先生だと、好きになっちゃいけない？
生徒だと、好きになってもらえない？
そんなこと、一体誰が決めた？
「まじ？銀八いないと授業始まんねェし」
こんな会話はしょっちゅうで。
「〜、お前呼びにi行ってこいよ」
「ちゃんが呼べば即きそう！気に入られてるもんね」
そして、ここであたしが借り出されるのも、いつもの事。
廊下をのんびり歩きながら先生の事を考える。
銀八先生は、三年Ｚ組の担任で、国語の先生。
あたしはＺ組じゃないけど、国語を担当してもらってるわけで。
・・・って言ってもちゃんとした授業はやったこと無いんだけど。
でも良いんだ。
授業がそれらしくても、らしくなくても。
会えるのが嬉しいから。
銀八先生が授業に遅れてくるとき、居る所は決まってる。
あたしは屋上の扉を開けた。
「やっぱり」
あたしの声に反応して、先生はこちらを見た。
「か。どうした？」
「どうしたじゃないです。授業始まってますよ｣
「そんなことより、お前もどうよ？」
そう言って先生はタバコを差し出した。
「高校生にそんなもの勧めないでください」
「フン？今時の高校生は皆吸ってんじゃないの？｣
「センセー、教師がそんなこと言ってちゃダメだと思います」
「冗談冗談｣
先生は軽く笑いながら、あたしの頭をくしゃくしゃ撫でた。
・・・大きな手。男の人の、手だ。
先生にとってのあたしは、どういう存在なんだろう。
ただの教え子？
それとも、それ以前にただの子供？
「・・・先生にとって、高校生って子供ですか」
「んー？そりゃそうだろ。高校生なんてまだまだガキよ」
「じゃぁ、女子高生が、恋愛対象になることって、ないの？」
「…………」
銀八先生はタバコの煙を吐き出して、あたしを見た。
「・・・まァ、みたいにイイ女だったら、あるかもなァ？」
先生はけらけら笑って言った。
「茶化さないでよ、先生」
「大真面目ですけど？｣
「……」
あたしは無言で先生をにらみつけた。
「じゃぁ、証明して」
「あ？」
「あたしにキスしてみてよ」
先生は、再びタバコを大きく吸った。
「・・・すれば、満足なわけ？｣
言葉と一緒に白い煙が吐き出される。
にやりと笑って、あたしを見据える。
・・・・・・馬鹿にされてる。
「・・・あたしは、もう子供じゃない」
そう言ってあたしは先生の唇に自分の唇を押し付けた。
歯と歯がぶつかり合うような、下手なキス。
自分で下手だって分かったけど。
恥ずかしかったけど。
そんなのどうでも良かった。
先生はあたしの肩を強く掴んで自身から引き離した。
触れていただけの唇は、いとも簡単に離されてしまって。
「、そりゃマズイなぁ」
その先生の言葉で、あたしは血の気が引いていくのを感じた。
先生はタバコ吸っていたタバコを地面に落とし、ぎゅっと踏みつけた。
口の中に残っていた煙を全て吐き出して、あたしを見て、言った。
「大人のキスってのはこういうのを言うの」
もう一度肩が引っ張られたと思ったら、深く口付けられていて。
小さく開いた口の隙間から先生の舌が割り込んでくる。
「ん・・・っ」
タバコの味が、口内へ広がった。
タバコなんて大嫌いだけど、先生から伝わるものだから、嫌ではなかった。
「ふ・・・・・んん」
苦しさで身をよじっても、キスはさらに深くなるばかりで。
それはじきに快楽へと変わった。
足から力が抜け、尻餅を付きそうになるのと同時に唇が離れ、
先生があたしの腰に手を回して支えてくれた。
「まだには刺激が強かったかもなァ？」
不敵な笑みを浮かべて先生はあたしをゆっくり地面に座らせた。
「今はこんだけで我慢しなさい」
そう言って先生は屋上の扉へ向かった。
「先教室行ってるからなー。後で来いよ」
あたしは顔を赤くして肯くことしか出来なかった。
扉を開けたところで、先生がこちらを振り向いた。
「ー」
「…なん、ですか…っ」
「どうしてもって言うならなァ、次は保健室でな｣
………保健室？
先生の言わんとしている事を理解するのに数秒。
あたしの顔はさっきよりさらに赤くなった。
「そ、そんなの行かないもん！！」
「…あそ」
先生は最後にもう一度にやりと笑って姿を消した。
・・・先生は分かってるんだと思う。
あたしがこれだけでは、満足しないってこと。
…嫌な先生。
あたしを子供扱いしたこと、絶対、後悔させてやるから。
生徒だと、好きになってもらえない？
そんなこと、一体誰が決めた？
目一杯、背伸び中
「ねェ、また先生来てないよ〜」「まじ？銀八いないと授業始まんねェし」
こんな会話はしょっちゅうで。
「〜、お前呼びにi行ってこいよ」
「ちゃんが呼べば即きそう！気に入られてるもんね」
そして、ここであたしが借り出されるのも、いつもの事。
廊下をのんびり歩きながら先生の事を考える。
銀八先生は、三年Ｚ組の担任で、国語の先生。
あたしはＺ組じゃないけど、国語を担当してもらってるわけで。
・・・って言ってもちゃんとした授業はやったこと無いんだけど。
でも良いんだ。
授業がそれらしくても、らしくなくても。
会えるのが嬉しいから。
銀八先生が授業に遅れてくるとき、居る所は決まってる。
あたしは屋上の扉を開けた。
「やっぱり」
あたしの声に反応して、先生はこちらを見た。
「か。どうした？」
「どうしたじゃないです。授業始まってますよ｣
「そんなことより、お前もどうよ？」
そう言って先生はタバコを差し出した。
「高校生にそんなもの勧めないでください」
「フン？今時の高校生は皆吸ってんじゃないの？｣
「センセー、教師がそんなこと言ってちゃダメだと思います」
「冗談冗談｣
先生は軽く笑いながら、あたしの頭をくしゃくしゃ撫でた。
・・・大きな手。男の人の、手だ。
先生にとってのあたしは、どういう存在なんだろう。
ただの教え子？
それとも、それ以前にただの子供？
「・・・先生にとって、高校生って子供ですか」
「んー？そりゃそうだろ。高校生なんてまだまだガキよ」
「じゃぁ、女子高生が、恋愛対象になることって、ないの？」
「…………」
銀八先生はタバコの煙を吐き出して、あたしを見た。
「・・・まァ、みたいにイイ女だったら、あるかもなァ？」
先生はけらけら笑って言った。
「茶化さないでよ、先生」
「大真面目ですけど？｣
「……」
あたしは無言で先生をにらみつけた。
「じゃぁ、証明して」
「あ？」
「あたしにキスしてみてよ」
先生は、再びタバコを大きく吸った。
「・・・すれば、満足なわけ？｣
言葉と一緒に白い煙が吐き出される。
にやりと笑って、あたしを見据える。
・・・・・・馬鹿にされてる。
「・・・あたしは、もう子供じゃない」
そう言ってあたしは先生の唇に自分の唇を押し付けた。
歯と歯がぶつかり合うような、下手なキス。
自分で下手だって分かったけど。
恥ずかしかったけど。
そんなのどうでも良かった。
先生はあたしの肩を強く掴んで自身から引き離した。
触れていただけの唇は、いとも簡単に離されてしまって。
「、そりゃマズイなぁ」
その先生の言葉で、あたしは血の気が引いていくのを感じた。
先生はタバコ吸っていたタバコを地面に落とし、ぎゅっと踏みつけた。
口の中に残っていた煙を全て吐き出して、あたしを見て、言った。
「大人のキスってのはこういうのを言うの」
もう一度肩が引っ張られたと思ったら、深く口付けられていて。
小さく開いた口の隙間から先生の舌が割り込んでくる。
「ん・・・っ」
タバコの味が、口内へ広がった。
タバコなんて大嫌いだけど、先生から伝わるものだから、嫌ではなかった。
「ふ・・・・・んん」
苦しさで身をよじっても、キスはさらに深くなるばかりで。
それはじきに快楽へと変わった。
足から力が抜け、尻餅を付きそうになるのと同時に唇が離れ、
先生があたしの腰に手を回して支えてくれた。
「まだには刺激が強かったかもなァ？」
不敵な笑みを浮かべて先生はあたしをゆっくり地面に座らせた。
「今はこんだけで我慢しなさい」
そう言って先生は屋上の扉へ向かった。
「先教室行ってるからなー。後で来いよ」
あたしは顔を赤くして肯くことしか出来なかった。
扉を開けたところで、先生がこちらを振り向いた。
「ー」
「…なん、ですか…っ」
「どうしてもって言うならなァ、次は保健室でな｣
………保健室？
先生の言わんとしている事を理解するのに数秒。
あたしの顔はさっきよりさらに赤くなった。
「そ、そんなの行かないもん！！」
「…あそ」
先生は最後にもう一度にやりと笑って姿を消した。
・・・先生は分かってるんだと思う。
あたしがこれだけでは、満足しないってこと。
…嫌な先生。
あたしを子供扱いしたこと、絶対、後悔させてやるから。
お題元【恋したくなるお題】様
銀八先生は銀さんより難しい。
でも教師と教え子の恋愛っていい。
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