+敵は女子アナ+


最近、女子アナを見るとむかつく。

「おとうさん、チャンネル変えてっ!」
「あ、ああ…??」
「あー!なんだよねーちゃん、せっかく春木アナ出てたのに。
あの人可愛くって、俺ファ…」
「うるさい!」
「な、なんだよー、可愛いからって妬んでんの?このヒスババ…って!」
ペンッと尽の後ろあたまを引っ叩いてから、
さっさと朝ご飯をかき込み、かばんを引っつかんで家を出る。

(もうっ、なんかムカムカする…どうしたんだろ)

尽と父さんに悪い事しちゃったな…と思いつつもむかつきがおさまらない夜子。
なんだろ…生理が近いのかなぁ。
などと考え込んでいる内に学校に着く。

「あっ、せんぱーい!」

校門の前まで行くと、後輩の日比谷が駆け寄ってきた。

「おはようございます!」
「おはよ」
「部室までご一緒していいですか?」
「いいけど…」

日比谷くんは野球部員で、私はマネージャーとして同じ部に所属している。
これから野球部は朝練だ。

「う〜ん、朝早くに学校来るのって気持ちいいッスね!」
「朝っぱらから元気いいわねぇ…」
「へへっ先輩、聞いてくださいよ!今日、ジブン占いで一番ラッキーな星座だったんスよ!」
「占い?」
「知りませんか?朝のおはようテレビって番組でやってるんスよ」
(おはようテレビ…って、今朝家でついてたやつだわ)
「あの番組、お気に入りの女子アナが出てるんで毎朝見てるんス!」
「…女子アナ」
自分の中に、何かが駆け抜けた。
「最近出てきた女子アナなんスけど、これがもう可愛いんスよ〜。
ジブン的には、今年の新人アナの中でダンットツ一番可愛いと……」

その時、夜子のムカムカが最高潮に達した。

「ああ〜、そういえば日比谷くん、女子アナと 結 婚 するのよねぇ〜?」
「え?あ!そういえばそんな事言いましたっけ!いやあ〜、まあそれはそれで夢だったんスけど、
でも、あの、今はその〜、えっと、せ、先輩…と……って、あれ?せ、先輩!?」
日比谷の必死の告白も空しく、すでに夜子はその場から立ち去っていた。

(何よ女子アナ、女子アナって。なんかむかつくっ!)

彼女が「嫉妬している」と自覚するのは、まだ少し先の話………。




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いやあ、嫉妬心剥き出しですねー。
主人公鈍すぎだよ…。
朝の星座占い、ひびやん毎朝一喜一憂してそうだ(笑)
「そして最下位は…ごめんなさいっ、乙女座のあなた!」
「ええ〜!そ、そんなぁ〜…」
     ↓
「どうしたの日比谷くん、しょんぼりして」
「…先輩、ジブン今日最下位なんスよ〜、はぁ…」
「?(最下位?)」
うう、カワイイぞ。


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