人にそう言われて嬉しくならない訳がない。寛美は最高にウキウキな状態になりつつ、照れながら返事をした。 「は、はい。あの、ありがとうございます・・・」 いつの間にか貫は寛美との距離を詰めていて、寛美が気が付けば、貫の顔は寛美の顔のすぐ間近にあった。更に貫がスッとサングラスを外したことで、貫の美形な顔が寛美の視界に入ってくる。 「えっ?ええぇぇっ!?とと、貫さん!?どうしたんですか!?突然、そんな・・・・」 そう、ここは外。人通りがそんなに多い訳ではないが、時々歩いて行く人や自動車が往来する所だ。寛美が懇願するような表情でそう言うと、貫は微笑んでからスッと寛美の前から身を引き、サングラスをかけた。 「お嬢がそう言うなら仕方ないな。じゃあ、お嬢。俺の家に行こうか。そこでたっぷり、今の続きをしようぜ?」 寛美はドキドキしながらも返事をした。貫に求められていることが素直に嬉しかったが、それより先に照れと恥ずかしさが出てしまい、返事をすることで精一杯だった。 束の間のドライブを楽しんだ2人は、貫の家に到着した。貫の家はマンションの中にある一室で、1人暮らしにしては2LDKと広いスペースで余裕がある。 「お邪魔しま〜す、貫さん。」 サングラスを外した貫に見つめられながらそう言われると寛美は弱い。ドキドキしながら、ソファに座る前に寛美は軽くお辞儀をした。 「ありがとうございます。じゃあ、お水で・・・・」 貫は前髪をかき上げながら声を上げて笑った。貫の笑顔が見れたことは寛美としても嬉しいが、まさか笑われるとは思っておらず、寛美は嬉しさより驚きが先に出た。 「えぇっ?そんな、貫さん。私らしいって・・・・」 貫はそう言うと、寛美のすぐ隣に座り込んで、寛美の顔と頭にそれぞれ手を置いた。寛美は急に貫との距離が近くなったことでドキンとしながら貫を見つめた。 「あっ。貫さん・・・・」 他の人に「お嬢様」とか「お嬢」と言われても嫌味としか思えなかったが、不思議と貫に「お嬢」と呼ばれて嫌な気持ちはしない。むしろ自分の本当の名前を呼ばれた時のように嬉しくてドキドキしてしまう。それだけ貫のことが好きなんだと寛美は改めて確信していた。 「ん・・・っ・・・ん・・・!」 貫に抱き締められながらそう言われると答えが分かる気がするものの、いざ認めることが恥ずかしくて、寛美は顔を赤くしながらちょこんと首を横に傾げた。 「えっ?あの、貫さん。それって、答えを言わなきゃダメですか?」 貫にばかり愛を囁かれるのは気が引けて、寛美も自分の気持ちを告白した。それまで自分がどれほど貫のことを想っていたか、どれだけ自分が貫を好きか分かって欲しくて・・・・ 「あぁ、お嬢・・・俺も君に会いたかった。そして、こうして抱き締めたかった・・・・」 2人は強く抱き合い、三度唇を重ねた。寛美は貫の舌を感じているだけで溶けてしまいそうだった。それほど貫とのキスは甘くて熱くて、体が疼いてしまうのが自分でも分かる。 「あんっ!貫、さん・・・!」 貫はそう言うと寛美のワンピースをゆっくり脱がしていき、ブラジャーも取り外して直に寛美の胸に触れると、桃色の頂に唇を落とした。たまらず寛美は声を上げてしまう。 「あぁっ!ダメ・・・!」 貫はワイルドに微笑んでそう言うと、完全に寛美の服を脱がして寛美の体のあちこちにキスしていった。その度寛美は感じていき、既に下半身の疼きはピークに達していたが、貫はなかなか触って欲しい所を触ってくれなかった。 「あっ・・ん!貫、さん・・・!やぁ・・っ・・・!」 貫は優しい微笑を浮かべてそう言うと、寛美の下腹部に軽く手を触れた。それだけで軽い水音がしたのと同時に、寛美の中に甘い旋律が駆け抜けていく。 「あぁっ!」 貫はそう言うと、優しい指使いで寛美のそこをかき回した。何より欲しかった快感を得ることが出来て、寛美はゾクゾクと貫の指を感じていた。 「あっ・・あぁっ!あぁ・・ん・・・!あぁ・・っ・・・ごめん、なさい・・・!」 貫はそう言うと、更に寛美の花芯を攻め立てた。寛美は貫にピッタリくっつきながらも、もっと感じたくて自然と脚を広げてしまう。 「あぁっ!あ・・っ・・・ああぁっ!あぁ・・っ・・・!」 貫は自分のすることに乱れ、感じている寛美の体に更にキスしていった。既に寛美のそこは泉のように蜜があふれているが、更に貫と激しく舌を絡めるディープキスをした時、寛美は完全に快楽の中に溶け込んでいくような錯覚を感じていた。 「ん・・・!ふ・・う・・ん・・っ・・!ああぁっ!あぁ・・っ・・!あぁん!はぁ・・ぁ・・っ・・貫、さん・・・!」 寛美にそう言われて貫は安心したようだ。すぐに服を脱ぎ捨て、手早く避妊の用意を済ませると寛美の中に入っていく。泉のようにあふれていた寛美のそこは、大きくなっていた貫でもちゃんと受け入れることが出来た。 「あっ!貫さん・・・・!」 貫はそう言うと、ゆっくり腰を動かしていった。そんなに速くないのに、寛美の中で更に快感が支配していく。 「あっ・・あぁっ!貫、さん・・・!」 そう言うと、貫は先ほどの倍以上のスピードで一気に腰を動かした。貫にそれを出し入れされるだけで、寛美のそこはますます濡れて感じていく。 「ああぁっ!ああぁ・・っ・・!ああぁん!あ・・っ・・あぁ・・っ・・・!」 2人は互いに愛を確かめ合うと、ディープキスをしながら互いに腰を動かした。2人の舌は貪欲な獣のように複雑に絡まり合い、下半身のつながりもディープになっていく。 「ん・・っ・・はぁ・・っ・・!ああぁっ!ああぁん・・・あぁっ!」 2人は互いに絶頂の波がくることを感じていた。そして2人は同時にピークに達したことで息遣いを荒くしていたが、目が合うと2人は自然と笑顔を見せて、ゆっくりその唇を重ねた。 「貫さん・・・・」 そんな会話を交わしながら、情事を終えてからもピッタリくっついていた2人だったが、寛美がふと思い出したように呟いた。 「・・・貫さん。私、喉が渇いちゃいました・・・・」 貫に色っぽく耳元で囁かれると、寛美はあたふたしてしまう。貫の誘惑に惑わされてはいけないと思い、寛美は逸る気持ちを抑えて貫を見た。 「もう、貫さんったら。私の場合は、そこまで重症じゃないです・・・」 貫の突っ込みにあっさりと折れた寛美を見て、貫は面白そうに声を上げて笑った。寛美は恥ずかしくて仕方なかったが、貫とこうしていられることが何より嬉しかった。 END.
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えぇ〜、この度は「久しぶりのデート」と題しましたこちらのお話を見て下さいましてありがとうございました! ミヤミドはこの度ノベルアンソロジー「百人一集」でお世話になったILOVEYOU-COMPANY様の元でお仕事させていただくコトになりまして、その際サンプル作品を提出せねばならなかったんですね〜。んで「作家登録記念」と勝手に記念化しまして(爆)このお話を書き下ろしたとゆーワケです。 元々別館で連載していた2人のこのお話でしたが、都合によりとりやめてしまったんですよね〜、申し訳ございません(汗) とゆーワケで2人のコトをもう少し詳細にお話致しますと、貫君はカリスマ美容師さんとして大活躍中!!の25歳男性です。 一方の寛美ちゃんは21歳で、グランドホテルの娘って設定になってます。 別館で見ていただいた方は分かると思うのですが、この2人の出会いはゲーセンだったんですよね〜。んでまぁ、初めて会いながらお互いに一目惚れしまして、そのまま付き合うコトになります。 今回のお話はそれから大分間が経った時、という風に想定して書かせていただきました。やはりあの〜、恋人同士の会話は楽しいと思えますね〜。 都合により連載は取りやめてしまいましたが、これからも機会があれば、この2人のお話を読みきりで書きたいなぁ、と思います! |