好きとか嫌いとか そんなのどうだって良い。

私にとってそれは感情でもなんでもなく ただの事実にしか過ぎないのだから。

Cynical

そいつは、違うクラスからはるばる、毎日のように愛を囁きに来る。
別にそれを鬱陶しいとか思うわけでもなく、逆に喜ぶわけでもなく。
ただこう言う。



「彼氏がいるから、困るんだけど」


するとそいつはニヤリと笑う。


「困る、って何で?」
「彼氏がいるのに、アンタとこんな事、するもんじゃないでしょ」


そしてそいつ、忍足侑士はククッと笑って再び私を見る。


「またそれや。一般論しか言わへんやん。ちゃん自身は、どう思っとんねんや」

あたしは忍足をチラリと見るだけで、何も言わない。


ちゃんは、あいつの事好きなん?」
「…付き合ってるんだから、そうなんでしょ」

再び忍足はククッと笑みを溢す。


「なんやねん、それ。自分の事とちゃうん?」

その、繰り返し。










でも、その日の朝は 違っていた。


「なァ、別れたって、ホンマ?」

いつものように私の机に寄ってくる忍足。


「…本当だよ」
「ふーん…泣いたりせえへんの?」

忍足は私の目をじっと見つめた。


「…涙が出ないの」
「何で?」
「寂しくないから」

忍足はまだじっとこちらを見ている。


「それこそ、寂しいとちゃうん?」


そう言って、忍足は去っていった。





それから、忍足は私に会いに来なくなった。





今まで私のところに『来る』という事実が、『来ない』という事実に変わっただけのこと。


それなのに、胸にぽっかりと開いた穴。
それに苦しむ自分自身に気付いた。









放課後、誰もいなくなった教室。
いつの間にか足は忍足の教室に向かっていて、当たり前のように教室は空っぽで。

無意識に、忍足の席を探した。
どこに座ってるかなんて、分かるはずもないのに。


不意に、可愛らしいストラップが目に止まった。


それには見覚えがあった。
そうだ、私が気まぐれで、忍足にあげた…。

古くなった、ストラップ。


それは机の横に丁寧に取り付けられていた。



「バカみたい…」

そう呟いて私は俯いた。




カタンッ



物音に驚いて振り返ると、そこには忍足がいた。

いつものように、不敵な笑みを浮かべて。


「何、泣いとるん?」
「………」




あぁ、分かってたのかも、私。

ずっと前から。



「…寂しい」


忍足はフッと笑って私を抱きしめた。


「もっと早う、言って欲しかったわ」
「…悪かったわね」
「素直やないなぁ…ま、そこが好きなんやけど」




『好き』という言葉はまだ私には重すぎて言えないけど
私をこんなに苦しくさせるのも、側にいて欲しいのも、きっと、貴方だけ。


恋愛してる筈なのに暗いのはなぜだ\(^o^)/
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