|
+ドレスとチキン+ 「あ、パストラミバーガー美味しい。ね、日比谷くんのツナたまバーガーは?」 「は、はいっ!美味いっス!」 ----今日はクリスマス。 なのにオレと先輩は、公園のベンチに座って、 ケンチキで買ったチキンとハンバーガーを食べている。 ・・・・全部オレのせい。 クリスマスディナーをするのに予約が要ることを知らなくて、 散々先輩を連れまわしたあげく、こうだ。 先輩に喜んでほしかったのに。 なのに、なのに-------なんでこんなに、オレは、オレは。 なさけなくて、涙が出そうになった。 実際、出てしまった。 ますます、なさけない・・・・。 けど、先輩は - その気持ちが贈り物 - だって。 「ふふ、私パーティバーレル食べるの初めてなのよね。嬉しい」 「ええっ、そうなんすか?ジブン家は毎年クリスマスにはコレっスよ!」 「そうなの?いいねぇ〜」 そう言って、ニコニコと嬉しそうにチキンにかじりついた先輩。 綺麗なパーティドレスに身を包んで、ベンチに座ってチキンを食べる先輩。 はたから見たら滑稽な姿だろうけど、 今日のオレには、その姿が何よりの贈り物です、先輩。 ほんとうに嬉しくて嬉しくて、胸がいっぱいなんです。 先輩、来年こそは・・・・来年こそはオレ・・・ 「・・・・せ、先輩!」 「えっ!?ど、どうしたの?」 「来年っ、来年の・・・・・」 「え・・・?」 来年のクリスマスこそは、必ず先輩をディナーへご招待します。 だから・・・待っててください!! 「そ、そのっ・・・・・・・・・・・・な、なんでもないです」 「???」 (・・・はあぁ、だめだぁ〜) ************************************************************************** 初めて書いたひびやんSSです。 外でなんか食べるっていったらファーストフードしか思い浮かばなかったので ケンチキ行かせました。 パーティバーレル、憧れだったんですよ私(笑) ウイニングバーガーじゃなくてあえてケンチキにしたのはこの描写が書きたかった からです(;´▽`) 一覧に戻る |