「月夜」

 

「わぁ〜、お月様が綺麗です〜。ほぼ満月・・なんでしょうか?」

誰もが寝静まった夜。王女・スピカは自室のバルコニーから月を眺めていた。
今宵は雲がほとんどなく、月が幻想的かつ鮮やかにほのかな光を放っている。満月ではないが、翌日になれば満月になりそうだ。
なぜスピカがこのような時間に起きて月を眺めているのか。それは眠りを妨げるような悩みが1つあるからだ。

「・・私、このままレグルスさんに恋をしていて、本当にいいのでしょうか?・・・いえ、ダメなんですよね。ハァ〜・・・・・」

スピカはそう言ってため息をつき、再び光輝く月を眺める。
思い描くのは大好きな恋人のこと。その名はレグルスと言い、半年ほど前からスピカの親衛隊長を務めている。
スピカにお付きの精鋭された親衛隊員は、城内はもちろん、城外でも憧れの存在だった。このレグルスという男性は、約半年という脅威の早さで一気に親衛隊長にのし上がってきた偉大な人物なのだ。
実際、レグルスは常人とは明らかにかけ離れていた。そのルックスはもちろん、放つ雰囲気も、剣技も、扱う魔法も・・・・
そんなレグルスとスピカが恋人として付き合い出したのは、彼が親衛隊員になってすぐのことだった。レグルスからの熱いラブコールにスピカも心が揺れ動き、毎日レグルスと共に過ごすことは幸せなのだが・・・・
スピカの心を悩ますのは、この王国中で話題になっているスピカの婚約者のことだった。実は、スピカには生まれた時から婚約者がいるらしいのだ。
しかし、そのことについて父親に聞いても何も教えてくれなかった。むしろ本当にいるのかどうかすら分からない。だが城内で時々囁かれることがある為、どうやら自分には本当に婚約者がいるらしいことは分かった。
そう。目に見えない婚約者がいるというのに、スピカは現在レグルスと付き合っているのだ。それがスピカの心を大いに悩ませているのである。

「・・いっそのこと、レグルスさんとは今の内に別れた方が良いのでしょうか?それとも、婚約者さんのことを押し切ってレグルスさんと・・・・」

自分が生まれる前から婚約者がいるなんて、誰がそんなことを決めたんだろうか?それすら分からないスピカにとっては本当に重荷でしかない。
婚約者なんていなければ、レグルスと何のわだかまりもなく幸せでいられるのに・・・・・

「ウゥッ、私には決められないです〜。こんなですから、お父様にいつも相手にされないのでしょうか?・・お母様がいらっしゃれば、もう少し話は違っていたかもしれませんが・・・・」

そう思ってはみたものの、スピカの母親は幼い時に亡くなっている。あまりに昔のことで悲しみさえ分からなかった時のことを考えても仕方ない。スピカは再び月を眺めて考えた。

「全ては、時が解決してくれるのでしょうか?お月様さん・・・・・」

こうして、スピカが完全に現実を忘れて月に見入っていた時のことだった。ファサッと音がしたかと思うと、スピカは背後から誰かに腰を抱き締められていたのだ。

「キャアァッ!!」
「シーッ!スピカ、そんな大きな声を出さないで。」
「えぇっ!?レ、レグルスさん!?」

スピカが驚いて振り向くと、そこにいたのはスピカがそれまで考えていた愛しい人・レグルスだった。
レグルスはスピカから手を離すと、フッと微笑んでみせた。月の光に照らされたレグルスはこの上なく神秘的で色っぽく、スピカは完全に見とれてしまっていた。

「やぁ、スピカ。驚かせたようですまなかったね・・・・でも、私も驚いたよ。部屋で眠っていると思っていたおまえがいなかったんだから。」
「あ・・す、すみません、レグルスさん。それより、どうしてこちらにいらしたんですか?あっ!もしかして、今日ご一緒にお勉強した時、何か忘れ物なさいました?」

スピカとレグルスは、自然とスピカの部屋に入りながらそのような会話を展開していた。なぜ部屋に入ったのかと言うと、話し声が他の部屋に漏れるのを避ける為である。

「フフッ・・可愛いね、スピカ。私がそんなミスをすると思うのかな?」
「あっ!い、いえ。その、悪い意味ではなくて・・・・」

とスピカが言った途端、レグルスが面白そうに声を上げて笑い出した。しかしスピカにとっては何が面白いのかさっぱり分からなくて、首をチョコンと横に傾げてしまう。
困って首を横にしているスピカを見たレグルスは、すぐに笑うのをやめてスピカを見つめた。

「あぁ、ごめんね、スピカ。おまえがいつにも増して可愛いものだから・・・・」
「えぇっ!?そっ、そんな、レグルスさん。こんな時に、口説かれなくても・・・・」

そう言ったスピカの顔は真っ赤だ。レグルスは余裕の微笑を浮かべてスピカに近付き、その腰を抱き寄せた。

「どうして?私は、おまえのことがいつだって愛しいんだから・・・・」
「レグルスさん・・・・!」
「スピカ。私の可愛い姫・・・」

レグルスがスピカに甘くそう囁いただけで、スピカは完全にトロンとしてしまっていた。
既に婚約者とかのことはどうでも良くなっており、今レグルスとこうしている時が幸せで、何も考えられないのだ。

「レグルスさん・・・・私、レグルスさんが好きです・・・」
「スピカ・・・あぁ、私もだよ。おまえ以外に、考えられない・・・・」

そうして、2人の唇が自然と重なった。レグルスは更にスピカを強く抱き締め、スピカもまた、レグルスの背中に手を回してそれに答えた。
それから2人は互いの舌をゆっくりと絡ませた。レグルスとの甘いキスにスピカは気が遠くなりそうだったが、何とか持ちこたえた。

「はぁっ・・・レグルスさん。私・・・・」
「フフッ・・分かっているよ。こっちにおいで、姫。」

そうしてレグルスはスピカの手を取り、ベッドの方へと移動させた。スピカは恥ずかしそうに顔を赤くしながらも、素直にレグルスの言うことに従った。
夜着のスピカの服を脱がすことは容易だ。程なくして、下着を身に付けていないスピカの柔らかい肌や形の良い胸が露になった。

「あっ・・レグルスさん。恥ずかしい、です・・・・」
「フフッ・・どうしたんだい?いつになく恥ずかしそうだね・・・」
「は、はい。その・・先ほどまで、お月様のことを見ながらレグルスさんのことを考えて・・・ひゃあんっ!」

スピカの言葉を最後まで言わせず、レグルスはスピカの項にキスした後、耳朶にチュッと口付けた。それだけでスピカはビクンと反応して、高い声を上げた。

「もっと教えてくれるかい?スピカ。おまえが、私のことをどんな風に考えていたか・・・・」

レグルスはスピカの耳元でそう囁いてから、スピカの胸の頂を舌で転がし、もう片方の胸をやんわりと揉んだ。

「ひゃっ!あぁっ・・あの。うぅん・・あぁ・・っ・・・!」
「フフッ。言えない、かな?」

レグルスはそう言うと、スピカの胸元や項を強く吸い込み、「チュッ」と音を立てて赤い痕を残していく。

「あぁんっ!レグルス、さぁん・・・!ダメェ・・ッ・・・!そんな、音を立てたら・・ぁ・・っ・・!」
「・・それじゃあ、おまえのその可愛い声を、城の皆に聞かせてあげようか?」

レグルスはそう言うと、既にM字型に広げられていたスピカの最も深い所にそっと指を触れた。
それだけでクチュッと水音がして、スピカは気持ち良さに身を震わせた。

「あぁっ!」
「おや?触る前からこんなに濡らしてしまって・・・いけない姫君だね。」

レグルスはそう言うと、スピカの泉を円を描きながら優しくかき回した。
尚もクチュクチュと水音を立てながら、スピカは甘い快楽を感じていた。

「あぁん・・あぁっ!ん・・はぁ・・っ・・・ああぁっ・・あっ、あぁっ!ご、ごめん、なさい・・・!」
「フフッ・・謝る姫君は、この上なく淫らだね。」

レグルスはスピカの耳元で甘くそう囁くと、中指をスピカの蕾に挿入した。
グチュッと大きな音を立てて、スピカのそこはレグルスの指先を飲み込んだ。

「ああぁっ!ひゃあぁん・・っ・・・!」
「すごいね。おまえの中からどんどん蜜があふれてくるよ・・・」
「あぁ・・っ・・!レグルス、さん・・・!私、もう・・・!」
「あぁ・・・私も、おまえと一緒になりたいよ。」
「レグルスさん・・・・!」

スピカが全て言わなくても、レグルスとは心が通じ合っている。それだけでスピカは嬉しくなってしまって、服を脱いだレグルスの頬に口付けた。
レグルスは少し驚いてスピカを見ていたが、すぐにいつもの色っぽい微笑を浮かべてスピカを抱き締めた。

「スピカ・・・おまえとこうして過ごすことが、私にとってどれだけ幸せなことか分かるかい?」
「はい。私も、レグルスさんとご一緒している時は、とっても幸せです。」
「そうだね・・・じゃあ、最高の幸せを一緒に感じようか。」
「はい!」

スピカの返事と共に、レグルスはスピカの中にゆっくりと入っていった。スピカはギュッとレグルスにしがみつく。

「あぁっ・・!レグルスさん・・・!」
「ん・・っ・・スピカ・・・!」

レグルスは強くスピカを抱き締めて、そのまま腰を動かした。最初はゆっくりとだったが、その速度が徐々に速くなっていく。それと同時に、ベッドの軋む音が響きだした。

「あっ・・ああぁぁっ!ああぁ・・っ・・・!ああぁん!ああぁっ・・・!」
「・・・っ・・・!スピ、カ・・・」
「ああぁんっ!ああぁっ・・・ああぁっ!ああぁ・・っ・・・!」

レグルスの腰の動きは更に速くなり、スピカの胸の頂にキスの雨が落ちた。
全てを優しく愛してくれるレグルスに、スピカは嬉しさと幸せを同時に感じていた。
こんな時ばかりは、婚約者の存在を忘れてレグルスを感じていたい。このわがままを・・今だけ叶えて下さい。お月様・・・・

「んっ!ああぁぁっ!ダ、ダメ・・ェッ・・・!ああぁっ!あああぁぁっっ!!」
「く・・っ・・!スピカ・・・・!」
「やぁっ!もう・・ダメ・・ェ・・!ああぁっ!」
「スピカ・・・!!」
「ああぁっ!ああ・・っ・・!あああぁぁぁっっ!!」

スピカの中で、何かが弾け飛んだ。それは絶頂がきた印・・・
そしてスピカの体に熱く飛び散った白い液体。それは、レグルスも限界に達した印だった。

「あ・・レグルス、さん・・・・」
「スピカ。愛しているよ・・・・」
「レグルスさん・・・・!はい。私も、愛してます・・・・!」

そうして、2人は再び唇を重ねた。透明な唾液と舌が2人をつなげる。

「・・スピカ。今日はこのまま、一緒に寝てもいいかな?」
「は、はい。レグルスさん・・・」
「フフッ・・顔を赤くしてしまって、可愛いね。」
「だって。レグルスさんが、あまりに素敵なので・・・・」
「スピカ・・・ありがとう。夜明けなんて、来なければいいのにね・・・・」
「ウフフフッ。レグルスさんったら・・・」

顔を赤くしながらもおかしそうに笑ったスピカを見て、レグルスも微笑を浮かべた。

「今日の月は、なかなか良い月だからね。夜明けが来なければ、おまえとこのままずっと一緒に過ごせるだろう?」
「はい・・・そうですね、レグルスさん・・・・」

最初は笑ってしまったが、今はスピカもレグルスの意見に賛成だった。
このままレグルスと、ずっとこうしていたい。こんな良い月夜は、そうそんなにないだろうから・・・・・・

 

END.


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