第一話…




 僕にとって「運命の日」。梅雨の時期の真っ只中で、横殴りの雨が降っている。
「ううっ…今日に限って雨か…。しかも、こんなに強いなんて…。」
今日は僕の大好きなゲームの発売日だ。『流星戦士シューティングスターズ』というゲームだ。
原作は大人気アニメなのだが、ファンが多い分、売れるだろう。(まるで推測だが)
僕は、勿論その『流星戦士〜(略)』のファンだ。
「ふふふ…。どれだけこの日を待ち望んでいたか…!僕の衝動は雨より強いぜ!」
あ、申し遅れました。僕の名前は『浅岡 巳勇斗(あさおか みゅうと)と申します。中学二年です。
って誰に説明してんだ?僕。


第一話@僕が焼きそば☆パンマン!!?の巻


 巳勇斗は足早にゲーム屋に向かっていた。
「ふふふ…。この角を曲がれば、流星戦〜(略)に会える…!」
「流星〜(略)!やっと会えた…あ?」
シャッターは閉まっていた。そこには張り紙が。
『暴風雨のため、休店します』
「のおおおおおおおうううっっ!!!」
当然の結果かもしれないが、あまりに無慈悲な結末は巳勇斗を納得させなかった。
「そこにあるんだろ!?開けろよっ!そこに流〜(略)があるんだろっ!!なぁ!」
巳勇斗はシャッターを目一杯叩きながら、叫んだ。
すろと、巳勇斗の想いは届いたかのようにシャッターは開いた。
「やった…。僕が、り〜(略)に懸ける想いが通じたんだね…。」
店長が一言。
「うるせえよ。」
ガシャン。
シャッターは無情にも閉じていった。
「のおおおおおおおおうううっっ!!!」
巳勇斗は頭を抱え、その場に崩れた。
時間は排水溝に流れていった…。



 巳勇人は公園のベンチで、独り佇んでいた。
「考えてみれば、そうだよな…。あんなに大人気なのに、買いに行く奴が辺りを見回しても誰もいないなんて…。おか
しいもんな…。」
「くそー!!r〜(略)なんて、大嫌いだー!!」
巳勇斗はぶつけ所のない怒りを感じていた。
その時だった。
ポンッ
巳勇斗は肩を叩かれた。
「…はい?」
巳勇斗の振り向き際…
「…あなた、流星戦士になってみない?」
「え…?」



「誰なんですか…?あなたは…?」
話しかけて来たのは女性だった。スレンダーの身体に、長身。耳にはピアスを付けていて、なんといっても、美人だっ
た。
「私の名前はリジュー。使者よ。」
…刹那の沈黙。静寂を切り裂いたのは巳勇斗だった。
「かっ、かっこいー!!」
「…え?」
巳勇斗は目を綺羅つかせた。
「どこから来たんですか!?」
「ええと、過去から…。」
「何年前ですか!?」
「えと…3年前…。」
「すげー!!!」
「……」
巳勇斗はまるで、子供のようだった。リジューは少し、呆れているようだ。
「あっ!そうだ。さっき、『…あなた、流星戦士になってみない?』って言ったよね!」
「言ったわよ。」
「僕が流星戦士になるの!?」
「そうね。」
「え?流星戦士って『アノ』流星戦士だよね!」
「…。そうよ。『アノ』流星戦士よ。」
「マジかよー!まるで、アニメじゃん!!ヤベー。世界の平和を守るってか!?さすが、にそれは無いかなー!?」
「有るわよ。」
「ホントに?」
「ホントに。」
…刹那の沈黙。
「マ・ジ・でー!!やばい!!僕にやらせてくれんですか!?」
「え!?やってくれるの!?」
リジューは、巳勇斗が予想した反応とは違う反応を見せた。
「え?もちろんですよー!当たり前じゃないですかー!」
「じゃあ、早速、このブレスレットを装着して『シューティング☆メイクアップ』って言ってみて。」
「おおっ本格的だなー!」
巳勇斗は指示通り、左腕にブレスレットを装着した。
「こうかな?」
「言い忘れたけど、そのブレスレットは一回装着すると、二度と取り外しできないから。」
「…うーん。まあ、いいか。」
この選択が巳勇斗の運命を左右したと言っても、過言ではない。
「いくぞっ!シューティング☆メイクアップ!!」
途端に、光が巳勇斗の身体を包んだ。
「おおっ!」
次第に、視界が白くなり、何も見えなくなった。
「成功だわ…。」
リジューは怪しげに呟いた。



「これが…。僕の真の姿…!…って、なんだこりゃぁぁ!!!」
全身茶色で、顔は焼きそばパンから覗かせていて、手足には焼きそばパン状のグローブ、ブーツを付けていた。
「そう、あなたは今日から『流星戦士焼きそば☆パンマン』よっ!!」
「嫌だぁぁ!!それに『流星戦士』関係無いじゃないですかー!」
「よかったぁ。頼んでも誰もやってくれなかったのよね。」
「そりゃ、そうですよ!!なんで、僕にはちゃんと説明してくれなかったんですか!?」
「だって、あなた。一方的に『やる』って言ったじゃない。」
「うっ…。でも、嫌です!今すぐ元に戻してください!」
「じゃあ、『シューティング☆メイクダウン』って言ってみて」
「よーし、シューティング☆メイクダウン!!!」
閃光が走り、あっという間に元に戻った。
「よかった。じゃあ、このブレスレットも外してください。」
「それは無理よ。さっきも説明したでしょ。」
「そんなぁ…。」
巳勇斗は俄然とした。
「あと、もう一つ。緊急時には私が強制的に『焼きそば』に変身させるから。」
「…。(嫌な略し方だ…)」
「じゃあね〜頑張ってね〜♪」
「あ、ちょっと!!」
リジューは足早に去っていった。
「どうすんだよ…。僕…。」
雨は降り続いていた。

「死にてえよ…」



…続く。







はみ出し。


「今、気付いたけど、ちゃんとブレスレットに「焼きそば」って書いてあんじゃん…。」
時、既に遅し。






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