12星座の「微妙にずれていく会話」
牡羊→牡牛
羊「牡牛ー、これ美味い！」
牛『どれ……（もぐもぐゴックン』
羊「うめー」
牛『……マズイ』
羊「なんで！？」
牛『なんでって、マズイだろ』
羊「辛いじゃん」
牛『……？』
羊「俺、辛いの好きだー」
牛『好き嫌いは別にして、マズイ、味が単純、見た目ももっと……』
羊「うーん、マズイけど美味しいってやつ？」
牛『だからマズイって』
羊「うまマズイ？」
牛『マズイ！！』
牡牛→双子
牛「少し太ったな……」
双『ええ？ウソ！？やっぱわかる？最近ジャンクフードばっかり食べてたからなぁ……』
牛「お前じゃなくて、俺」
双『ああ、なーんだ。見た目はそんなかわらないはずだもんな、ちょっと見たくらいじゃわからないよな』
牛「お前は少し太ったほうがちょうどいいくらいだ」
双『牡牛に言われたく……ああー！その時計！！KAWATA限定モデルじゃね！？』
牛「ん？」
双『それ買うためにまともな食事も取らずバイト三昧だったってのにーーー！！』
牛「食事は大切だ、三食キッチリ取れ」
双『どこで買った？なあ、どこで買ったの！？今もうどこも売り切れなんだよぉ！！』
牛「人の話、聞いてるか？」
双『よりにもよって牡牛が持ってるなんてーー！！！！』
牛「どういう意味だ」
双『ちくしょー……腹が立ったら腹が減った。何かおごって』
双子→蟹
双「お、ひさしぶりー！ 偶然だね、ここ地元なの？」
蟹『……ひさ…し…ぶり……（誰？』
双「あーその顔、ひょっとして俺のこと忘れちゃった？」
蟹『……あ！もしかして、昔バイト先で？』
双「そうそう！！なんかなつかしー」
蟹『うわー、ひさしぶりだね！髪型変えたの？』
双「うん、前髪短くしたんだ」
蟹『似合うよ、すごく爽やかに見える』
双「なにそれｗ俺って爽やかじゃなかったの？」
蟹『んー、前はもっと近寄りがたい感じがして……』
双「ええー、そんなことないよーｗ」
蟹『だってあんまり喋ったことなかったからねー』
双「そだねーって、やべ、俺もう行かなきゃ！ それじゃまた、蛩さん」
蟹『またね、ヌヌ了君』
双「ん？」
蟹『え？』
蟹→獅子
蟹「さっきから、何を見てるの？」
獅『……血が、出てる』
蟹「ああこれ？ 大丈夫、すぐ止まる」
獅『痛むか？ 俺のせいだな』
蟹「僕は痛くないよ」
獅『痛い』
蟹「君が痛がってるだけだよ」
獅『なぜ責めない』
蟹「……獅子が好きだから」
獅『好きだ、蟹』
蟹「……僕はね、いつか涙を流すくらいなら、いま血を流したほうがいいと思ってるんだ」
獅『痛い』
蟹「獅子、聞いて……獅子？ 僕の声、聞こえてる？」
獅『痛いな』
蟹「……うん」
獅子→乙女
獅「またか」
乙『は？』
獅「また何か考えて、悩んでる」
乙『何も考えてない人間がいるのか？ 悩まずに生きる奴が？』
獅「いる」
乙『……今考えていたのはなぜ俺がここに居るのかということだ』
獅「俺が呼んだからだ」
乙『そうか、じゃあ獅子が呼ばなければ俺はここには居ないんだな』
獅「なにが不満だ？」
乙『不満のない人間なんていない』
獅「お前は……！！」
乙『問題は獅子、君だよ』
獅「俺が何だって言うんだ！？何が問題だ！？」
乙『獅子は問題だ』
獅「何を！！！」（机を蹴り倒す
乙『悪い子だ』
獅子「お前のせいだ！！」
乙女→天秤
乙「天秤、肩に糸くずが……」
天『あ、ああ……ありがとう』
乙「………」
天『………』
乙「なあ天秤」
天『なんだ乙女』
乙「……何か不安なことはないか」
天『……別に？』
乙「自分の身に何か不確かな要素があるとは思わないか？」
天『？？』
乙「………」（目線↓
天『………』（乙女の視線を追って目線↓
乙「………」（ぱっと目をそらす
天『………』（股間のファスナーを上げる
乙「ごめん……」
天『ありがとう……』
天秤→蠍
天「蠍、今日は機嫌がいいんだ？」
蠍『お前と会ったからな』
天「あ、そうだ。急に呼び出してゴメン、借りてた本返そうと思って」（笑顔でスルー
蠍『……』
天「おもしろかったよ。だからこのシリーズ自分でも揃えるつもりなんだ」
蠍『これ絶版』
天「へえ、よく手に入れたね。大変だっただろう？」
蠍『欲しければやるよ』
天「……図書館行って探してみるよ」
蠍『天秤』
天「うん？ あ、もうすぐ図書館閉まっちゃう」
蠍『また会いたい』
天「ああ、うん。またおもしろそうな本があったら教えてね」（笑顔
蠍→射手
蠍「たとえば俺がお前を誘ったとして……」
射『襲う！？』
蠍「……襲われたいのか？」
射『逃げたい』
蠍「襲うわけじゃないし、まだ何もしてない……もし俺がお前を誘ったとして、お前は応じるか？」
射『蠍が……』
蠍「……（そんなに考え込まれるとは……」
射『……』
蠍「どうした？」
射『……』
蠍「嫌なら嫌と言え……」
射『助けを求める』
蠍「誘うを通り越して襲われる前提なのか！？」
射手→山羊
射「山羊ってさあ、犬好き？」
山『好きだが、キャンキャンとよく吠える犬は苦手だ』
射「そうねーやっぱりねーそんな感じするよな、山羊は」
山『射手は犬が好きなのか？』
射「オレはねー……鳥、好きだよ」
山『鳥……（犬の話ではなかったのか？』
射「ダチョウ凄いよな、すげー早く走るんだってよ。もし変身するならダチョウだよな」
山『鳥だな、ダチョウも……しかし速く走りたいなら馬でもいいんじゃないか？』
射「飛べなくてもがんばってるんだよ、あいつら。それが凄いんじゃん」
山『……そうだな……』
射「なあ、翼が無くて飛べないのと翼があって飛べないのなら、どっちがいい？ どっちが飛びたいって強く願うと思う？」
山『考えたことはない』
射「……でもいつか飛べるんじゃないかと思ってる」
山『ダチョウが？』
射「いや、オレが」
山羊→水瓶
山「この前博物館に行って来たんだ」
水『博物館！いいねえ、良い趣味だね。寄生虫博物館？』
山「歴史博物館だ」
水『歴史かあ……この地球が生まれてから人間が築いた歴史なんてごくわずかでしかないんだよ』
山「ああ、そうだろうな……で、おみやげなんだけど」
水『おみやげ？ ああ、うん、色んな話聞かせてよ』（超笑顔
山「えーと……」
水『山羊はやっぱり歴史に名を残したい？』
山「なに？……今の時代じゃ難しいだろうな」
水『そんなことないよ！これからの人間が歴史を作るんだよ！』
山「そ、そうか……」
水『山羊ならできるよ！ 僕も応援してるからね』
山「……ああ、がんばるよ」
水瓶→魚
水「魚の手ってキレイだね」
魚『え、なに？……この、手……？』
水「キレイなのは大事にされていたからだね」
魚『僕の手を見て、大事にされすぎて育った甘ちゃんだなってよく笑われたよ……』
水「魚はキレイだ」
魚『……』
水「キレイだよ」
魚『……う、うん、ありがとう……』
水「手を、貸して欲しい」
魚『え？』
水「魚の手を貸して欲しいんだ」
魚『僕の手を……？ 僕なんて何もできないよ？』
水「君じゃなきゃだめなんだ」
魚『水瓶……水瓶のためなら、僕……！』
水「手から肘までの型を取りたいんだ」
魚『手を貸すってそのままの意味！？』
水「え？じゃあ顔型もいいの？」
魚『イヤだよ！！その「じゃあ」って何なの！？むしろそっちがイヤだよ！！』
魚→牡羊
魚「お腹すいたねー」
羊『運動したから喉がかわいたな』
魚「何か食べに行かない？ 甘味処があるんだけど、一人じゃ入りにくいところで……」
羊『あ！』
魚「へ！？」
羊『魚は甘いの好き？』
魚「うん」
羊『ガキの頃、角砂糖舐めて怒られたりしなかった？』
魚「角砂糖は舐めないよ……」
羊『あれで虫歯になって歯医者行くはめになったんだよなあ……』
魚「牡羊、それ今でもやってるの？」
羊『や、やってないよ！』
魚「……やってるんだ」
羊『やってない！ 運動した後は塩を舐めるんだよな！』
魚「……（成長してない……」
意図的なものと、そうでないもの