一葉の今日

「ねえねえっ、玉鼎、ここ押してみて?」

「何だ?」

「いいから。そこから私たちが覗けるでしょ?ほら、楊ゼンも、あっち向いて」

「? いったい何ですか、太乙さま?」

「押せばいいのか?」

「そうだよ〜」

カシャッ。

ジーッ。

「太乙、これは?」

「ん、その紙いまはまだ真っ黒でしょ?しばらく見ててよ。きっと面白いから」

「・・・いまこの場で一番面白がっていらっしゃるのは太乙さまだと思いますが」

「え? あー、そうかもしれないけど、いいじゃない、夏なんだもの」

「それは全く理由になっていらっしゃらないのでは?」

「そりゃそうさ、理由なんて要らないんだもの」

「太乙さま?」

「いいから楊ゼンもそれ見ててごらんよ。玉鼎、どう?そろそろ出てきたんじゃない?」

「・・・あ!」

「ほう。先刻のお前たちだな。見事なものだ」

「でしょ〜。写真っていうんだ。結構自信作なんだから」

「ふうむ。過去の一刻を切りとって残しておけるということだろうか」

「そう。現在をね、フイルムに焼きつけるんだよ」

「ん、どうした、楊ゼン?」

「ふふん、気に入らなかったみたいだね」

「いえ、そんな・・・でも」

「でも?」

「過去がそのまま残るなんて、何だか」

「まあね〜君はまだ若いからね〜」

「若いからなんだと仰るのです、太乙さま?」

「楊ゼン。太乙も、そうからかってくれるな」

「ですが」

「だって楽しいんだもの〜」

「・・・。楊ゼン、太乙はお前のことを未熟だと言ったわけではないよ。ただ、変わってゆく存在だと」

「ふふん。でも過去を残したくないなんて思うのはほんとにまだ若いかも」

「・・・。」

「だからそう苛めてくれるなと・・、太乙、お前にも覚えのあることだろう?」

「まあそうだけどね〜」

「楊ゼン、明日のお前は今日と変わっているだろうが、」

「でも今日を無かったことにするわけにはいかないしね〜。今日を楽しむには理由は要らないんだよ」

「それはそうですが」

「だからね〜いっぱい写真とろ?」

「は?」

カシャッ。

「! 太乙さま、そんな不意打ちは卑怯ですよ!」

「ごめ〜ん。でもきっと、綺麗に撮れてるよ?」

「はあ・・・」

「太乙、私も一枚頼んでも良いか?」

「もちろん」

「では楊ゼン、一緒に写ってもらえるかな。今日のお前の写真を、私は大事にしたいと思うよ」

「何だか誤魔化されたような気がするのですが・・・師匠がそう仰るのでしたら」

「じゃいっくよ〜。あ〜、やっぱり玉鼎と一緒の表情の方がいいよね、悔しいけど」

カシャッ。

「ありがとう、太乙」

「・・・・・・・・ありがとうございます」

ごく軽く、お礼代わりのおまけを。
一度会話だけでのお話やってみたかったのですv満足です〜v

拝見するほどに太乙さまがご機嫌だなあと思って。
羽目を外しすぎていたらごめんなさい。夏ですので(<はい?)。
ガリガリくんを作中に出せなかったのは非常に心残りですが、
無事に玉鼎さまと楊ゼンさんのツーショットが取れたので高望みはするまい。
壁紙はMAPPYさま。

申し訳ないほどにささやかなことでこんな素敵な絵を頂いてしまいまして、
実知可さまには感謝に堪えません。
眩しく爽やかな暑中お見舞い、ほんとうにありがとうございました。

04.08.08 水波 拝

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