12星座の「迷子」
牡羊:「あ……もしかして、俺、いま……迷子かも!!?」
遊びに夢中で知らない通りに迷い込んだことに気付かなかった
一緒に遊んでた友だちの名前を呼んでも返ってこない
ああ、俺の人生もここまでかな…なんて考えてみる
結局日が暮れ、心配して迎えに来た兄にゲンコツ食らってとぼとぼ帰る
「はぁ……兄ちゃん、ごめん………」
次の日、はぐれてそのまま帰った友だちと大げんか
牡牛:「……もと来た道を戻ろうか……」
お使いを頼まれやって来たのはよいものの…どうみても迷子です
どうしようかと一瞬迷うも、きっとどこかで道を間違えたんだと考え引き返す
しかし、戻っても戻っても、いったい自分がどこから来たのかわからなくなり
いい加減ぐったりしたところで知った顔が通りかかる
「悪いけど道案内してくれない?」
道案内のお礼にコロッケをおごるよ、美味しいお店も教えてあげる
双子:「さっきのおじさん、あそこの交差点を右に曲がりなさいって言ってたのにー!」
あれ?やばい迷った…でもまあ、人に聞けば大丈夫だろう
そう思って道を聞いたら、どうも違うようだ…騙された?
原因はあわてていたので目的地を言い間違えました…
がっくり肩を落とすも、気を取り直してもう一度
「あのー、すみません、ゾディアック公園ってどっちですか?」
今度は大丈夫、あの坂を越えればボクの町だ
蟹 :「お母さんだと思って追い掛けてたんだ…」
夕飯の買い物だろうと追い掛けた、一緒に買い物したかった
途中見失ってもう一度見つけたとき、母とは別人だった
追い掛けるのに必死だったから、ここがどこだかわからない
不安で泣きそうになってるところに声を掛けられた
「家に帰りたい……」
心配して声を掛けてくれた人が家まで送り届けてくれた…
獅子:「この前いった場所に行こうとしただけだよ」
おもしろい店を見つけたからお前を連れて行ってやりたかった
途中までは順調だったんだけど、まずいな…もうわからない
でもこいつもここまで連れて来ちゃったし
なに、帰ろうって?だけど、俺……え?帰り道知ってる?
「今度来るときは、絶対連れて行ってやるからな!」
何か恥ずかしいけど、お前が居てよかった
乙女:「……この地図、逆さまだったみたい」
気付いたときにはすでに遅し、ここがどこだかわかりません
初めての場所だからとあれだけ用意したのに、こんなことになるなんて…
ブツブツ言いながら歩いていたら地図板発見!
現在地と自分の地図を照らし合わせて、ふむふむこっちか
「やっと帰れる……ん?最初の目的を忘れてた……」
家に帰るのは遅くなったけど、目的達成!今夜はよく眠れそうだ
天秤:「まいったなぁ、とりあえず誰かに道を聞こう」
なんとなくこっちかなーと思って歩いてきたけど…
全然違ったみたい、さっきの道を曲がっておけばよかったかなー
まあ、別にこのまま行き倒れるわけでもないさ
人の良さそうな人に、この笑顔で話しかければ誰だって立ち止まってくれるはず
「すみませーん、ちょっとお聞きしたいんですけど…」
これが笑顔の正しい使い方、困ったときこそ笑顔でいよう
蠍 :「さてと………誰に迎えに来てもらおうかな……」
やれやれ、慣れないことなんてするもんじゃないな…
珍しく遠出したんだ、あの人に会うために
だけど会えなかった、あの人はどこにも居なかった
行きはあんなに弾んでた心も、今はこの夕闇と同じように暗く沈んでいる
「困ったことがあったらって、言ってたよな……」
あいつから渡された携帯番号、こんな時に使うなんてな
射手:「トンネルを抜けたらそこは知らない町でした」
今日も探検、あの町この町!昨日は隣町、今日は…何町?
名前も知らない不思議な町、見知らぬ人に見知らぬ建物
人から見たら、たぶん僕は迷子って思われるんだろう
だけど僕は今、楽しくてしかたがない
「初めて来たけど、何か面白いこと……発見!」
見つけた今日の大発見、迷ってなんかいられない
山羊:「戻ろうか…いや、この道を抜ければ表通りに出られるはず……」
信じて進んでみぎひだり……これって右往左往っていうんだっけ?
ちょっとした冒険心、それが間違いだった
いつもの学校、帰り道、ただそれだけだったから……
少し寄り道しただけなのに、なんだかすごく悪いことしたみたいだ
「こんなに遅くなるなんて…家じゃ心配してるかな……わっ!?」
急に呼ばれた自分の名前、ああ…あの子はこの道通って帰ってたんだ
水瓶:「レーダーが反応しない…」
世紀の大発明!渾身の自信作!その名もアクエリレーダー!
世界に溢れるびっくりどっきりな現象を捉えて導きます
導かれるままにやってきたけれど……ここはどこ?反応消えた?
場所はどこだかわからない…だけど安心、GPSは標準装備!
「この辺りに次元の狭間があるはずなんだけどなぁ〜…」
次元の狭間へ行く前に、まずはお家へ帰りましょう
魚 :「……暗くなってきちゃった!暗くなってきちゃった!!」
仲良い友だちと遊んだ帰り道、気付けば空にはお星様
暗い夜道に街灯の点滅、知っている道なのに涙目でオロオロ
なんだかいつもと違う気がする、こっちへ行ってもいいんだっけ?
しばらくそのまま立ちすくんでいたら、友だちが追い掛けてきた
「忘れ物?気付かなかったよ、ありがとう…」
あの子の顔見て落ち着いた、もう大丈夫、はやく家へ帰らなきゃ